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No.58 高水三山(高水山・岩茸石山・惣岳山)
お勧め! 奥多摩入門のハイキングコース


高水三山の略図JR青梅線・軍畑駅〜高源寺〜常福院〜高水山759m〜岩茸石山793m〜惣岳山756m(青渭神社)〜御嶽駅または「ゆずの里・勝仙閣」へ下山 【歩行時間: 約4時間】
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページ(岩茸石山)へ

  インデックス
  @ 暖かい冬だった… H10/02/14
  A 「ゆずの里」へ下山 H16/09/05
  B ちょっと雪山の気分 H17/01/22
  C 忘年山行で… H25/12/15


高水(たかみず)三山 @
暖かい冬だった… 平成10年(1998年)2月14日 晴れ

 午前7時、自宅発。9時10分軍畑(いくさばた)駅着、駅前のコンビニで肉マン1個食べてから歩き始める。アプローチはのどかな山村のアスファルト道。すれちがった地元のオバチャンが丁寧に挨拶してくれた。地元の「良心」を反映しているのか、車道沿いの平溝(ひらみぞ)川はとても清らかだった。
 山頂付近の稜線や北側斜面の登山道に残る雪の影響もあって、思ったよりハードな行程となった。南西方向の、冬枯れの稜線上から時折見えていた案外立派な山は、多分、大岳山。展望の利く岩茸石山(いわたけいしやま)の頂上からは、北西方面間近に棒ノ折山969mもよく見えていた。
 皇太子様と雅子様が初めて一緒に歩かれた山…。惣岳山(そうがくさん)から御嶽駅へ下る途中の少し開けたところに1本の若い桜の木があったが、その傍らのまだ真新しい立板に「遠見の山桜」と書き記されてあった。お二人がここで休息されたのを記念したものだという。
 近景の斜面のほとんどには杉・檜が植林されている。よく手入れはされているが、人工林は、矢張り、人工林だった。
 下山後、御嶽駅近くの「玉川屋」という蕎麦屋に寄ってみた。板葺屋根の旧家風、趣のある造りの落ち着ける店。何か、こう、時間がゆったりと流れている感じで、長野オリンピックや金融不安など、俗世間のことは何処かへ行ってしまったような世界だった。
 五月のような陽気。遠望は効かなかったが、暖かい冬だった。



岩茸石山より高水山を望む
岩茸石山より高水山を望む
登路でヤマドリと出逢った
ヤマドリ
山稜でばったりと出遭いました。
近寄っても逃げなかったです。


高水(たかみず)三山 A
「ゆずの里」へ下山 平成16年(2004年)9月5日 曇り下山時、ちょっと雨

 仕事仲間の山好きたちとの楽しいハイキングです。
 山里を流れる清らかな小川、平溝川の岸辺のあちこちにはヒガンバナが今を盛りに咲いていました。コースの所々にはクリの実や、まだ緑色のドングリが落ちていたりして、都心ではまだ夏ですが、ここ奥多摩は、今はもう秋…、なんですね。
一瞬、霧が晴れた
岩茸石山の山頂にて

背丈は30cmほどです
ヤマジノホトトギス

 高水山の山頂直下の常福院の裏手には立派な水洗トイレがあって、中へ入ると自動的に照明が点きます。至れり尽くせりです。

 秋雨前線が本州をウロウロする、はっきりしない空模様でしたが、展望のよい岩茸石山の山頂では霧が晴れ、奥武蔵方面に広がるミニ雲海を見ることができました。生まれて初めて山登りをした若者もいて、けっこう感動していました。この三山周遊のコースは、そのほとんどがスギ・ヒノキの植林地帯を歩くのですが、この岩茸石山の山頂付近はナラやモミジなどの落葉広葉樹に囲まれていて、とても感じのよい処です。少し下った足元には、矢張り初秋ですね、ヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草)が咲いていました。白地に赤紫色の班点がついた、おしゃれな花です。

 惣岳山からの下り、例の「遠見の山桜」の地点で立ち止まってみました。6年前は若木だった山桜は立派な成木になっていました。前方斜面の、当時は苗木だったスギも育っていて、「遠見」ができなくなりつつあるのは少し残念に思いました。

* この高水三山を結んだ稜線の北側斜面は、平成14年12月2日に、東京都の森林環境保全地域に指定されたとのことです。その保全の方針というのは、「手入れの行き届いていないスギ・ヒノキ植林地を、適切な間伐や植栽等を施すことによって針広混交林に誘導し、生物の多様性に優れ、水源かん養などの公益的機能の高い森林に回復して保護していく」 ということだそうです。平成12年12月22日に交付され翌年3月16日に施行された「東京における自然の保護と回復に関する条例」(略称「自然保護条例」)の今後の行方を、都民の私としましては、能動的に見守っていきたいと思いました。

