信仰と民話と歴史の、傷だらけの山…
《マイカー利用》 筑波山登山…筑波温泉(泊)-《車》-桜坊(三合目分岐点)〜山椒魚谷〜加波山神社親宮〜加波山神社本宮(加波山)〜(本宮道)〜三合目分岐点 【歩行時間: 2時間40分】
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加波山神社親宮
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加波山(樺山、蒲山、加葉山)は、筑波山とともに古くからの信仰登山の山で、かつては神場山、神庭山、神母山とも記されていたらしい。
稜線上は社や祠だらけだったが、そのなかで面白いのが「たばこ神社」だった。毎年8月20日には、大きなキセルを山頂にかつぎ上げるという奇祭(きせる祭り)が行われるという。ネーミングも面白いが、愛煙家の私にとっては気になる神社でもあった。その山頂付近では、四十雀(シジュウカラ)が「ツッピー、ツッピーッ」と鳴いていた。
御影石(花崗岩)の採石場が山の中腹のあちこちにあった。普通の花崗岩と比べると黒雲母などの粒子が小さく、より白っぽく見える。地味で細かい模様のこの石をきれいだとは思ったが、人工的に変化させられて醜くなった山肌を見るのは、矢張り少し辛かった。
天狗がたくさん住んでいるという加波山。明治17年の「加波山事件」の舞台としても有名な加波山。この信仰と民話と歴史の山は、しかし、今は傷だらけの山だった。立派なスギ・ヒノキの人工林やコナラ、ヤマザクラ、アカマツ、ブナ、シデ類、カエデ類などの天然林もあることにはあるが、真壁町側から眺めたかぎりでは、採石跡の斑模様があまりにも痛々しくて、息も絶え絶えといった風だった。もしかしたら私達のコース取りの失敗だったのかもしれない。雨引山〜加波山〜足尾山の縦走路を辿るのが、この山の「自然」を見る場合、正解だったのかもしれない…。
下山後は、近くにある「伝正寺鉱泉」に未練を残しつつ、東京への帰路についた。
筑波温泉ホテル: 前項No.59筑波山 を参照してください。
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真壁町北部の車道から加波山を望む
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真壁町北部の車道から加波山を望む
採石による斑模様の山肌が痛々しい
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筑波山の御幸ヶ原から加波山(右)を望む
後日(R6年1月)撮影
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