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No.120-spr 三浦アルプス
春編 3月〜5月


照葉樹の若い原生林だ!

標準コース(南稜縦走): 京浜急行線逗子・葉山駅(旧新逗子駅)-《バス5分》-風早橋-[10分]-葉山教会-[10分]-仙元山(浅間山)117m-[25分]-ソッカ189m-[30分]-観音塚167m-[40分]-連絡尾根の頭-[40分]-鉄塔下-[20分]-乳頭山(矢落山)211m-[15分]-田浦橋-[10分]-田浦梅林-[30分]-JR田浦駅 【歩行時間: 3時間50分】
 * 森戸川林道や東稜、北稜、及び畠山経由の下山ルートなども紹介しています。
  → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページ(仙元山)へ

三浦アルプスの略図

*** 前項 三浦アルプスPart1 からの続きです ***


森戸川林道から入る
下沢尾根の入口

散り始めていました
田浦梅林へ下山

転寝の陽だまりハイキング

* R5年(2023年)3月4日(晴): いつものメンバーで(夫婦で)、森戸川渓谷の南稜を歩いてきました。ヤマレコなどにも日々山行記録が投稿されている…もう既にメジャーとなっている三浦アルプス。土曜日ということもあり、(下沢尾根以外では)たくさんのハイカーと出遭いました。

今回のコース: 京浜急行線・逗子葉山駅8:15〜森戸川林道(大山林道)入口〜下沢尾根・下沢の馬頭観音〜観音塚167m〜連絡尾根の頭〜鉄塔下〜乳頭山211m〜田浦梅林〜14:50JR田浦駅 【歩行時間:4時間30分】

 ヤブツバキの花が見ごろで、タチツボスミレも(まだ少しですが)咲いていました。
 田浦梅林のウメは花の盛期を過ぎていて、散り始めていました。例年と比べて少し早いようです。とはいえ、充分に「花見」を楽しめました。
 草むらに寝転んでウトウトと…つまり転寝(うたたね)を…したりした、うららかでまったりとした陽だまりハイキングでした。

 佐知子の歌日記より
 若い人多く行き交う道となり三浦アルプスメジャーとなるか

* 下沢尾根コースとは、森戸川林道の途中から(指導標はありません)南側の斜面を登っていき、ソッカ(戸根山)と観音塚の中間地点の分岐へ至る鬱蒼としたコースで、岩っぽい急勾配や泥壁などにはトラロープが張ってあります。このシブい脇道コースは、当地の登山愛好家の一部などからは「湘南アルプス」と名付けられて親しまれてきました。歩行時間は30分足らずですが、昔の三浦アルプスを彷彿とさせる、なかなか味のあるコースです。途中の藪の中に馬頭観音の小さな石像があります。


まだ梅が咲いていました
田浦梅林にて

三浦アルプスの素晴らしい春

* H20年(2008年)3月13日(晴): スミレ類がもうあちこちに咲いていました。
 ちょっとびっくりして感動したのは、真紅のヤブツバキの花がまだ充分に“見ごろ”だったということです。前回(1月18日)に行ったときは、その花が随分と少なく感じまして、これはタイワンリスのせい(食害)だと決めつけていた私でしたが、それは(多分)間違っていました。1月に行ったときに花が少なかったのは、まだその花の盛期ではなかったのだと悟りました。タイワンリスさん、疑ったりしてゴメンナサイ。
 同行の二人(NさんとSさん)が、コース上でキジョラン(ガガイモ科:つる性の多年草)を数株発見しました。若しかしてアサギマダラの幼虫(タテハチョウ科:きれいな毛虫です)がいるかな、と思って葉の裏を調べながら歩きましたが、この日は発見できませんでした。キジョランの葉っぱは、数千キロの渡りをするので有名なアサギマダラの大好物なのです。
 樹木などの自然について詳しいお二人だったので、この日は数種の新たな樹種を教えていただきました。コースを案内したのは私ですが、このコースの植生に関しては大変勉強になりました。
 ⇒ 樹種名については前項のコラム欄を参照してください。)
 もうひとつ嬉しかった誤算は、田浦梅林の梅や水仙の花がまだ充分に咲き残っていて楽しめたことです。今年の今までは、昨年と比べると1〜2週間は季節が遅くなっているようです。


