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No.57 鋸山329m(のこぎりやま・内房総)
山全体がお寺の境内…?

金谷方面から鋸山を望む
鋸山の略図
2019年11月のルート
巨大な百尺観音のレリーフ
百沢観音

ライオンの横顔に見える?
地獄のぞき

「東京湾を望む展望台」方面かも
鋸山の山頂部方面
東京湾を望む展望台かも↑

 INDEX
@マイカー利用で楽々ハイク: H10年(1998年)1月
 ※天国も地獄も国も宗教も無い世界(コラム)
A船と電車と高速バスを利用して: H30年(2018年)11月

B山頂を極めてきた!: H31年(2019年)4月
C裏鋸コースの林道が通行止め!: R6年(2024年)12月

 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ


鋸山@ 平成10年(1998年)1月31日 晴れ
〜マイカー利用で楽々ハイク〜

《マイカー利用》 …(東京湾アクアライン…鋸山登山自動車道)…山頂駐車場〜鋸山ロープウェイ山頂駅〜十州一覧台〜百尺観音〜地獄のぞき〜山頂展望台〜千五百羅漢道〜大仏〜山頂駐車場 【歩行時間: 1時間10分】

 先月開通したばかりの東京湾アクアラインを使っての日帰りドライブ&ハイキング。(・・・このアクアラインやレインボーブリッジも、そのうちゴジラに壊されてしまうのかなぁ・・・)

 登りはズルをして頂上近くまで車を使った。約1時間強の登りを省略した訳だが、自動車で行けるところをわざわざ歩くということを理不尽に思ってしまうのは、矢張りこれも文明病の一種か…。

 ハイキングというよりは観光といった感じ。薄いモヤのため関十州は望めなかったが、ぼんやりと富士山が見えたし、金谷港などの海の景色も良かった。

 西暦725年に行基によって開かれたとされる鋸山日本寺(にほんじ)・正式には乾坤山(けんこんざん)日本寺。岩壁をそのままレリーフした巨大な百尺観音や、西暦1783年にその原型が造られたという日本最大の石大仏など、山全体がお寺の境内といった感じだ。

 自然を破壊するほどの宗教の力を人間の善と見るか悪と見るか…。宗教なんだから、矢張りこれで善しと見るべきなのだろう。ただ…、人工的に切り取られた、垂直に聳え立つ荒々しい岩壁を、私達は痛々しいものとして見ていた。
 あるいは、石切りで裸になった岩壁を可哀想に思った心やさしい方々が、そこに巨大石仏を彫刻したのかもしれない…。いや、そうに違いない。鎮守の森など、結果的に信仰が自然を守っているケースも多いし…。
 * この件について、後日、考えたことをコラム欄にまとめてみました。
 → コラム欄へ


* 鋸山の山名について: 垂直に切り立った岩壁が露出し、東西に連なるギザギザの山稜が大きな「のこぎり」の歯のように見えることからその名がついた、ということは容易に推測できます。東京湾を隔てた三浦半島側から、際立った山容(双耳峰)の富山やギザギザ頭の鋸山を同定するのは、私達の楽しみの一つになっています。

* 鋸山の地質について: 三浦半島に連続した地質構造をもち、山全体が堆積岩(砂質凝灰岩)でできているそうです。江戸時代から房州石(金谷石)の産地として知られ、建築用材などに利用されてきたことは周知の通りです。[環境省・千葉県の案内板を参照しました]

* その後の鋸山情報(H18年5月現在) 一等三角点のある鋸山の山頂は、じつは、ロープウェイ山頂駅から東の方向約1Kmの位置にあります。東電の施設があるからでしょうか、この山頂部は長いこと立入り禁止になっていましたが、平成18年(2006年)4月から山頂を通過する「新登山道」が開通したようです。「東京湾を望むみち」と名付けられたこの新登山道は、JR内房線浜金谷駅から鋸山を通りJR保田駅までの全長約8.4Kmのコースで、首都圏自然歩道(関東ふれあいの道)の1つでもあるとのことです。コンサート会場としても使われる石切り場跡や観音像が彫られた洞窟、石の回廊、絶壁階段などさまざまな見どころがあるそうです。市観光協会金谷支部はこのほかにも独自に初級から上級までの四つのコースも設定したとのことで、地元関係者などは「観光再興の起爆剤になれば」 と期待を込めているそうです。
 EメールをいただいたKさんからの情報提供によりますと、鋸山山頂には立派な案内板も立てられているようです。 「山頂からは約5キロの林道を歩き、保田漁港前の魚組直営のレストラン(ばんや)で食事というのがお勧めです」 との添え書きもありました。
[後日追記]

