「私達の山旅日記」のホームへ

三浦アルプス外伝
No.475 仙元山から大峰山
令和6年(2024年)4月25日 曇りのち晴れ
仙元山〜大峰山の略図
左奥が大峰山
ソッカ山頂からの展望

盛りを少し過ぎていたかも
花の木公園のツツジ

国道134号線から大峰山を望む
国道から大峰山を望む

ひっそりと・・・
大峰山山頂の東屋

インスタ映えがするらしい
真名瀬バス停
↑映えスポットらしい

森戸神社境内から撮影
森戸川の河口

左奥に裕次郎灯台が・・・
石原裕次郎の石碑

これも森戸神社境内から撮影
真名瀬海岸から大峰山を望む


三浦半島西岸・葉山町の山と海

京急・逗子葉山駅-《バス5分》-風早橋バス停〜仙元山118m(浅間山)〜ソッカ189m(戸根山)〜実教寺〜花の木公園・葉山町役場〜森山神社〜大峰山148m(つつじコース)〜熊野神社〜真名瀬バス停〜森戸神社〜森戸海岸バス停-《バス12分》-逗子葉山駅 【歩行時間: 4時間弱】
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページ(大峰山)へ


 三浦半島の仙元山ハイキングコースと三ヶ岡山(さんがおかやま)ハイキングコースを繋いで歩いてみようと思って、風早橋バス停から歩き始めたのは午前8時40分頃だった。何時もの相棒(妻のことです)はシニアサークル(つまり地元の老人会)のグラウンドゴルフ大会の日ということで、きょうは久々の単独行だ。“単独行”…近くの低山登山とはいえ、いい響きだなぁ〜。

 まず三浦アルプスの仙元山(せんげんやま・118m)に登り、山頂からの西面の展望を楽しむ。未だ富士山は雲の中だったけれど、その右手前の(相模湾に浮かぶ)江の島や(眼下の)葉山の街並みなどはよく見えている。左端(南西方向)に目をやると、本日のお目当ての大峰山(おおみねやま・148m)が、その山容の右半分を見せてくれている。なんかやっぱり、ワクワクする。
 それから森戸川の南稜コース(南尾根=正調・三浦アルプス)を東へ進み、今回はコースから少し外れて聳えるソッカ(戸根山189m)の山頂も確認してみる。最近、この山頂一帯は整備されていると聞く。立派なタブノキ、シロダモ、アオキ、アカメガシワなどの樹林の隙間から長者ヶ崎方面(南南西の方向)がよく見えている。何気に、葉山の街並みの奥の相模湾に面した処に、葉山御用邸の一部と思われる小さな林もチラッと見えている。小さめの電波塔施設があるけれど、広いし静かだし展望もあるし、結構いい感じのソッカ山頂だった。
* ソッカ山頂プロジェクト: ソッカ山頂周辺は西武鉄道(株)の所有地であり、神奈川県・葉山町・二子山山系自然保護協議会と協働して森づくり(整備活動)を行っているらしい。[→ソッカ山頂に掲示されている文章を要約]

 ソッカから暫く進み、今回は南稜の観音塚方面(横須賀市方面)へは進まずに、分岐を右折して葉山町の実教寺へ下る。実教寺の山号は腰掛山。日蓮が岩に腰掛けたことに由来するらしい。…この下山路ではイヌビワ(クワ科イチジク属の落葉低木)が目立っていた。
 実教寺から細い舗装路をなだらかに下ると国道134号線にぶつかり、その右側が葉山町役場と「花の木公園」だった。約15000株というツツジが未だ花の見ごろで、教諭(保育士?)に引率された幼稚園児たちが、それほど広くない園内を可愛らしく闊歩していた。
 「花の木公園」を出てから国道134号線を南へ1kmほども進み、玉蔵院(ぎょくぞういん・高野山真言宗)と森山神社(森山社)をお参りする。それから少し戻って旧役場前バス停の辺りから…小さくて目立たない指導標に従って…西へ曲がり、大峰山への細い道へ入る。この辺りは葉山御用邸が近いせいもあるのか、セレブの別荘があるオシャレな場所で、私なんぞはずぅ〜っと(何となく)引け目を感じて、静かにそぉ〜っと歩いた。
 大峰山の山頂を経て真名瀬(しんなせ)の海岸へ至るこの山道は「三ヶ岡山ハイキングコース・つつじコース」というネーミングがついていて、そんな標識が随所に出てくる。案外と自然な植生で、スダジイ、アカガシ、ヤブニッケイ、アオキ、ヤツデなどの照葉樹とクヌギ、ヤマザクラ、クマノミズキ、ミズキ、ハゼノキ、エゴノキ、イヌビワ、(コバノ?)ガマズミ、ヤマグワ(幼木)などの落葉広葉樹がいい感じで混生している。ベンチの置かれた所々の休憩箇所や展望箇所(東峰広場、東2峰広場、東屋のある山頂広場、西2峰広場、西峰疎林広場)がけっこうな頻度で配置されていて、飽きないし身体も疲れない。雲から顔を出した富士山が相模湾の彼方に浮かんでいる。箱根や丹沢の山々が薄っすらとした影になって横にたなびいている。花序をつけたスダジイの若葉が竹色に近い緑色で美しい。足元には(コバノ?オカ?)タツナミ、オニタビラコ、ホタルカズラ、カタバミ、そしてタンポポやハルジオンもきれいに咲いている。