二子山の下ノ山から上ノ山へ向かう
二子山の上ノ山へ向かう
阿部倉山〜二子山〜田浦梅林

コース: 逗子・葉山駅8:40〜長柄〜阿部倉山161m〜二子山208m〜馬頭観音〜乳頭山211m〜田浦梅林〜14:50京急田浦駅 【歩行時間: 4時間20分】

* 令和4年(2022年)3月13日(曇り): 今回は夫婦で、三浦半島の西から東へ向かって歩いてみました。タチツボスミレやヤブツバキがあちこちに咲いています。田浦梅林の梅は盛りを少し過ぎていて、十一分咲き、といったところです。日曜日ということもありけっこうな人出でした。
 長柄の里の阿部倉山登山口、及びその山頂部周辺など、指導標がないのでウロウロしているハイカーが多くて、何人かに道を尋ねられました。脇道や管理道などが多数分岐しているので、地図(地形)読みに慣れていないハイカーは要注意です。まぁ、無茶をしなければ、道迷いになっても何とかなる小さな山域ですが…。
 それにしても、もう本当に、三浦アルプスは何処も彼処もメジャーです。

  佐知子の歌日記より
 折たたみストック出すが組み立て方忘れてしまう未使用みつき

二子山(下ノ山〜上ノ山)の山道にて
ヤブツバキの咲く山道
水仙の花はほぼ終わり
田浦梅林の梅は十一分咲き


タブノキの被害が特に酷いです
タイワンリスの食痕

タイワンリスの食痕

* H19年(2007年)3月18日(晴): 山道をスミレが飾り、キブシの蕾がクリーム色に垂れ下がっています。三浦アルプスの素晴らしい季節が、もう到来していました。気の早いヤマザクラが、まだほんの少しですが、花をつけていました。赤っぽい新葉にも映えて、なかなか風情のあるものだと思います。これからが楽しみです。
 今回はタブノキの幹につけられたタイワンリスの食痕を写真に撮ってきました。樹木の幹の外側に近いところには「形成層」と呼ばれる細胞分裂の活発な部分があります。これは樹木が肥大成長をしていくために必要な重要部分ですが、ここをタイワンリスに齧られてしまうと、その樹木はひとたまりもありません。何とかしたいのですが、どうしたらいいのか、私には分かりません…。

* タイワンリス: げっ歯目(ネズミ目)・リス科・ハイガシラリス属・クリハラリスの亜種。 台湾南部原産。 ニホンリスよりもひと回り大きい。1951年に伊豆大島から連れてきた54匹のタイワンリスを江ノ島植物園で飼育していたが、台風で飼育小屋が壊れたことで逃げだし、弁天橋を渡って鎌倉市内に入り込んで繁殖するようになった、という説が有力らしいです。
 平成17年(2005年)6月に施行された外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)において、特定外来生物に指定されています。今後はアライグマなどとともに、その“捕獲・駆除”が本格的になるものと思われます。
 それは…、タイワンリス本人の責任じゃぁ勿論なくて、人間様の全面的な責任です。タイワンリスの可愛らしい仕草を見ていると、なんともいたたまれない気持ちになります…。
 記述に当たっては「葉山町自然環境情報交流サイト」 及び「鎌倉市のサイト」の該当項等を参考にしました。


コスミレ田浦梅林の梅はド満開

* H24年(2012年)3月22日(晴): 佐知子が単独行で三浦アルプスを歩きました。今年の梅は例年より1ヶ月以上も遅れていますが、そのおかげで下山地の田浦梅林の梅はド満開、とのことです。 「あんなすごいの見たことがない!」 と帰宅時の彼女の眼が輝いていました。
 その他、ツバキもスミレ類も超見ごろで、ヤシャブシの薄黄緑の雄花序が風に揺れて目立っていたそうです。アオキの新芽が可愛らしくてきれいだったのは、今まで見落としていたのかもしれないけれど、新鮮な発見だったとも言っていました。残念ながらカメラを持っていかなかったので、写真はありません。話だけだと、なおさら美しい光景を想像してしまいます。
 近郊の山々には、1ヶ月遅れの、素晴らしい春が訪れています。