*** コラム ***
天国も地獄も国も宗教も無い世界

 団塊の世代の私はつまりビートルズ世代だけれど、団塊の世代が必ずしもビートルズファンとは限らない。私の場合は“そこそこのビートルズファン”で、自分で云うのもなんだが、けっこう当時から(同世代の人たちから比べると)醒めていた。
 私が当時通っていた高校の近くに日本武道館があり、そこでザ・ビートルズの日本公演が行われたとき(1966年6月30日〜7月2日)のことだった。坂道を飯田橋駅へ下る下校時に、ものすごい人数の女の子たちとすれ違ってびっくりしたものだ。それは武道館へ向かう超若い女の子たちだったのだが、まるで元旦の明治神宮並みの行列だった。「ビートルズのどこがそんなにいいんだろうねぇ」 などと親友のT君やN君と話しながらその坂道(私たちは遅刻坂と呼んでいた)を下っていたら、それを目ざとく(耳ざとく?)聞きつけた超ビートルズファンの彼女たちにあっという間に取り囲まれて、超恐くて超辟易したのを憶えている。…そのころは“超…”という言い方はまったく流行っていなかったけれど…。ミニスカートが流行り出したころで…、この翌年に来日したツィッギーはよかったなぁやっぱり…。と、前置きが少し長くなりすぎた。(^^ゞ
 私が何を言いたいのかというと、醒めた見方をしていた(そこそこのビートルズファンの)私でさえ、彼らの音楽には常に(いまだに)感動を禁じ得ない、ということなのだ。特にイマジンは(僭越ながら)物凄くスゴイ、とずっと思っている。作詞作曲はジョン・レノンだが、詩の原点はオノ・ヨーコであるらしい…。

 天国も地獄も国も宗教も無い世界を想像(イマジン)してごらんよ…、という発想は、やっぱりスゴイと思う。夢想家の戯言で、アナーキー型の平和主義と云ってしまえばそれまでかもしれないが、もしもほんとうに全世界の人たちがそのようにイマジンしたとすれば、たとえば紛争の絶えない国々での、民族の違いや宗教の違いによる確執を払拭できる気がする。
 …それは云ってしまえば簡単なことだけれど、これがものすごく難しいんだな、実際。と結論づけてしまう自分はやはり並の人で、とてもじゃないけど世界は動かせない、当然。

 鋸山の岩壁に彫られた巨大なレリーフ(仏像群)を見て…自然を破壊するほどの宗教の力を人間の善と見るか悪と見るか…と考えて随分と悩んでしまった私だが、「イマジン」の詩の中にその解決の糸口があった。そう、…宗教も無い(超平和な)世界を想像すればいいのだ…。
 誤解しないでいただきたい。私は宗教を否定しているのでは勿論ない。ありのままの世界(既に存在する・由緒ある鋸山のレリーフ)を、ありのままに「大きくてとても素晴らしい!」と見ればよいのではないか、と思うことにしたのだ。つまり“レット・イット・ビー”なのだ。こちらはポール・マッカートニーであるらしいが…。

 …あの頃の(超ビートルズファンの)少女たちもとっくに還暦を過ぎているんだろうなぁ今ごろは、やっぱり…。 [H25年9月・追記]

* ご意見ご感想は当サイトのBBS(掲示板)をご利用ください。


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鋸山A 平成30年(2018年)11月24日 晴れ
〜船と電車と高速バスを利用して〜

…京浜急行久里浜駅-《バス10分》-久里浜港8:20-《東京湾フェリー》-9:00金谷港9:10〜浜金谷駅前〜9:45観月台10:00〜10:35石切場跡11:00〜11:10百尺観音・十州一覧台(大休止)・(地獄のぞき)・千五百羅漢道〜12:15石大仏・日本寺12:30〜(遊歩道)〜13:15保田駅前〜13:35保田漁港「ばんや」〜保田駅…木更津駅-《東京湾アクアライン・高速バス》-川崎… 【歩行時間: 3時間40分】
けっこうな迫力の石切場跡(必見です!)
石切場跡

