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No.37 赤久縄山(あかぐなやま・1522m・西上州)
平成8年(1996年)12月21日 晴れ マイカー利用

御荷鉾林道から望む赤久縄山
赤久縄山

稜線を走る御荷鉾スーパー林道にて
赤久縄山へ向かう


車で行ったらあっけなかった・・・

《マイカー利用》 関越自動車道 本庄・児玉 I.C…御荷鉾スーパー林道の赤久縄山登山口より山頂往復 【歩行時間: 約1時間】
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ


 御荷鉾(みかぼ)スーパー林道は昭和58年に開通したらしい。当時の総理大臣は当地出身の中曽根康弘氏だ。と、まあ、それはどうでもいいことなのだが、おかげでこの山域の登山がずいぶんと楽になった。
 そのスーパー林道からは浅間山、妙義山、榛名山、稲含山などがよく展望できた。山座同定向きの眺めだ。登山口にある駐車場に車を置いて赤久縄山(あかぐなやま)の山頂をめざす。
 一等三角点が置かれた山頂はカラマツなどの木立に囲まれており、この付近の山の中では最高峰なのだが、それほど眺望は良くなかった。
 マイカーを利用しての今回の往復登山。歩いたのは正味1時間弱で、何か、あっけない気がした。山頂と杖植(つえたて)峠を結ぶ登山道(林道と並行している)があるのだが、交通手段との兼ね合いが難しそうだ。

 午前中で赤久縄山登山が終わってしまったので、午後からは鬼石の桜山公園で冬桜見物などをして過ごした。今日の宿は鬼石町の八塩温泉と決めてある。

  この翌日は西御苛鉾山登山
八塩温泉「神水館」
八塩温泉「神水館」: 関越自動車道 本庄・児玉 I.Cより国道462号線で約13km、約20分。群馬県と埼玉県の県境を流れる神流(かんな)川のほとりに三軒の温泉宿が建つ。私達が泊まった「神水館」は老舗格(昭和6年創業)とのこと。泉質は食塩アルカリ性炭酸泉、舐めるとしょっぱい。浴用加熱。鬼石町特産の三波石を配した露天風呂。会席料理。
 外部サイトへリンク 「神水館」のホームページ

*** コラム ***
山歩きのジレンマ

rucksack-image 私の趣味は山歩きだが、山歩きを計画するときにいつも感ずるジレンマ(板ばさみ)がある。趣味(遊び)と家庭環境(又は仕事)といったような普遍的なジレンマはさておいて、それ以外にもけっこう多くのジレンマがある。それらを私は「高尾山のジレンマ」とか「赤久縄山のジレンマ」などと名付けている。

* 高尾山のジレンマ: 私が電車を利用して高尾山(空気のよい処)へ行く場合、新宿駅構内等の混雑した場所(空気の悪い処)を通過しなくてはならない。仮にマイカーを利用したとしても人工物と排気ガスだらけの道路を通らなくてはならない。つまり、自然に会いにいくために超人工的な(不自然な)領域を通らなくてはならない。これが高尾山のジレンマだ。別に高尾山じゃなくとも、都会に住む私にとってはすべての山(自然)があてはまるのだけれど…。

* 赤久縄山のジレンマ: 文明の利器(自動車やケーブルカーなどのこと)を使って行けるところまで行って、そして歩くのが自然だ、と私は思ってしまう。車で行けるところを何も歩かなくてもいいじゃないか、という理屈である。歩くのは目標に到達するためで、歩くこと自体を目的とはしたくないのだ。目標に向かって歩いている属性に、きれいな空気や美しい景色があるのだと思いたいのだ。しかし、歩かなくてはその山の本当のよさが分からないとしたら、麓から歩いた方がいいのかもしれない。つまりこれが赤久縄山のジレンマである。これも、別に赤久縄山でなくとも、「伊吹山のジレンマ」でも「筑波山のジレンマ」でも、もう一度高尾山に登場を願ってもいいのだが…。

* 尾瀬のジレンマ: 自然が好きで自然を大切にしたいのだけれど、歩くと自然破壊になってしまうという。つまり山歩きと自然保護の間に横たわる古典的なジレンマである。これはすべての山に当てはまるけれど…。

* 平ヶ岳のジレンマ: 認められていないショートカットの登山道を歩けば楽なのだが、矢張り「正道」を歩くべきなのか、といった「コース取り」に関するジレンマ。これも平ヶ岳以外にもけっこうある。

* 富士山のジレンマ: 高い山に登ってみたいけれど高山病が怖い、というのが第一義。別の意味として、有名な山なので少なくても一度は登らなくてはいけないと思うけれど、できたら登りたくない、というような場合にも用いる。

* 八海山のジレンマ: 登りたいけれどギックリ腰(体調絶不調)という、私の個人的で経験論的なジレンマ。私自身の健康管理不十分のせいで、八海山には特に罪は無い。

 私は哲学者ではないので、当然この話には結論はない。東京に住む軟弱な私がこれからも山歩きを趣味として続けるかぎり、多分ずっともち続けるジレンマだと思う。
 ただし、私には「山歩きのジレンマ」に対抗する概念というか理念というか、はある。それは 「家の外へ出ること、それ自体がとても良いこと」 というアウトドアーの真髄だ。
 
[平成17年12月追記]

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