佐知子の歌日記・第十六集
佐知子の歌日記・第四十九集
令和6年10月〜
おとといはTシャツの息子寒いと言う腕をさすりいる十月九日
山道も温泉も忘るる記憶には七国峠のオハグロトンボ
「忘れる」と「聞こえない」とが絡み合いひとり見つめる夕暮れの雨
大鍋に残るおでんは三品のみ 六人の腹膨れておりぬ
小穴のあき汁の漏れいるフライパン六十余年のいのち尽きるや
キッチンのふきんの置き場変えてみるマンネリ打開の手品師のごと

薬剤と水を三個のコップに入れ大腸検査の準備整う (10.2)
三月ぶりカレーライスを作りたり悩まずにすむ三日分の献立 (10.7)
おとといはTシャツの息子寒いと言う腕をさすりいる十月九日 (10.9)

 
霞丘陵ハイキング (10.12)
山道も温泉も忘るる記憶には七国峠のオハグロトンボ

MRI・CT・内視鏡すべて良し されど腹痛残りておりぬ (10.18)

「忘れる」と「聞こえない」とが絡み合いひとり見つめる夕暮れの雨 (10.18)

 
房州アルプス (10.27)
秋晴れに房州アルプス歩きたり照る葉の森は陽に輝きて
傾きて右に左にバイク行く爆音響くもみじ街道

大鍋に残るおでんはあと三品 六人の腹膨れておりぬ (11.1)

霜月に入りて掃除や正月の準備と思うは毎年のこと (11.4)

小さき穴から汁漏れてフライパン六十余年のいのち尽きたり (11.9)

 
天照山ハイキング (11.24)
ロッカーやリュックを何度も捜したが二十年経る時計がないのだ
豚カツに腹は満ちるがなくなりし時計の行方巡らす頭

年賀状欠礼のハガキ来る頃にわれら夫婦の歳が増えます (11.25)

五枚目の障子張り終え腰痛み残り一枚夫が手伝う (11.30)

夫作る今日の夕食即席麺ねぎとわかめが大きくたっぷり (11.30)

 
鋸山ハイキング (12.4)
東京湾四十分の横断を滑るがごとくフェリーは進む
何回のアップダウンをしただろう侮るなかれ鋸山を
ご褒美は「ばんや」にて食う海鮮丼 安い旨いに夕日がきれい
「オーイ」と言い自転車こいで店の人 忘れた帽子届けてくれた

キッチンのふきんの置き場変えてみるマンネリ打開の手品師のごと (12.6)

昼食の牡蠣フライ五個たいらげて今日は夕食いらないいらない (12.10)

なつかしや生海苔友にいただきて八年ぶりの佃煮作る (12.13)

八角の腕時計のプレゼント無くさないぞと深く念じる (12.16)


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