No.169-1 白山2702m前編 平成16年(2004年)9月18日〜20日 |
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第1日=JR上野駅-《寝台特急》-金沢駅-《バス2時間》-別当出合〜中飯場〜甚之助避難小屋〜黒ボコ岩〜白山室堂 第2日=白山室堂〜御前峰2702m〜白山室堂〜黒ボコ岩〜慶松平〜指尾1418m〜六万山1260m〜市ノ瀬(白山温泉) 第3日=白山温泉-《宿の車15分》-白峰-《バス90分》-金沢 |
別当出合 中飯場を通過 黒ボコ岩 白山室堂VC |
*** コラム *** この「ゴミ持ち帰り運動」に、妻の佐知子が血相を変えて小声で異議を唱えた。 「持ち込む物資より持ち出すゴミの方が少ない筈なのに、何故、小屋のゴミを登山客の私達が持って帰らなくてはいけないの? こんなことなら持参のコップに注いでもらえばよかった…」 私は咄嗟に返事ができず、「飯豊山も、確か、そうだったよ…」 と、方向違いの返事をしてしまった。そして、暫らくの沈黙の後、慌てて、「最近の早池峰山(岩手県)の自然保護運動は盛り上がっているよ。ハイカーは常にボランティアの心をもっていなければいけないんだよ」 と、これもまた訳の分からない発言をしてしまった。何れにしても、佐知子は全然納得していないみたいだった。 私は、というと、先ほどからタバコを吸いたくてウズウズしている。小屋の何ヶ所かに「タバコは指定された場所でお願いします」という掲示はあるけれど、その「指定された場所」というのが何処を探しても見つからない。生ビールを飲んでいい気持ちになったり、佐知子のグチを聞いてイライラしたりしていた私は、随分長いことタバコを吸っていない。 トイレへ行く、と云って外へ出て、どしゃ降りの雨が霧となって入り込む裏玄関口で、目の前の祈祷殿の鳥居さえ見えない灰色の濃霧を見ながら、やっと一服した。隣には、矢張り立ちんぼのご婦人が美味そうにタバコを吸っていた。目が合って、ニコッと笑いながら、一言二言会話した。 * 蛇足ながら、この1年9ヶ月後、私は禁煙に成功しました。[後日追記] |