舗装された遊歩道: 11時10分、三原山頂口(三原山展望所・標高約560m)から歩き始めます。道は完ぺきに整備されています。
バリバリの活火山・三原山は伊豆大島の中央に位置する中央火口丘です。昭和61年(1986年)の11月に大噴火が起きて、全島民1万人が島外へ脱出し避難生活を送ったというニュースは、同じ東京都民として、衝撃的でした。内輪山の山腹に黒い筋が何本も見えますが、それがそのときの溶岩流の爪痕だそうです。
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三原神社: 11時40分、遊歩道の途中にある三原神社に参拝。86年の噴火の際、何故かここは難を免れたそうです。溶岩流に囲まれた、なんとも不思議な空間で、小さくて華奢な神社ですが、なんか、ご利益がありそうです。“大噴火後、厄除けとしての人気が急上昇した”とのことですが、さもありなんと思いました。
舗装道はここまでで、ここから先は細かいスコリアの歩道になります。
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溶岩とススキの道: 11時45分、再び歩き出すと、ここにも植生回復のパイオニア中のパイオニア(先駆植物)…ススキが所々茂っています。土壌の最初を作るのですから、ススキってスゴイやつだと思います。
海を隔てて南南西の方向には伊豆七島の利島や新島など、西面には伊豆の山々などがぼんやりと見えています。澄んだ空であれば房総半島や富士山も見えるとのことです。
玄武岩質の黒いスコリアに覆われた荒涼とした風景が暫く続きます。
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ぐるっとお鉢めぐり: 12時〜、三原山中央火孔(お鉢)をぐるっと、三原新山758mの少し南側を巻いたりして、時計の反対廻りに進みます。この写真の地点がかつての最高峰・剣ヶ峰749mだろうと思われますが、標識がないので判然としません。写真の左側がお鉢(直径300〜350m、深さ200m)です。岩山的なゴツゴツ感は富士山山頂部のお鉢のほうが迫力がありますが、規模は同程度だと感じました。
風の比較的に弱い場所を見つけてそこで中休止、昼食のお弁当。
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裏砂漠のすすきヶ原を下る: 12時40分、北へ向かって下山開始。下るに従って溶岩だけの景色からススキ、ハチジョウイタドリ→ハチジョウイヌツゲ、ヒサカキ、オオムラサキシキブ、サルトリイバラ→オオバヤシャブシ、シロダモ、ヤブツバキなど…と植物たちの背が少しずつ高くなり、種類も豊かになってきます。期せずして植生の一次遷移を、その現在進行形で垣間見ることができました。自然が、自らの力で、加速度をつけて回復しているのです。
ふわふわとしたスコリアの下り坂は膝に負担が少なくて、ここも歩きやすかったです。
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 三原山温泉「大島温泉ホテル」: 13時30分、標高約500mの外輪山の縁に建つ温泉ホテルに到着。自然観察もそこそこに早足で歩いたおかげで温泉入浴をまったりと楽しめました。露天風呂からは正面に雄大な三原山を眺めることができます。無色透明の単純泉。元町港まではバスで18分。ツアー代金に含まれていましたので私たちは支払いませんでしたが、日帰りの入浴料は800円とのことでした。
大島温泉ホテルのHP
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元町港から帰路につく: ちょうど当地の「伊勢海老まつり」とのことで、元町港では地元の方たちから伊勢海老入り味噌汁の振舞を受けました。熱々の身がたっぷりで、とても美味しかったです。家のお土産にはクサヤと椿油と自然塩を買いました。
15時20分発のジェット船に乗ると45分後には熱海港へ着きます。なんか…、あっという間の伊豆大島・三原山でした。
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