長柄桜山古墳群を見物

コース: 逗子・葉山駅9:00〜長柄桜山古墳群を見物〜阿部倉山161m〜二子山208m〜馬頭観音〜港が丘〜14:50京急田浦駅 【歩行時間: 4時間45分・単独行】

* R4年(2022年)3月25日(晴): 今回の特筆は、ちょっと寄り道をして長柄桜山古墳群を見物してきた、ということです。正味40分〜50分のアルバイトですが、山道を歩くので気分がとても良くて、なかなかけっこうでした。歩き足りない方には特にお勧めです。
 道端にはタチツボスミレやキブシがきれいに咲いていました。

長柄桜山古墳群・第1号墳
分かりやすい形です
全長約90mの前方後円墳
左奥は相模湾
逗子市街方面を望む


山頂標識はありませんでした
畠山の山頂

タケノコ泥棒は犯罪ですよ
畠山山麓の竹林

風早橋バス停付近から眺めた仙元山
仙元山

畠山経由で下山

風早橋〜三浦アルプス縦走〜乳頭山〜畠山〜不動橋〜塚山公園〜安針塚駅 【歩行時間: 5時間】

* H17年(2005年)3月30日(晴): 運動不足解消のため、同コース(三浦アルプス縦走コース)を単独で歩きました。サクラは開花したばかり(一部咲き)でしたが、山道のあちこちにはコスミレやタチツボスミレが咲き、キブシがクリーム色の花穂をぶらさげ、小鳥たちも盛んに囀り、タイワンリスも忙しそうでした。
 この日は乳頭山(南峰211m)の少し先で畠山(はたけやま・205m)へ向かって右折してみましたが、この道もナカナカでした。ヤブツバキの花がたくさん落ちていて、まるで赤い絨毯の上を歩いているようで、とてもゴージャスです。モミジイチゴの花(サクラに似た花です)も、下向きに可憐に咲いていました。これらの花の蜜はメジロの好物でもあるらしいです。
 畠山は三等三角点の山ですが、とても地味な山頂でした。山頂標識はなく、三角点の標石とレリーフ状の質素な石祠がポツンとあるだけです。樹林の隙間からは横須賀方面の景色が見えていました。
 山中町方面への道を左へ見送って、不動橋へ南下します。広くてステキな孟宗の竹林を通過すると間もなくアスファルト道です。山里の軒先にはユキヤナギやハナニラが今を盛りに咲いていました。
 塚山公園を抜けて京浜急行線の安針塚駅へ辿り着き、帰路につきました。非力な私にとってはちょっとロングコースでしたが、充分満足のいく一日で、心地よい疲れがこの山域のよさを物語っていました。


2度目の三浦アルプスは夫婦で

* H13年(2001年)4月1日(晴): 何時ものメンバー(夫婦)で歩いてみました。
 この日は晴れていて、取っ付きの仙元山への登りからは江の島や富士山や南アルプスがよく見えました。仙元山は桜の名所でもあるのですが、今年は春が早かったので花は殆どが散っていました。東京よりも幾分花の時期は早いようです。そのかわり、山路のいたる所にタチツボスミレやコスミレの花が咲いていました。芽吹き始めた木々の緑や小鳥たちの囀りにもウットリ、春を満喫しました。鉄塔下から暫らく進んだ処にはヤブツバキの赤い花が未だ少し残っていました。
 この日、目で見た鳥はトンビとメジロとウグイスとムクドリとヒヨドリとカラスでした。そのほか、鳴声ではっきりと分かったのはシジュウカラとホトトギスとコジュケイ、でした。(その他の小鳥については、勉強不足の私達にはよく分かりません。) 何れにしても、自宅からこんなに近くなのに、と思うほど、自然がいっぱいのコースです。トカゲやアリンコ達も忙しそうに動き回り始めていました。歩きがいのあるコースに佐知子も至極ご満悦のようでした。
 尚、この日も道に迷いました。葉山側への分岐や二子山方面への分岐がいくつかあり、ぼんやり歩いているとすぐコースアウトしてしまいます。このコース(森戸川の南稜線)へ行ってみようと思っている方に一言アドバイス。分岐の周辺の木々の幹をよく見てください。必ずどれかの幹にマジックなどで道案内が書かれています。「畠山・田浦」方面が正解です。しかし、かなり分かりずらいですから、多少は覚悟してください。


