No.59 筑波山877m *** 歴史的な「庶民の山」 *** |
|||||
![]() INDEX @ 嬉しい誤算は自然林の良さ: 平成10年(1998年)3月7日 A つくばエクスプレスを利用して: 平成21年(2009年)2月11日 → 国土地理院・地図閲覧サービスの該当ページへ @ 嬉しい誤算は自然林の良さ 5年前に一度ロープウェイを利用して女体山に登り、つつじヶ丘までの下山路を歩いているが、これで百名山の一座を完登したとするには流石に気が引けて、今回の再挑戦となった。
雪の残る北側の稜線上は風が強く、南側のベンチで昼食。遠くの富士山が、ぼんやりとだが見えていた。男体山の頂上から北面を見渡すと、明日登山予定の加波山連山が、関東平野の広く乾いた田圃の中に、案外な存在感をもって鎮座していた。 百名山だけあって人影は多かったが、男体山と女体山の鞍部(御幸ヶ原)の茶店群は、春の観光シーズンにはチト早かったのか、殆ど開店休業状態だった。 嬉しい誤算だったのは、標高とともに微妙にその植生が移り変わる自然林の「良さ」だった。なんでも標高750メートル以上のブナの木を県で保護しているそうだ。太平洋側のブナ(コハブナ)は大規模な群落をつくらない、と云われている。この筑波山山頂部のブナ林は、純林ではないが、けっこう貴重な存在であるらしい。 一等三角点のある女体山頂上の狭い岩場で写真を撮っていたとき、突風で帽子を飛ばされた。南側急斜面、約20メートル直下の潅木の上に落ちた帽子が見えていたので、岩場を降り、それを拾ってきた。おかげでスリルを味わう。 大仏岩や弁慶七戻り岩などの奇岩・怪石を見物しながら、愉快に下った。 * 筑波山山頂部のブナ林について補足: ここのブナ林も丹沢と同じように実生の芽生えがほとんど見られないと云う。山頂付近に雪が積もらないので、種子が冬の乾燥と寒さにやられてしまうらしい。現存するブナの大半は樹齢200年〜250年ということで、江戸時代の小氷期に定着したものであるらしい。[水尾一郎著「東京日帰り森ウォーク(小学館文庫)」より要約] * 筑波山の標高について: 女体山にある一等三角点875.9mが従来の筑波山の標高だったのだが、この翌年(平成11年11月)からは、最高点が三角点から少し東寄りの1mほど高い岩盤となり、877mに訂正された、とのことだ。男体山が相変わらずの871mなので、この双耳峰が「ノミの夫婦」であることに変わりはないようだ。[後日追記] ![]() ![]() ![]()
A つくばエクスプレスを利用して筑波山登山
「山歩会」の定例山行で再び筑波山を訪れた。今回は“TX・つくばエクスプレス”を利用しての日帰り温泉ハイキング。始発駅の秋葉原から終点のつくば駅まで快速列車で45分(1,150円)。つくば駅前から登山口の筑波山神社入口まではシャトルバスで40分(700円)。筑波山も随分と近くなったものだ。 祝日だったこともありハイカーや観光客は多かった。稜線は北風が強くて寒かったが、御幸ヶ原の暖房の効いた茶店内で持参の弁当を食べることができたのは嬉しかった。何も頼まないのも悪いと思い、1杯500円の豚汁を啜った。これが熱くて旨かった。 前回とほぼ同じポピュラーなルート(筑波山神社からの周遊コース)を歩き、下山口近くの日帰り温泉施設「つくば湯」で山の汗を流してから帰路についた。丸一日をたっぷりと楽しんで、私たちは大満足! 広大な関東平野にぽつんとあるから、遠くから眺めると富士山にも負けず劣らない立派な山容に見える筑波山。それが、つくば駅からバスで段々と近づいてくると、不思議なことに小さな山に見えてしまう。本来、近づくに従って大きく聳えるのが“山”なんだけれど…。そんなミステリアスな面白さも手伝って、誰がなんと云おうと、矢張り、この筑波山は名山だ、と思った。 ![]() 日帰り入浴が可能な温泉ホテルも周辺に何軒かあるのだが、15時とか16時までとかの時間制限があるのが難点。その点この「つくば湯」は10時から19時まで営業しているので便利だ。 |