日本最大の大仏!
石大仏

 行きは久里浜港から東京湾フェリーを利用して、対岸の(千葉県の)金谷港から歩き始めました。JR内房線の浜金谷駅前近くを通り過ぎ、観光案内所で分かりやすい観光地図(鋸山エリアマップ)をもらって、階段状の道(関東ふれあいの道・東京湾を望むみち)を進みます。人影は案外まばらで、富士山や金谷の街並みや海がよく見下ろせる観月台で(中国語を話していた)二人の若い女性に追い越されただけの…スダジイ、カシ類、マテバシイ、ツバキ、トベラ、タイミンタチバナ(球形の果実が黒く熟していた)…、などの当地極相の照葉樹林を登る…静かで趣のある道でした。
 もう一つの一般登山ルート(車力道)と合流する頃から家族連れなどの人影が多くなってきます。寄り道して、その車力道を少し進んで石切場跡を見学しましたが、これは予想以上に迫力があって一見の価値はあると思いました。あとで分かったのですが、この車力道をもう少し進む(下る)と分岐があって、そこを右折すれば(一等三角点のある)鋸山の山頂を極めることができたのですが、それがちょっと心残りでした。
 関東ふれあいの道との分岐点に戻ってから左折して進み、関所みたいな“受付”で一人600円の拝観料を支払って入山します。すると、まず巨大な「百沢観音」のレリーフが出迎えてくれます。しかしその先の「地獄のぞき」にはロープウェイ組の長蛇の列ができていて、(多分)30分以上は待たされそうなので、ここはカットしました。そのかわり「十州一覧台」への階段を上って、ピークの小広場で景色を楽しみながら、ダージリンのティータイムとします。
 そして千五百羅漢の石像などを観賞しながらだらだらと南へ下り、日本最大の石大仏も拝顔します。私達夫婦にとっては約20年ぶりの鋸山で、とても懐かしく感じましたが、矢張り記憶というのは当てにならないもので、見どころの「百沢観音」とか「地獄のぞき」とか「石大仏」などの位置関係が(20年間の)私達の頭(海馬体です、はぃ)の中でごちゃごちゃになっていました。今回それらがすっきりと整理できて、それもとてもよかったです。
 それから現在改装(復興)中の鋸山日本寺の門前を通り、割と珍しいバクチノキや樹齢約800年という大蘇鉄(ソテツ)などを観察したり、庭園風のたたずまいを見せる心字池なども通過して、道標に従って遊歩道(里道)へ進みます。里へ出てからは、穏やかな田園風景を楽しみながら、ローカル色豊かなJR内房線の線路に沿って歩きます。振り返ると鋸山の稜線が近くに見えていますが、ここ(南側)から眺める鋸山は金谷方面(北側)からのそれと比べると、ノコギリの歯のような岩っぽい山容ではなくて、なだらかでまったりとした感じに見えるのが面白いと思いました。もう…、保田駅は近いです。

 保田駅前を通り過ぎて、以前にも立ち寄ったことのある保田漁港前の魚組直営の大食堂「ばんや」へ立ち寄ってみましたが、(三連休の真ん中ということもあり)ものすごく混んでいて30分ほど待たされました。相変わらずの人気ですが、約10年前(→No.273伊予ヶ岳)と比べると、味も量も昔ほどではなくなったような…、そんな印象を受けました。隣接する「ばんやの湯」は、今回はパスしました。

 帰路は保田駅から内房線で木更津駅へ出て、海ほたる(東京湾アクアライン)を経由する高速バスを利用しましたが、交通渋滞がひどかったです。…まぁ、バスの車中では殆ど(満ち足りてぐっすりと)寝ていましたが…。

  佐知子の歌日記より
 釣り船をあまたかきわけすいすいと東京湾のフェリーは進む
 まっすぐに岩切られたり職人のわざと知恵あり鋸山に
 両親に会えただろうか男の子 元気よすぎる一人歩きの


薄っすらと富士山が・・・
観月台から金谷港方面を望む
バックは優しい山容の鋸山です
保田駅へ向かう

右側の双耳峰は富山です
東京湾フェリーから鋸山を望む・右側の双耳峰は富山

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鋸山B 平成31年(2019年)4月16日 快晴
〜山頂を極めてきた!〜

…京浜急行久里浜駅-《バス10分》-久里浜港8:20-《東京湾フェリー》-9:00金谷港〜浜金谷駅前〜(車力道)〜鋸山329m〜石切場跡〜百尺観音〜千五百羅漢道〜石大仏・日本寺〜(遊歩道)〜保田駅前〜「山田屋」で打ち上げ〜保田駅…木更津駅-《東京湾アクアライン・高速バス》-川崎… 【歩行時間: 4時間】
大きすぎて大仏様のお顔が入らない・・・
石大仏の前に全員集合!

