「私達の山旅日記」ホームへ

No.262 十二湖散策
平成21年(2009年)7月7日 概ね良い天気

十二湖 略図
左側が鶏頭場(けとば)の池
十二湖散策スタート

神秘的な青色
青池

まったりと森林浴
ブナの自然林

梅の花に似ている:微かに甘い香り
マタタビの花

バックは崩山
日本キャニオン

広い敷地内には草原や展望所などもある
アオーネ内を散歩

アオーネのフロント棟の前で
記念写真です


のほほん白神山地・3日間の山旅その
まったりと森林浴

第1日=…大館能代空港…白神岳登山口…白神岳山頂避難小屋 第2日=白神岳山頂避難小屋…白神岳登山口…アオーネ白神十二湖
第3日=アオーネ白神十二湖-《送迎バス10分》-森の物産館(キョロロ)前〜青池〜ブナ自然林〜十二湖庵(茶屋)〜ビジターセンター〜日暮の池〜キャニオン展望所〜八景の池-《バス10分》-アオーネ(昼食)-《送迎バス5分》-十二湖駅-《五能線》-能代-《バス60分》-大館能代空港…羽田空港 【歩行時間: 約2時間】


*** 前項 白神岳(後編)からの続きです ***

  白神岳登山が予定通り順調にいったので、予備日の3日目(山旅の最終日)には近くの十二湖周辺を散策する機会に恵まれた。 青森県深浦町や「アオーネ白神十二湖」のパンフレットによると、十二湖は「約300年前の地震によってできた大小33の湖沼群からなる、ブナの森に囲まれた美しい公園(津軽国定公園)」とのことだ。 崩山の上から眺めると、小さい池は森の中に隠れ、大きな池だけが12見えることから「十二湖」と伝えられているようだ。 ちなみに、この十二湖の地籍である岩崎村(現在は深浦町)は、夜空が暗く空気も澄んでいるので全国で最も星空の観測に適している、という環境庁(現環境省)のお墨付きの地でもあるらしい。
  今回の山旅でいろいろとお世話になった岩崎タクシーの運転手さんに 「東京のかたでも十二湖は有名だから知っているでしょう」 と聞かれて困った。 じつは、少なくとも私達夫婦は、今回の山旅を計画するまではその存在を知らなかった。 言い訳はしたくないが、青森県って東京からとても遠いのだ…。 “かなり有名な十二湖”を、だから、散策するのはとても楽しみだった。

  「アオーネの湯」の朝風呂にゆっくりと浸かってから、レストラン棟でバイキング形式の朝食を済ませる。 時間はのんびりと流れている。 重たいザックの登山を終えたばかりで身体中の骨や筋肉が痛い朝だったが、私たち4人のメンバーは気合を入れて十二湖巡りの軽ハイキングを決行した。
  フロントにザックなどを預けて、身も心も軽く、8:30発の小型無料送迎バスに乗り込む。 今日の十二湖散策には大きなザックは不要だ。 途中の「王池(西湖・東湖)」や「越口(こしぐち)の池」などの説明を運転手さんから聞いたりして、約10分後には奥十二湖の「森の物産館キョロロ」前で降ろされた。 「キョロロ」とは小鳥のアカショウビンの鳴き声から名付けられたとのことだ。 私たちはここから歩き始めた。
  池畔に大町桂月の碑がある「鶏頭場(けとば)の池」を少し進むと山道との分岐へ出た。 ここが崩山940m〜大峰岳1020m〜白神岳1235mへと続く十二湖コースの登山口なのだ。 私たちは感慨深げにその場で暫く立ち止まった。 昨日の白神岳登山の二日目は、本来ならばこのコースから下山する予定だった。 崩山付近の登山道崩壊がまだ復旧しておらず通行禁止になっており、断念して二股コースで下ったのだ。
  その十二湖コースへの登山道を左へ見送り、私たちは歩きやすい木段の道を進む。 見えてきた「青池」の澄んだ群青色にはびっくりした。 けっこう水深はあると思うのだが、透き通っていて湖底に沈んでいる倒木などが幻想的に見えている。 吸い込まれそうな神秘的な美しさだ。 33あるという湖沼群の中ではかなり小さな青池だが、その個性は群を抜いているようだ。 何が原因でこの「青」が生まれるのか、今のところ原因は不明だという。 次の観光客が来るまでの長い時間を、狭いけれど陽光きらめくこの青池展望台で過ごした。
  それからなだらかなブナ自然林を通過する。 「あんなにがんばって白神岳に登らなくても、こんなにステキなブナ林があったのね」 と、ここでも感慨深げになる私たちだった。 ブナのほかにはミズナラ、カツラ、トチノキ、イタヤカエデ、エノキ、イイギリ、ヒノキアスナロ(ヒバ)など、樹木名の書かれた札も掛かっている。 意外だったのは、暖温帯系のヤブツバキの木が、もうとっくに花期は終わっていたけれど、林縁の所々に自生していたことだ。 この白神山地の日本海側(西側)は海流の影響で案外と温暖な地域であるらしい。 東からの冷風(やませ)を白神岳などの山稜が守っている、ということもその理由のひとつであるという。
  いろいろな小鳥もさえずっていたが、私たちには鳴き声だけではよく同定できない。 カワセミ3兄弟(カワセミ、ヤマセミ、アカショウビン)や天然記念物のクマゲラやイヌワシも、一度でいいから自然の状態で見てみたかったのだが…、そう簡単にいくはずがない。 そのかわり、白い葉っぱが印象的なマタタビにきれいな花が咲いていたり、開けた小草原にクルマユリが咲いていたりとか、次から次への楽しい発見が私たちを待っていた。
  やはり青い色をした「沸壺の池」の脇を下り、バス通りのアスファルトにいったん出て、休憩所(十二湖庵)で和服姿のご婦人から無料の抹茶サービスを受ける。 ここの湧き水(沸壺池の清水)は平成の名水100選に認定されているとかで、その名水で点てたお茶はとても美味かった…、ような気がした。 心付けは自由とのことだが、大変有り難いもてなしで、当地の(観光振興にかける)意気込みが伝わってきた。
  十二湖庵から湖畔のアスファルトを少し進むと十二湖ビジターセンターがあり、展示物などを見学した。 建物の裏側(越口の池)には幻の巨大淡水魚・イトウの養殖池があり、これも見て回った。 ハイキングというよりは完全に観光バージョンだ。
  しかしビジターセンター前のアスファルトを横切り山道へ入ると、再び軽ハイキングバージョンになった。 「仲道の池」を過ぎ、「日暮の池」をぐるっと回って、「影坂の池」も左手に通り過ぎる。 くねくねとなだらかに登って暫く進むとヒノキアスナロの樹林が開け、日本キャニオンの展望所へ着いた。 私は本物のグランドキャニオンは見たことがないが、多分そのスケールは段違いの差だと思う。 しかし谷を隔てて眼前に聳える岩の肌は充分にアルペン的で迫力があり、その奥には崩山の山頂部も見えていた。 この崩山も日本キャニオンも、十二湖のランドマーク的な存在だ。
  キャニオン展望所からなだらかに下り、バス停や駐車場や旅館のある「八景の池」へ出たのは11時を少し過ぎた頃だった。 バスの到着までには暫くあったので、湖上に浮かぶハスの花を観賞などして過ごした。
  変化はあるが高低差の少ない、正味2時間弱のまったりとしたリゾートコースで、筋肉痛の私たちにはちょうどいいボリュームのハイキングだ。 平日ということもあって、静かな山歩きを楽しむことができたのが何よりだった。

