佐知子の歌日記・第十六集
佐知子の歌日記・第五十集
令和7年1月〜3月
波の音大小ありて勝浦の切り岸そっと君と歩けり
風邪ひきの第一号は息子なり栄養・休養満点なのに
何となく知っていること数あれど真剣に聴く脳トレ講座
何もかも忘れてしまいたい夕べ水仙ひとつ寒風に咲く
お目当ての富士の景趣に雲かかり十国峠はため息ばかり
熱なくもぞくぞく背中に寒気して祟りのように襲ってくるのだ
全身を見知らぬ人に三十分さらしておりぬ画像診断
すきま風に強弱ありて六十年過ぎたる家の独り言のよう
四分咲きの梅園混みて池上に埼玉からのツアー客いる
アスファルトの一万二千歩疲れるね人かき分けてタウンシューズで
入り交じる小道にむしろ楽しげな片手に地図の夫の歩みよ
洗濯や掃除もしない雨の日を雨愛でる日と暦に記したし
開幕の二安打は良き前ぶれか期待を背負う大谷翔平
アイドルを「オッカケ」孫は札幌へ われらは日本の山を「オッカケ」
 勝浦の岬めぐり・八幡岬〜官軍塚 (1.7)
波の音大小ありて勝浦の切り岸そっと君と歩けり
バス停より徒歩二十分の温泉に着けば只今清掃中よ
八幡岬から勝浦灯台方面を望む

風邪ひきの第一号は息子なり栄養・休養満点なのに (1.8)

何となく知っていること数あれど真剣に聴く脳トレ講座 (1.15)

 
鐘ヶ嶽ハイキング (1.20)
標高は五百米強の鐘ヶ嶽 ゆっくり登りゆったり下る
零れでる湯音ききつつ下山後の全身浸すかぶと温泉

田舎の家五年ぶりなる裏庭は見上げるばかりの竹林となる (1.22)

何もかも忘れてしまいたい夕べ水仙ひとつ寒風に咲く (1.25)

 
岩戸山ハイキング (1.29)
お目当ての富士の景趣に雲かかり十国峠はため息ばかり
お目当ての熱海温泉浴場の「本日休み」の札がゆれてる

熱なくもぞくぞく背中に寒気して祟りのように襲ってくるのだ (2.2)

全身を見知らぬ人に三十分さらしておりぬ画像診断 (2.3)

天丼と蕎麦の昼食こみあいて前後左右は老い人ばかり (2.5)

 
武山三山と野比海岸水仙ロード (2.10)
六回目となる三浦富士 青空に緑の微風に足どり軽く
横須賀の水仙ロードを歩きたり波音きいて千葉の山見て
八幡岬から勝浦灯台方面を望む

ひさびさの呑川緑地五千歩に背中や髪がじっとり重い (2.13)

すきま風に強弱ありて六十年過ぎたる家の独り言のよう (2.13)

四分咲きの梅園混みて池上に埼玉からのツアー客いる (2.15)

アスファルトの一万二千歩疲れるね人かき分けてタウンシューズで (2.15)

満開の白梅そっと見ておればメジロがいると老い人指さす (2.18)

 
曽我丘陵ハイキング (2.22)
入り交じる小道にむしろ楽しげな片手に地図の夫の歩みよ
七分咲きの曽我梅林に人多くおまけに寒いが花清々し
別所梅林(曽我梅林)

新聞に年金・介護の記事あれば必ず読むの短歌の次に (3.5)

オープン戦のテレビ始まり大谷を主軸に据える大リーグ中継 (3.5)

海辺への一万二千歩終えたのちのフライ定食に満たされており (3.7)

 
六国峠ハイキング (3.10)
二人して金沢文庫の森あるく 緑の風がさやさやとゆく
能見堂跡の広場にて

鉛筆を掴めど歌はわきいでず三十分の長いため息 (3.12)

鼻横のニキビのような吹き出物 老いのシンボルかもしれないね (3.16)

洗濯や掃除もしない雨の日を雨愛でる日と暦に記したし (3.16)

開幕の二安打は良き前ぶれか期待を背負う大谷翔平 (3.18)

 
御岳山から日ノ出山 (3.21)
アイゼンの右はつけたが左足どうにもはまらず夫の手借りる
雪道の緊張がとけ下山後のつるつる温泉に手足をほぐす

目と鼻の脇に出来たる水疱に眼科内科と梯子医者する (3.24)

アイドルを「オッカケ」孫は札幌へ われらは日本の山を「オッカケ」 (3.28)

満開の桜の下での解説を聞くより見てた小石川植物園 (3.31)


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