 この日は御嶽駅へは下らずに、下山道の途中から沢井方面へ左折しました。あっけなく里へ下りて、沢ガニのいる小川(青渭川)に沿って静かなアスファルト道をダラダラと500m〜600mも下りますと、青梅街道に突き当たります。ここは御嶽駅と沢井駅のほぼ中間地点、お目当ての「勝仙閣」が建っています。

ゆずの里「勝仙閣」 ゆずの里 勝仙閣: JR青梅線の沢井駅と御嶽駅の中間地点、多摩川の左岸、青梅街道沿いに静かに建つ旅館です。食事付き日帰り入浴も楽しめます。
 最初にはっきりと云っておきますが、ここは温泉ではありません。地元名物の、たくさんの柚子が浮かぶ岩風呂風の内湯のみで、露天風呂はありません。でも、湯船から懇々と流れ落ちる、その湯量は相当なものです。誠実みのある宿の対応といい、昨今噂のアヤシイ温泉よりはずっとマシだ、と思いました。で、本項でも特にご紹介する次第です。
 柚子の香りをたっぷりと楽しんだ風呂上り、まず生ビールを飲んでから、澤ノ井の冷酒に舌鼓。懐石風の柚子料理をつまみながら、対岸山腹の緑を楽しむ。甘露、甘露、です。
 四人以上の団体とのことで、青梅駅までワゴン車で送ってくれたのには感動。私達は格安の一人2,500円(税別)のコースでしたが、もう、充分でした。
* 2013年10月の大岳山登山〜高水三山登山の際には宿泊させていただきました。相変わらず、サービス抜群でした。(後日追記)
* ゆずの里「勝仙閣」は平成26年の6月頃に閉館した模様です。非常に残念です。(後日追記)

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高水(たかみず)三山 B
ちょっと雪山の気分
 平成17年(2005年)1月22日 快晴

残雪の岩茸石山山頂にて
岩茸石山の山頂にて
 都心から近く交通の便もよく、長からず短かからずのコースやそこそこの展望など、特に冬の日帰りハイキングにお勧めなのがこの奥多摩の入門コース、高水三山です。私達夫婦が幹事役をつとめるハイキング同好会山歩会の、今年の新年山行にこの山を選ぶことに造作はありませんでした。
 この日は先週末に降り積もった残雪が予想以上に多く、アイゼンは着けなくとも何とかなるコースですが、雪山の気分を、ほんのちょっとですが、味わってきました。典型的な冬型の晴天で、岩茸石山の山頂からは奥多摩や奥秩父の山々は勿論のこと、日光連山や、なんと筑波山も、くっきりと見えていました。冬の太平洋側は、これがあるからやめられません。
 下山後は例によって「勝仙閣」のゆず湯で山の汗を流し、懐石風の柚子料理に舌鼓を打ちながら、みんなで楽しく憩いました。


高水(たかみず)三山 C
忘年山行で… 平成25年(2013年)12月15日 快晴

高水山の山頂にて
高水山の山頂にて
 「ゆずの里・勝仙閣」は送迎などのサービスも良くて、前日(大岳山登山)の下山後は滝本までワゴン車で迎えに来てくれたし、この日の朝は高水山の登山口まで送ってくれたし…、懐石風の柚子料理も美味かったし…、至れり尽くせりでした。
 高水三山は、相変わらずの(中高年には)ほどよいボリュームで、特に岩茸石山からの展望は絶品でした。
 今回ちょっと気になったのは、惣岳山から御嶽駅へ下る途中にあった「遠見の山桜」の存在があやふやになっていた、ということです。確か、少なくとも前回(8〜9年前)までは立て札があったのですが…。インターネットで検索しても、なんか判然としなく、心配で不安な気持ちです。
 そして今回も感じたのは、最近、ほんとうに(山に)若い人が増えたなぁ、ということです。とても良い傾向だと思います。(若者は)山での「絶滅危惧種」ではなくて「アンブレラ種(生態系ピラミッドの最高位に位置する)」、または「キーストーン種(生態系に及ぼす影響が大きい種)」ですね、もう。 (^_^;)
 下山後は、懐かしのシックな蕎麦屋「玉川屋」で打ち上げました。甘露甘露の2日間でした。

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