  アオーネ白神十二湖へ戻って昼食を摂ったり土産物を買ったり付近を散歩したりした。 それから送迎バスで五能線の十二湖駅へ出て、14:10発の上り普通列車に乗る。 車窓から日本海の景色を眺めながらウトウトしていたら能代へ着いた。 ここからシャトルバス1時間で大館能代空港へ着き、あれよあれよという間に飛行機は飛び立つ。
  羽田空港に着いたのは夜の帳が降りた頃だった。 この日は七夕だったのだが、どんよりとした東京の夜空には星も月も出ていない。 今すぐもう一度、飛行機に乗って、白神岳の透明な夜空を見てみたい、と、そのとき本当にそう思った。

* 十二湖散策コースについて補足: 今回私たちが歩いたのは全コースの一部です。 長池や金山の池など、南側に続く十二湖リフレッシュ村方面へ足を伸ばすのもいいかと思います。 どんなにぐるぐると歩いても正味4〜5時間もあればそのあらかたを見て回ることができると思います。 いろいろなコースがあるので、時間やメンバーの体力・気力に合わせた計画ができるのも魅力です。 アオーネの受付で担当者に相談するといいと思います。 きっと親切にアドバイスしてくれます。 不安な方には(要予約で有料ですが…)ガイドも引き受けてもらえます。

アオーネ白神十二湖「アオーネの湯」 アオーネ白神十二湖「アオーネの湯」: 「アオーネ白神十二湖」は白神山地・十二湖の麓にある自然体験型のリゾート宿泊施設で、コテージや物産館などの施設がログ調に美しく建ち並んでいる。 芝生の大広場や展望所や花壇などもあって、広い敷地内を散歩しているだけでけっこういい運動になる。 昨年(平成20年)の10月に「サンタランド白神」から名称を変更して営業を開始したという。
  そんなリゾートな敷地内に今年の5月1日にオープンしたのが「アオーネの湯」。 源泉名は「鍋石温泉」とのことで“運び湯”であるらしい。 泉質はナトリウム-塩化物泉。 無色透明で、舐めるとしょっぱい海水の味。 循環・加熱・加水で露天風呂はないが、石タイル貼りと板壁の浴室は広くて明るくて清潔だ。 もちろん日帰り入浴も可だ。(入浴料500円)
  私たち4人は和室棟の2室に分宿したが、何れも1階部分と吹き抜けの2階部分に広い和室があるという、デラックスなリゾート型の部屋だった。 1室に10人以上でも楽に泊まれるほどの広さには、心底びっくりした。 別棟のレストラン棟「アカショウビン」の食事も、地元の食材をふんだんに使った心温まる珍しいものばかりで、生まれて初めて食べたイトウの刺身(にぎり)など、とても美味しかった。 施設内の夜の街灯が明るいのもけっこうなことだが、せっかくの「全国で一番、星空の観察に適している所」がスポイルされてしまっていたのは、ちょっと残念に思った。 宿泊料はリーズナブルで割安感があった。(1泊2食付一人9,075円) 白神山地トレッキングや十二湖観光の拠点として、超お勧めの宿泊施設だ。
* アオーネ(AWONE)の意味を若い女子従業員に訊いたら、顔を赤らめてモジモジしたりタジタジしていて、結局そのときは分からずじまいだった。 その後チラシを読んで分かったのだが、「アオーネ」の意味は次のようなことらしい。
 A→Aomori WO→World N→Nature E→Estate (青森 世界 自然 遺産)
  「アオーネ白神十二湖」のHP



まるでモネの絵のよう・・・
ハスの花がとてもきれい!(八景の池)

このページのトップへ↑
No.261-2「白神岳(後編)」へNo.263「白砂山」へ



ホームへ
ホームへ

ゆっくりと歩きましょう!