「私達の山旅日記」のホームへ

No.120-wtr 三浦アルプス
冬編 12月〜2月


シダの緑にもヤブツバキの落花にも風情が…

標準コース(南稜縦走): 京浜急行線逗子・葉山駅(旧新逗子駅)-《バス5分》-風早橋-[10分]-葉山教会-[10分]-仙元山(浅間山)117m-[25分]-ソッカ189m-[30分]-観音塚167m-[40分]-連絡尾根の頭-[40分]-鉄塔下-[20分]-乳頭山(矢落山)211m-[15分]-田浦橋-[10分]-田浦梅林-[30分]-JR田浦駅 【歩行時間: 3時間50分】
 * 森戸川林道や東稜、北稜、中尾根、境橋へ下るコース、及び逆コースなども紹介しています。
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページ(仙元山)へ

三浦アルプスの略図

*** 前項 三浦アルプス(秋編) からの続きです ***


田浦橋から乳頭山を望む
双耳峰の乳頭山

道標を消すやつは誰だ!?

● H17年(2005年)12月11日(曇): 落葉やドングリを踏みしめての、快適な一日でした。シイ、カシ、タブなどの鬱蒼とした照葉樹は相変わらずで、ケヤキやエノキは既に葉を落としていましたが、コナラやモミジ類はまだ充分に紅葉が残っていました。ヤツデの枝先には白く小さい花が球状に集まって咲いています。ムラサキシキブの鮮やかな紫色の実が、一箇所だけでしたけれど、たわわです。まるで晩秋のような初冬の三浦アルプスで、風情がありました。

 地元(葉山町)で云っている「仙元山ハイキングコース」というのは、上記の三浦アルプス略図でいうと仙元山から太丸枠の分岐を右(南)へ下り、葉山小学校の近くを通り風早橋バス停に戻るというコースですが、そのコース上の、少なくとも仙元山から葉山小分岐までの稜線上には、主だった樹木に樹木名を書いた真新しい札が掛かっていました。葉山町も本コースに本腰を入れ始めたようです。それ(樹木に標板を付けること)が良いことなのか悪いことなのかは別問題ですけれど…。(ひとつでも多くの樹木名を覚えたい私は、はっきり云って嬉しかったです。)

* 道標がまた消されていた: 葉山小分岐辺りから更に東へ進み、鉄塔下辺りまでの区間が、三浦アルプス縦走の真骨頂と云うか、つまり核心部なわけです。稜線上は鬱蒼とした照葉樹やシノダケなどの自然林で、私が何度となく絶賛している処でもあるのですが、今回もちょっと気になったことがありました。迷いやすい分岐付近の樹木の幹などに書かれた道標の一部が、削られたりして消されてしまっていたのです。
 2年前、連絡尾根ノ頭などに立派な道標を、どなたでしょうか、親切な方が立ててくれたのですが、そのときもすぐそのあとに誰かのイタズラによって黒く塗りつぶされていました。どうやらこのコースは、一生懸命に道標を作る人と、一生懸命にその道標を壊したり消したりする人の、いたちごっこになっているようです。
 私は推測するのですが、道標を消すのに躍起になっている人は、多分同じ人ではないでしょうか。つまり同一犯説が私の推理です。誰が何のためにか、私には分かりません。きっとそれなりの理由があるのだと思います。そうだとしたら、コソコソしないで、堂々と名乗り出てその「理由」を公表してほしいと思います。私は(ようやく)この山域の道を覚えたので今では道標は必要ではありませんが、こんなにいい処のハイキングコースを、もっと大勢の善良なハイカーたちにも知って欲しいのです。そのためにも、必要最低限の道標は、どうか犯人のXさん、消さないでくださいネ。


下山路にて
台風で倒れたスギ

緑鮮やかなリョウメンシダ
鮮やかなシダの緑


三浦アルプス(森戸川南稜)から二子山を望む
二子山(過日撮影)