 もう20年近くいっしょに山歩きを楽しんでいる仲間たち山歩会との、とても楽しい鋸山ハイキングでした。平均年齢も70歳を超えて、故障者続出の山歩会。まぁ、トシには勝てませんね、やっぱり。という訳で、上りについては車力道組(健脚組)とロープウェイ組の2班体制で臨みました。
 「地球が丸く見える展望台」を経て鋸山山頂にアタックした車力道組9名と、まったりとしたロープウェイ組3名が、昼前には百尺観音前で落ち合うことができました。それから千五百羅漢道を下って石大仏を見物して、日本寺から麓の遊歩道を歩いて、(今回は「ばんや」はパスして)保田漁港の手前に位置する磯料理「山田屋」で打ち上げました。浜定食@1,850円を食しながら地酒などを少々。静かで落ち着いたムードで、なかなかけっこうでした。
 今回の特筆は、(私を含む徒歩組が)小さなアップダウンを6回ほど繰り返して…つまり鋸山のノコギリの歯を辿って…一等三角点のある鋸山の山頂を極めてきた、ということです。案外なことですが、私は初めてでした。狭い山頂からは北側の景色(約60度)がよく見えていました。

  佐知子の歌日記より
 菓子袋カサカサ開けるを聞きつけて五匹の猫がくるベンチ脇
 平日の鋸山に人けなく順番待たずに「のぞき」に立てり

船旅もたまにはいいものです〜
東京湾フェリーから富士山を望む
右手前に一等三角点!
鋸山の山頂にて

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鋸山C 令和6年(2024年)12月4日(水) 晴れ
〜裏鋸コースの林道が通行止めに〜

…京浜急行久里浜駅-《バス約10分》-久里浜港8:20-《東京湾フェリー》-9:00金谷港〜浜金谷駅前〜(車力道)〜猫丁場〜東京湾を望む展望台〜鋸山329m〜石切場跡〜百尺観音〜展望台(地獄のぞき)〜千五百羅漢道〜大仏広場〜(遊歩道)〜保田駅前〜15:20「ばんや」〜保田駅… 【歩行時間: 4時50分】
岩壁を見上げると・・・
猫丁場の猫のレリーフ

ハート形にくりぬいたオブジェ
猫丁場にある…

 何時ものメンバー(夫婦)で、千葉県の鋸山へ行ってきました。久しぶりの鋸山で、今回も行きには東京湾フェリーを利用しました。船旅もいいものです。
 鋸山には見どころが多いので、飽きません。今回は車力道で入山しましたが、その中腹で「猫丁場(ねこちょうば)」と呼ばれる新しいスポットを“発見”しました。割と最近に公開されたようです。かつての石切職人の遊び心が伝わってきます。右の写真→
* 「日本寺」の拝観料は100円値上げされて700円になっていました。
 下山後に立ち寄った、これも久しぶりの保田漁港の「ばんや」は、時間的なこと(午後3時半頃に入店)もあったとは思いますが、空いていて、ゆっくりと食事を楽しむことができました。窓際の席での食事中に眺めた、漁港に沈む夕日が…落日燃ゆ、といった感じで…素晴らしかったです。海鮮丼やアサリの串フライなどの料理もとても美味しかったです。
* 「ばんやの湯」の平日の営業は16時から、ということで、今回も入浴は断念しました。
 保田駅へ向かってよろよろと歩いていたら、自転車に乗って追いかけてきた「ばんや」のスタッフに「忘れものですよ」と、私の帽子を渡されました。感謝感激です。ほろ酔い気分もあって、帽子を忘れてきたことに全く気が付きませんでした。トシはとりたくないものです…。(~_~;)

* 今回は鋸山の山頂(一等三角点峰)から更に東へ進んで、林道口から保田駅方面へ下るルート(つまり裏鋸コース・関東ふれあいの道の一部=東京湾を望む道)を歩く計画だったのですが…豪雨による土砂崩れのため…その林道金谷元名線が通行止めになっていました。登山口に掲示されている(富津市役所や富津警察署の)その注意書きを読んで、目がテン・額にタテ線になりました。それで、やむを得ず山頂から引き返して、「地獄のぞき」や「石大仏」などの鋸山観光を楽しむ、ということになりました。それはそれでとてもよかったのですが…、例によって、事前の情報収集不足を後悔する私達でした。

 佐知子の歌日記より
 東京湾四十分の横断を滑るがごとくフェリーは進む
 何回のアップダウンをしただろう侮るなかれ鋸山を
 ご褒美は「ばんや」にて食う海鮮丼 安い旨いに夕日がきれい
 「オーイ」と言い自転車こいで店の人 忘れた帽子届けてくれた

保田漁港方面を望む
東京湾を望む展望台にて
(地球が丸く見える展望台)
落日燃ゆ
「ばんや(保田漁港)」から眺めた
東京湾に落ちる夕陽(落日燃ゆ…)

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