佐知子の歌日記・第十六集
佐知子の歌日記・第四十七集
令和6年4月〜6月
四十七歳の娘は大リーガー大谷をオータニ君と親しげに言う
熱い湯がドットドットと溢れでる五百円なり駅前温泉
あたたかな日差しをもらい主のごと姫蔓蕎麦は路地に華やぐ
春の陽が部屋に射し入りてわたくしは脱皮するごと背伸びしてみる
一日のおおかたは吾の自由時間 歌ができない言い訳を練る
走りたる数多のヨットを見ているか葉山の浜に裕次郎の碑
連休に来るもんじゃないと思えども若きらの「気」をいただきにけり
娘より湯呑みと新茶のプレゼントわれは線香点す母の日
抽斗の奥に見つけしガンダムとスヌーピーの小さきハンカチ
みぎは青ひだりは黄に塗りガラス粒 のせて煌めく孫のマニキュア
QRコードの注文難しく笑いながらの駅前居酒屋
北八ツの苔むす山の静けさよ すべての音は緑に吸わる
「にゅう」という珍しき名の頂きに立てば少しは若返る・・・かも
午後七時「忘れてたあー」と娘来るチーズとワイン持ちて父の日
「どちらから?」「東京です」と答えると「ほうー」と驚くニセコ連峰

九十四歳にお若いですねと微笑めば「あなたキレイ」と返してくれる (4.6)

濃紺の一輪挿しとなる酒瓶に白いフリージア二輪をさせり (4.10)

四十七歳の娘は大リーガー大谷をオータニ君と親しげに言う (4.12)

家まわりをつつむように白く咲く薔薇を眺めん天より友は (4.13)

 
熱海の裏山・岩戸山ハイキング (4.15)
山道を探せず下るアスファルト膝庇いつつダブルストックで
熱い湯がドットドットと溢れでる五百円なり駅前温泉

あたたかな日差しをもらい主のごと姫蔓蕎麦は路地に華やぐ (4.21)
ヒメツルソバ:タデ科イヌタデ属の多年草。ヒマラヤ原産。
 ↑ヒメツルソバ:タデ科イヌタデ属の多年草。ヒマラヤ原産。

格安の紫蘭の苗を見せてたら「殖えるわよ」って三人が言う (4.26)

春の陽が部屋に射し入りてわたくしは脱皮するごと背伸びしてみる (4.28)

一日のおおかたは吾の自由時間 歌ができない言い訳を練る (4.29)

 
仙元山から大峰山・ハイキング (5.5)
走りたる数多のヨットを見ているか葉山の浜に裕次郎の碑
連休に来るもんじゃないと思えども若きらの「気」をいただきにけり

栄養が満点すぎるからだでも風邪をひくんだね我が息子よ (5.8)

 
物語山登山 (5.10)
下仁田のスクールバスに便乗し 老い二人行く物語山
どこにある?埋蔵金の伝説を信じたいような山中ではある

娘より湯呑みと新茶のプレゼントわれは線香点す母の日 (5.12)

年長の織田さんシャキッと力満ちホールインワン三つを打ち出す (5.18)

抽斗の奥に見つけしガンダムとスヌーピーの小さきハンカチ (5.18)

みぎは青ひだりは黄に塗りガラス粒 のせて煌めく孫のマニキュア (5.23)

本門寺へ汗かき行けば涼しげな青の紫陽花まっ盛りなり (5.29)

 浜離宮(浜離宮恩賜庭園)を散歩 (6.3)
樹を愛でる夫と散歩の浜離宮 外国人と遠足の子らと
昼時に賑わう芝の大門の更科蕎麦を夫と食いたり

 山の仲間と仙元山〜大峰山・ハイキング (6.9)
「ソッカ」にて樹木の謂れを話す夫 緑の森に嬉々としており
QRコードの注文難しく笑いながらの駅前居酒屋

 
ニュウ〜横谷峡・北八ヶ岳 (6.11〜12)
北八ツの苔むす山の静けさよ すべての音は緑に吸わる
「にゅう」という珍しき名の頂きに立てば少しは若返る・・・かも
黄土色の温めのお湯に時忘れ手足をほぐす横谷温泉
歌声よし選曲よしのコンサート ホテルのロビーに寛ぐ旅の夜
道すがら樹木の話しをする夫と王滝めざし食後の散歩
ニュウ〜中山の山稜にて
 
↑シラビソの原生林(北八ヶ岳)

チクチクと お臍周りが痛くって昼寝長引き夕五時に覚む (6.16)

午後七時「忘れてたあー」と娘来るチーズとワイン持ちて父の日 (6.16)

 
ニセコ連峰の山旅 (6.23〜26)
ビール園には行かないで植物園ゆっくり歩く札幌の昼 (6.23)
宿のまわりすなわちスキーの周回路この傾斜ならわれも滑れる (6.23)
傘・合羽・手袋装備のいでたちでニセコアンヌプリ登頂せり (6.24)
源泉の掛け流しの湯に身を伸ばし雨の登山の疲れをはらう (6.24)
磯躑躅・舞鶴草の群落に見とれておりぬ そのまっ白に (6.25)
ニトヌプリ過ぎて下山時転びたりわれは六回夫は一回 (6.25)
たどたどしく宿の案内する女性 ベトナムからとにっこり笑う (6.25)
「どちらから?」「東京です」と答えると「ほうー」と驚くニセコ連峰 (6.26)
舞鶴草:キジカクシ科スズラン亜科の多年草
 
↑舞鶴草の咲く登山道(イワオヌプリ〜ニトヌプリ)


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