展望の良い二子山(上ノ山)山頂
二子山の山頂

なだらかな「外輪山コース」
山桜の純林


稜線上にて
野性状態のシュロ

続けて三浦アルプス

コース: 逗子葉山駅(旧・新逗子駅)8:30〜森戸川林道(大山林道)〜林道終点〜連絡尾根の頭〜乳頭山211m〜沼間(逗子IC付近)〜14:00京急田浦駅

● R2年(2020年)12月12日(曇): 何時ものメンバー(夫婦)で三浦アルプスを歩きました。 お天気がイマイチだったこともあり、先々週と比べると人出が少なくて、静かな山歩きを満喫できました。
 紅葉が終わりかけていて、森全体が無彩色に近づいているいるこの時季ということもあり、リョウメンシダの緑が特に鮮やかに感じます。
 帰路、横浜駅で途中下車して生ビールなどを飲んだのですが、今思うとひやひやです。駅構内はものすごい人出(密)でした。素人判断ですが、これは(コロナ感染リスクの)レベルを超えていて、ちょっと危ないかも…。これから暫くは、寄り道しないで真っ直ぐに帰ろうと思いました。


二子山から田浦梅林へ

コース: 京急・新逗子駅〜長柄交差点〜中村橋〜森戸川林道終点〜二子山(上ノ山208m)〜馬頭観音〜鉄塔下〜乳頭山211m〜田浦梅林〜JR田浦駅 【歩行時間: 3時間40分】

● H16年(2004年)1月4日(晴): この山域の大先達のHさんの案内で、今回は三浦アルプスの北側の谷を流れる森戸川に沿って遡行しました。目指すは標高207.8mの二子山です。断っておきますが、標高2078mじゃありません。でも、それは私たちにとっては、矢張りアルプスなのです。本当は公表したくない、ほどの、素晴らしい山域なのです。

 京急新逗子駅から山里の道をゆっくりと30分〜40分程も歩き、森戸川に架かる中村橋やこがね橋を渡るとアスファルトが消えます。ここ(林道入口)から先は、杉や檜も混じりますが、そのほとんどは広葉樹の原生林(ここ数十年、人の手が加わっていないという意味での原生林)です。コナラやヤマザクラやエノキ等の落葉樹も少し交じりますが、矢張り主体はシイ、カシ、タブ、アオキ等の照葉樹です。
 森戸川奥の分岐(林道終点)までは平坦で小広い道が続きます。この道は森戸川林道とも、森戸川遊歩道とも、大山林道とも呼ばれています。主役の森戸川は、そのまま飲めるんじゃないかな、と思うほどの清流です。
 林道終点の右側は三浦アルプス(森戸川南稜)の連絡尾根ノ頭へ至る登山道(急登です)が、私たちはここを左へ進み、森戸川の源流に沿った沢道へ入ります。渡渉を何回か繰り返し、美味しい水の流れる水場を過ぎ、沢が涸れてなお暫らく登ると二子山へ続く広い道(二子山林道)へぶつかります。ここを左へ登ると、間もなく山頂脇にある大きな電波搭が前方に見えてきますが、このKDDIのアンテナ、ちょっとかっこいいけど、矢張り目障りです。
 二子山(上ノ山208m)の山頂は開けていて、小さな展望台や一等三角点の標石があります。下ノ山へ向かう方向(西の方向)だけは樹林で遮られていて、江ノ島や富士山は望めませんが、南側の正面には三浦アルプスやその奥の大楠山などの三浦の山並みが間近に見渡せます。その左奥の東京湾の彼方には富山(とみさん)や鋸山などの房総の山々、もっと左手には横浜や東京のビル群も見えています。反対側の相模湾の海面が太陽に反射して細長く輝いていました。風が出て少し寒い山頂でしたが、枯れ草の上に座って、長いこと景色を眺めていました。
 二子山は、その名のとおり上ノ山と下ノ山からなる双耳峰です。もう少し先へ進むと下ノ山へ行けるのですが、それは次回の楽しみにして(下欄のPart2を参照してください)、もと来た道へ踵を返します。
 復路の途中から田浦梅林を目指して外輪山コース(東尾根:勝手につけた呼び名です)へ入ります。ヤマザクラの密集するステキなプロムナードが印象的でした。馬頭観音の石塔を過ぎ、横須賀湾を左に眺めると間もなく三浦アルプス縦走コースと合流します。横浜横須賀道路を高架橋(田浦橋)で渡ると田浦梅林です。
 このコースは、三浦アルプス縦走コースと比べてアップダウンの少ない、おだやかなコースです。展望についてなら、このコース(外輪山コース=椿尾根)のほうがステキだと思いました。
 今年もこの山域から私達の山旅は始まりました。そして、正月ボケの胃と身体がスッキリとしました。