総勢10名
阿部倉山の山頂にて
ヤマザクラ咲く北稜

コース: 逗子・葉山駅9:00〜長柄桜山古墳群(第1号墳と第2号墳)を見物〜阿部倉山161m〜二子山208m〜馬頭観音〜港が丘〜14:50京急田浦駅 【歩行時間: 5時間】

* R4年(2022年)4月6日(晴): 山の仲間たち(総勢10名)と三浦アルプスの北稜を縦走してきました。富士山が相模湾の江ノ島を引き連れて春霞に浮かび上がる、とても良い日でした。先日(3/25)の下見の甲斐もあって、長柄桜山古墳群の見学も大好評でした。
 ヤマザクラの花が見ごろに入っていて、クサイチゴ、ヘビイチゴ、タチツボスミレ、ムラサキケマン、それに未だヤブツバキも、とてもきれいに咲いていました。ウラシマソウ(マムシグサの仲間)も、ちょっと不気味な仏炎苞を開いています。芽吹きの新緑が清々しい春爛漫の、いい時季に私たちは三浦アルプスを歩きました。
 打ち上げの…もちろん希望者のみですが…マスクをちょっと外しての、京急田浦駅近くの居酒屋で飲んだビールが美味いのなんのって…。
 安・近・短の静かなトレイルだから、このコロナ下では(私たちにとっては)もってこいの山域です。

  佐知子の歌日記より
 白い富士緑の江ノ島並びいて広重ならば描いたと思う
 「後ろからすーとトンビが来たのよ」とサンドイッチを盗まれた友
 新緑と山桜の白あふれおり三浦アルプス大人の花見


長柄桜山古墳群の展望所から相模湾方面を望む
江の島越しの富士山
富士山展望!
阿部倉山の「さくらテラス」にて


総勢6名
乳頭山の山頂にて

森林インストラクター仲間と自然観察会

* H19年(2007年)4月28日(曇): タツナミソウやツクバネウツギが咲いている季節に、森林インストラクターの仲間たち6名を誘って同コースを歩きました。樹木に薀蓄のあるみなさんばかりで、この日はカクレミノ、イヌビワ、カマツカ、ヤマウコギなど新たに15種の樹木を観察することができました。私にとってもとてもよい勉強になりました。これでこの三浦アルプス縦走コースで観察のできた樹木は計64種になります。
 ⇒ H20年9月現在では77種です。樹種名については前項のコラム欄を参照してください。


秋になるとドングリがたくさん落ちています
マテバシイの並木道

「山歩会」発足!

* H13年(2001年)5月19日(晴): またまた三浦アルプスへ行ってしまいました。ご近所の佐知子の仲間(中年のおねえさまたち総勢7名)といっしょの、ケムシやヘビで大騒ぎの、賑やかで楽しいハイキングでした。
 道案内の私でしたが、今回も道に迷って面目丸つぶれ。大きくコースアウトしたおかげで、今回は疲労度に関しては上級コースになってしまいました。まぁ、迷ったって何とかなるコースで、それもご愛嬌かな、といったところなんですけれど…。
 ハイキングの経験があまりないとおっしゃる皆さんでしたが、草木などにとても詳しい方もいて、私も大変勉強になりました。
 道すがら、ウグイスやホトトギスの鳴声を聞きながら、群落している野イチゴの甘い実をつまんで食べながらの山歩き。思い出に残るさわやかな一日でした。
 * 後日、本メンバーを中心にハイキング同好会(山歩会)を発足させました。



次項 三浦アルプス(夏編) へ続く



暖温帯の極相林です
縦走(南尾根)の途中の「観音塚」と呼ばれる小ピーク。
石像に彫られた年号は「寛政11年8月…」と読めます。
太い幹はタブノキで、左隅の細いのはヒサカキです。
花は葉とほぼ同時に開きます
ヤマザクラが咲き始めた!
花は葉とほぼ同時に開きます。
撮影 :H19年3月18日



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三浦アルプス(2): 2001年〜2004年の山行記録
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三浦アルプス(5): 2014年〜2017年の山行記録
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