ようこそ「佐知子の歌日記」へ
〜佐知子の歌日記(短歌集)〜
更新 H29/11/04

(近況)
「おぉ!」と言い 夫はカメラを取りに行く 十三夜の月に目は感嘆符

  * 4年間(H25年〜28年)をジャンル別に編集しました。
短歌集1〜山に登れる喜び ニヤリと君は斜里岳と言う
短歌集2〜いつもの散歩道 わざわざ踏んで廻り道
短歌集3〜老いた二人の母 やさしい雨が降るばかり
短歌集4〜可愛い孫たち 孫に伝えるバナナ伝説
短歌集5-1〜日々の暮らし(春〜夏) ここが汝のふる里
短歌集5-2〜日々の暮らし(秋〜冬) 十八の目が見てる
短歌集6〜私達夫婦の日常 湯たんぽのごとく
短歌集7〜ふと振り返る 一体わたし何なのかしら

* 日付順に並べた歌日記(編年体の全作品)です。
第一集 平成25年2月〜3月
第二集 平成25年4月〜5月
第三集 平成25年6月〜7月
第四集 平成25年8月〜9月
第五集 平成25年10月〜12月
第六集 平成26年1月〜3月
第七集 平成26年4月〜6月
第八集 平成26年7月〜9月
第九集 平成26年10月〜12月
第十集 平成27年1月〜3月
第十一集 平成27年4月〜6月
第十二集 平成27年7月〜9月
第十三集 平成27年10月〜12月
第十四集 平成28年1月〜3月
第十五集 平成28年4月〜6月
第十六集 平成28年7月〜9月
第十七集 平成28年10月〜12月
第十八集 平成29年1月〜3月
第十九集 平成29年4月〜6月
第二十集 平成29年7月〜9月
第二十一集 平成29年10月〜更新中



例えば、こんな感じです↓
 〜山に登れる喜び〜
山の名を互いに忘れ二分後に ニヤリと君は「斜里岳・・・」と言う
庭先で夫の髪刈る老女おり 城峯の里風やわらかく
明日の晴れ念じて荷物整える 山に登れる喜び詰めて
山並みが靄(もや)っていても静けさがうれしい二人の父不見山
風強くからまつの葉の舞いにけり リュックの中に黄葉を見る
お土産はアスパラガスとエシャロット 道の駅にて夕餉のしたく
回り道しながら君は酒蔵へ 一升瓶をリュックに押し込む
雨止まず 登山中止の午前九時 濃いコーヒーを君と味わう
地図広げあちこちの峰ゆびで追う 手招きするよな等高線
青春の18きっぷを持ちつつも譲られ座るシルバーシート
ピカソでもゴッホでもない青の空 奥秩父にてゆるりと眺める
棚山の芽吹きのあおにつつまれて君との時間
(とき)をゆっくり登る

 
〜いつもの散歩道〜
霜柱を踏みつつ歩く公園の行きずりの人「寒いね」と告ぐ
さんぽみち 夫が先行く三歩あと 歩く老女の本心見たい
水鳥のいない岸辺に老夫婦 それぞれの杖もちつ歩めり
公園に黄色の三輪車わすれられ 五日をすぎても桜によりそう
髪たばね少年野球の一員の少女はピンクの自転車をこぐ
人の目はおおかたサクラにそそがれて 静かにもえるクスノキのわかば
満開の日から二日が過ぎたのでニュースにならないきれいな桜
地境のアスファルトより這い出でて つゆ草は独立を宣言す
散歩後の背中の汗にシャワーして なんだかんだもついでに流す
もう一度甘きかおりに酔いたくて金木犀まで十二歩もどる

 
〜老いた二人の母〜
口飲みがトレンドだとは知らぬ母 ペットボトルのふたでお茶飲む
樹のみどり好む義母連れふるさとへ やさしい雨が降るばかりなり
胡蝶蘭に母の唇うずまりて 野の花が好きと言っているらし
一枝
(ひとえだ)を折りて青柿持ち帰り ふるさとをそっと母に手向ける
「こんにちは」と訪ねし母にそと言えど かすかにまなこを開けるばかり
「甘い」とう言葉がふいに蘇る 母のおやつは氷イチゴ
帰る時「また来るね」って手を握る「さよなら」なんて母には言えない
言の葉を忘れた母の手を握ること多くなり四年目の秋
炊飯器のタイマーをセットし忘れて朝をむかえたり母亡き翌日
二七日
(ふたなぬか)過ぎて天空に浮かびくる母の丸顔すずめに似てる

 
〜可愛い孫たち〜
テラスにてくつろぐ孫はお台場の景色となりぬ緑のTシャツ
孫帰り静かな部屋で栓を抜く とくとくとくとビールこだます
十歳の孫と美肌の湯につかり しっとりしたねと腕をみせあう
マンガからゲームにノート靴下に 妖怪ウオッチ出没をする
おでこにはボールがあたった赤いこぶ 七歳おのこのがまんの勲章
ぬか漬けのきゅうりをほおばりずすずすと日本茶をのむ八歳の孫
遠足にかずえちゃんだけ持ってきたと 孫に伝えるバナナ伝説
涙ぐむ娘をみれば夫もまた手にハンカチの孫の卒業式

 
〜日々の暮らし〜
雨の午後えんぴつかたく握りしめ 眠ったままでいすから落ちる
人様にかかわりなきも秋晴れに こっそり悩む体重増加
鉄瓶の湯気立つ部屋で居眠りす アメリカ映画はハッピーエンド
雨音が歌っているよな夜ひとり つられて足がタンタンタタン
ゆで忘れ一本残りし菜の花をグラスに挿せば黄色く咲けり
言の葉がうかんでこないこの三日 われをゆさぶる午後の春雷
白髪など染めてみたとて大袈裟に変わるわけなく 今日も暑いな
肩もみ券 娘に貰って三十年 今も鏡台の抽斗にあり
レジに待つ日本男子のかごのなか キャベツに醤油缶ビールなど
なんとなく覘くつもりが五点ほど買うことになる百円ショップ
プランターに迷い込んだほとけのざ 今日からここが汝(なれ)のふる里
ゆったりと紅茶をすする昼下がり 左回りに金魚が泳ぐ
ステンレスの物干し竿に日が射して きらっと矢のごと夏空をさす
夕暮れにアブラゼミ鳴く猛暑日に 水槽からドジョウ跳ね落ちる
歯医者にて親知らずぬく 何事もなかったような二日が過ぎる
「眠れないの?」に「うん」と云って寝返りす 午前三時の君のやさしさ
護岸より見えるは道路倉庫群 アメリカ行きのあの海が見たい
ちっぽけなわたくしごときの歌なれど これでも多少なやんでおります
階段の五段をのぼると膝痛む 洗濯物が重すぎるのだ
隣席の細くて若い女
(ひと)の食う あのステーキは三百グラムだ
わが腕は規格の外にあるらしいユニクロのシャツ3センチ長い
値上がりを告げし灯油屋 いつもより素早くポリタン置いてゆきたり
土曜日の患者がたった三人の待合室はなんだか不安
舟盛りの鯛や平目がピクピクとこちら見てるが我らは食べる
カキフライ六個はちょっともたれるねなんて私は言ったりしない
高層のビルに囲まれ背の伸びぬ東京タワーは還暦ちかい



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