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No.124 大台ケ原から大杉谷
 平成13年(2001年)5月3日〜6日 薄晴れのち曇り

大台ケ原 略図
名瀑が連なる大杉谷

第1日=…湯盛温泉 第2日=湯盛温泉…駐車場から大台ケ原回遊…大台荘 第3日=大台荘〜日出ヶ岳1695m〜シャクナゲ平〜堂倉滝〜七ツ釜滝〜桃ノ木山ノ家  第4日=桃ノ木山の家〜千尋滝〜宮川第一乗船場-《乗合タクシー》-松阪駅 【歩行時間: 第2日=3時間 第3日=5時間20分 第4日=3時間10分】
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*** 前項「大台ケ原山」 からの続きです ***

 5月5日(第3日目): 大台荘の朝食は7時からとのことで、山小屋としては少し遅いと思った。 で、未明、未だ明かりの点かない薄暗い食堂で、前夜のうちに確保しておいた宿の弁当で朝食をとり、歩き始めたのは午前5時30分。 外はとっくに明るくなっていた。 日が随分と延びたものだ。
あとひと息で日出ヶ岳山頂
日出ヶ岳山頂部

日出ヶ岳山頂の一等三角点
山頂の一等三角点

吊橋より見た桃ノ木山ノ家の全景
桃ノ木山ノ家

  暫らくは昨日歩いた苔と原生林の遊歩道を東へ進む。 分岐で正木峠への道を右に見送ると、ひと息の登りで大台ケ原の最高峰、1等三角点のある日出ヶ岳山頂1695mへ着いた。 午前6時10分、薄晴れ、北の微風、気温摂氏約5度、少し寒い。
  早速、コンクリート造りの山頂の展望台に上ってみる。 西の方向、三津河落山(さんづこおちやま・1654m)の後方に大峰の山々が薄ぼんやりと見えている。 東の眼下には一面の雲海が広がっていた。
  短く感じたけれど、40分間も日出ヶ岳山頂に立ち尽していたらしい。 山頂を辞したのは6時50分だった。 宿で朝食を摂ってきた後発のパーティーは…あとで聞いた話だが…日出ヶ岳山頂からの展望は、既に霧に隠れていて全然見えなかったとのことだった。 その話を聞いて、矢張り早起きは三文のトクだね、なんて、佐知子とほくそ笑んだ。
  日出ヶ岳山頂の東方から大杉谷への下り、シャクナゲ平、シャクナゲ坂と、延々と続くホンシャクナゲの大群落が、ただもう呆れ返るほど物凄かった。 花期は5月末頃だというが、その頃はさぞかし見事だと思う。 足元の開けた箇所ではバイケイソウが青々と茂っている。
  シャクナゲ坂の途中で、シジュウカラとヤマガラが仲良さそうに小枝に止まっているのを見てニヤニヤしてしまった。 不倫じゃないの、と、咄嗟にそう思った私達自身のその時の気持ちが可笑しい。
  9時15分、 シャクナゲ坂を下りきって、堂倉避難小屋前の広場で休憩をしていた頃から、早くも宿の朝食組(後発のパーティー)に追い越され始めた。 私達の歩く速度は、このように、とにかく遅いのだ。 高度が下がるに従って、森の主人公がブナ、ミズナラ、トチノキ、サワグルミ、カエデ類などの落葉広葉樹から、アカガシ、アラカシ、ウバメガシ、サカキなどの常緑広葉樹へと徐々に移り変わる。
  堂倉避難小屋から林道を横切り、急斜面を1時間ほども下ると、ごうごうと音を立てる最初の滝、堂倉滝の前へ出る。 屈指の大渓谷、限りなく水の清らかな大杉谷は、今が新緑の盛りだった。 ここから先、渓谷に沿って下ったり登ったり、幾つかの吊橋を渡ったりして、与八郎滝、隠滝、光滝、そして七ツ釜滝と、数多くの大きくて立派な滝を観賞しながらの沢道は痛快だった。
  息つくヒマもないほどの渓谷美の連続だ。 岩に染みついた苔のせいか、所々滑りやすい箇所もあったけれど、要所にはクサリがあるので安心だ。 大杉谷の地質は砂岩、頁岩、チヤートなどの堆積岩が大部分のようだ。
  桃ノ木山ノ家へ着いたのは午後2時丁度だった。
  桃ノ木山ノ家(収容人員500名)のこの日の泊り客は60名位で、のんびりできた。 大混雑を予想していただけに、この誤算は嬉しかった。 風呂にもゆっくりと浸かれた。 なんでも、昨日の泊り客は300名程で混雑していたらしく、GWの最後の一日は自宅で、というアウトドア派が多かったようだ。
吊橋を渡る
幾つかの吊橋を渡る

要所にはクサリが付いている
岩壁をトラバース

 5月6日(第4日目): 5時30分からの朝食をそそくさと済ませ、宿の前に架かる桃ノ木吊橋から歩き始めたのは午前5時50分。 今日も小鳥たちが盛んに囀っている。
  枝沢に架かる幾つかの吊橋を渡ったり、平等ー(びょうどうぐら)の絶壁やニコニコ滝や千尋(せんひろ)滝の景観を楽しんだり、昨日に引続き、神秘的な渓谷美のとりこになって、大杉谷を尚も下る。 渓谷は一層深く大きくなってくる。
  午前9時50分、大日ー(だいにちぐら)の岩壁をトラバースして間もなく、宮川第三発電所(登山口)へ到着。 ここからダム湖を見ながら10分も歩いた処に宮川第一乗船場があり、乗合のタクシー(ワゴン車)が客待ちをしていた。 本日の船乗場は第三乗船場とのことで、ここから尚30〜40分は歩くという。
  あっさりとタクシーの勧誘に同意した。 下山道の途中で私達を追い越していった桃ノ木山ノ家の、今はもう顔なじみになっていた同宿の面々も、傍のベンチで私達を待ちかねていた。 暫らくして定員の9名になったので、和気あいあいと、乗合タクシーは松阪駅へ向かって走り出した。 タクシー料金は一人3,500円だった。 車窓から新緑の深い谷間のダム湖を見て、少し時間はかかるけれど、遊覧船に乗って大杉へ出る帰路も一興だったかな、と少し後悔した。
  松阪駅からは一路東京へ。 名古屋駅始発の「こだま」の自由席は思っていたより空いていて、楽々と座れた。
  大台ケ原で降雨に遭わないのは幸運だとか。 私達の4日間の大台ケ原の山旅は幸運だった。 そして、あっという間の4日間でもあった。


* その後、2004年(H16年)9月の水害で、宮川沿いの登山道は通行不能になっているようです。 ご注意ください。 (大台ケ原から大台林道までは可能) [後日追記]
* さらにその後、通行可能区間が増えたようで、休業していた「桃ノ木山ノ家」がH24年4月から営業を再開したようです。[後日追記]
* さらにその後のその後、2014年(H26年)4月25日から、大杉谷登山歩道が(約10年振りに)全線オープンとなった模様です。[後日追記]
  「桃の木山の家」のHP



大杉渓谷を下る

日出ヶ岳からの下り
シャクナゲの大群落を抜ける
豪壮な七ツ釜滝
七ツ釜滝
清流の大杉谷は今が新緑の盛り
大杉谷は今が新緑の盛り!

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