* 大峰山?それとも三ヶ岡山?: 私が歩いた大峰山ハイキング道のフルネームは「神奈川県立はやま三ヶ岡山緑地ハイキングコース・つつじコース」ということになるらしい。国土地理院の地形図に表記されている「大峰山(おおみねやま)」…じゃぁなくて「三ヶ岡山(さんがおかやま)」なのかな…? もしかして3つある小さなピーク(実際は4〜5つ)の総称が三ヶ岡山で、大峰山はその中の1峰(最高峰)ということなのかな…? と、まぁ、どうでもいいと云えばそれまでだけれど、できればはっきりとさせてほしい、と少し思った。
 ちなみに、三省堂の日本山名事典にはこの神奈川県三浦郡葉山町の「大峰山」は載っているけれど、「三ヶ岡山」という山名は見当たらない。


 大峰山の山頂部でコンビニおにぎりの昼食後、整備された遊歩道(新名瀬コース)の木段を下り、熊野神社を経て海岸通り(県道207号森戸海岸線)へ出る。そして、海を見ながら北へ向かって車道や砂浜を歩き、森戸神社(森戸大明神)を参拝する。思ったよりも広い境内の立派な神社で、私的には、樹齢約800年と云われる「森戸大明神のビャクシン」と海岸の岩上に屹立する「千貫松」が…何れもちょっと“あやしい”感じだったという意味で…印象に残った。
 嬉しかったのは、森戸神社の隣りに位置する森戸川の河口を確かめることができた、ということだった。これで、森戸川の(二子山近くの)源流から相模湾の河口まで、ほぼすべてを見ることができた。…嬉しさも中くらいなりおらが春、である。
 森戸神社の海際からは、石原裕次郎の記念碑や裕次郎灯台(葉山灯台)も見てきちゃったりして、それもとても感動で…、裕次郎の兄(慎太郎)が書いたという碑文にグッときた。
* 裕次郎の記念碑に彫られた碑文: 「夢はとおく 白い帆にのって 消えていく 消えていく 水のかなたに・・・太陽の季節に実る 狂った果実たちの先達 石原裕次郎を偲んで」

 森戸神社参拝後は、森戸川の河口に架かる「みそぎ橋」を渡ってバス停まで森戸海岸を散歩する。それから、ちょうど来た14時01分発の逗子行きのバスに乗って、あれよあれよという間に家路に就く。15時半には帰宅(東京都大田区)して、我家の風呂に入って何時もの冷えたキリンビール。それはそれでもう最高だったかも。…とにかく、とても良い一日だった。
 [この日の歩数: 約2万歩]

園児たちが遊びに来ていました
ツツジ咲く花の木公園
岩上に屹立する「千貫松」
森戸神社の境内から千貫松を…



再び 仙元山から大峰山(三浦半島の葉山町)
令和6年(2024年)5月5日 のち晴れ

 妻の佐知子を誘って新緑の同コースを歩く。あちこちでウツギが花盛りで、ヤマザクラの実(つまりサクランボ)がたくさん落ちていた。ノイバラの花も甘く匂っていたりして、10日間違うと山の(自然の)様子は随分と変わるものだなぁ、と改めて思う。…そう、里のツツジの花期は(もう)終わっていた。
 この日は仙元山ハイキングコースと三ヶ岡山ハイキングコースの中間地点…国道134号線沿いの…葉山町の小さな食堂「益うどん・でけたち」で昼食を摂る。「でけたち」とは“出来たて=茹であがったばかりのうどん”という意味らしい。熱くて美味しくて適量で、ビールも旨かった。
 まぁでもGWの最中なので、山中も海岸沿いも大変な人出で、さもありなんと思う。

 都心からも安・近・短なこのコースは、そこそこに自然で変化に富んでいて、しかも膝にも心臓にも負担は少ない。後期高齢者の仲間入りをしようとしている私達にとっては、今もこれからも、稀有で貴重で珠玉なハイキングコースであるのかもしれない…。

 佐知子の歌日記より
 走りたる数多のヨットを見ているか 葉山の浜に裕次郎の碑
 連休に来るもんじゃないと思えども若きらの「気」をいただきにけり


カメラを忘れたのでスマホで撮影
大峰山の山頂にて
撮影日はR6年4月25日
富士山と裕次郎灯台(真名瀬海岸から撮影)



当サイトの三浦アルプス関係のページ
三浦アルプス(1): 南稜縦走の最初の記録
三浦アルプス(2): 2001年〜2004年の山行記録
三浦アルプス(3): 2005年〜2007年の山行記録
三浦アルプス(4): 2008年〜2013年の山行記録
三浦アルプス(5): 2014年〜2017年の山行記録
三浦アルプス(6): 2019年〜2022年の山行記録
三浦アルプス(7): 2023年〜最新版の山行記録
二子山と阿部倉山 森戸川渓谷とその北稜の山行記録
仙元山から大峰山 葉山町の山と海を楽しむ(本項)
三浦アルプスの基礎知識 山域の植生についてなど
三浦アルプスの写真集 大きな写真でご覧ください

  季節別の山行記録
* 三浦アルプス(春) * 三浦アルプス(夏)
* 三浦アルプス(秋) * 三浦アルプス(冬)

このページのトップへ↑
No.474「熱海市の岩戸山」へNo.476「物語山」へ



ホームへ
ホームへ

まぁ、ゆっくりと歩きましょう!