* この山域のコースについて: 展望の良い二子山近辺の山道は地元のハイキングマップなどにも紹介されている、それなりに有名なコースなのですが、実は、そのコースから外れたさまざまなコースが、なかなかなのです。地元の著名な登山家を師と仰ぐHさんにコースの詳細を教えてもらいました。かってにつけた呼び名だそうですが、森戸川源流域には今回私たちが歩いた「外輪山コース(椿尾根)」のほかにも「北沢コース」、「中ノ沢コース」、「中尾根コース」、「南沢コース」、などがあり、あの三浦アルプス(森戸川南稜)縦走コースに派生するコースには「湘南アルプスコース」や「三ツ峯コース」などもあるとのことでした。10000分の1の地形図のコピーに、その詳細を書き込んだものをHさんからいただきました。そして、今はじめて、三浦アルプスとその近隣の山域の全貌が明らかになったのです。
 都会に隣接するこの山域が自然をたっぷりと残しているのは、多分、そのほとんどが私有林で手入れがされてなく、地図上に「道」がないことからも“知る人ぞ知る”の状況下にある、ことなどに起因しているものと思われます。地図上にない道を紹介するのは如何なものかとも思いますが、「秘密」にしておくには余りにも勿体ないとも思うのです。ここは、今までも、これからも、私たちのとっておきの里山群です。

このページのトップへ↑


境橋へ下る

● H15年(2003年)1月5日(晴): 飲んじや寝、食っちゃ寝の正月に愛想が尽きて、とうとう我慢し切れなくて、ちょっと歩いてみようか、と思って選んだのがこの三浦アルプスでした。正月の宴の後始末に忙しい佐知子は留守番で、今回は私の単独行。風の強い、寒気団来襲の、全国的に寒い一日で、西日本や裏日本に大雪の降った日でもありました。
 風早橋バス停から歩き始めたのは午前8時半頃。仙元山の頂上からは、相模湾の向こうに、雲の掛かった富士山を辛うじて見ることができましたが、薄靄のため南アルプスなどの景色は見えませんでした。
 常緑高木のタブノキ、スダジイ、マテバシイが目立つ稜線を2時間ほど東へ歩き、ちょっとしたピークで大休止。コンロでスープを温めて、少し早めの昼食。じっとしていると寒さが身にしみてきます。辺りを見回すと、常緑低木のアオキの緑色がとてもきれいです。
 この日は畠山から塚山公園側へ下ろうと思い、鉄塔下から少し進んだ稜線の分かれ道を右へ進みましたが、一本手前だったようで、またまた道を間違えてしまいました。いきなり峰から沢(大沢谷川)へ下り、なんと、大楠山にも近い大沢の境橋バス停へ下りてしまったのです。しかし、この下りの道、正味30分ほどの歩行時間でしたが、手入れのされていない、つまりとても感じのいい道でした。林床にシダの生い茂っている処などは、その緑が冬だというのに鮮やかで、もう本当にウットリとしてしまうほどでした。でもコースアウトはコースアウト。少し焦りました。引き返して畠山に登るのはあきらめて、地図と首っ引きで車道を歩くこと約1時間強。当初の目的地の塚山公園へ何とか辿り着きました。塚山公園の展望台で景色を楽しんでから坂道を下り、京浜急行線の安針塚駅に着いたのは、まだ日の高い午後2時半頃でした。
 いつの日か、道標の不完全なこの山域を完全制覇してみたい、とマジでそう思った、今回の私でした。[歩行時間: 4時間10分]


二子山の西峰(下ノ山)の山頂です
下ノ山の山頂

あった、あった、山頂があった
阿部倉山山頂

長柄の里から振り返って見た阿部倉山
阿部倉山

二子山から阿部倉山

コース: 京浜急行線新逗子駅〜長柄交差点〜こがね橋〜森戸川l林道終点〜二子山(上ノ山・下ノ山208m)〜阿部倉山161m〜長柄交差点-《バス10分》-JR逗子駅 【歩行時間: 3時間10分】

● 平成16年(2004年)1月11日(晴): 今回は妻の佐知子と二人の、何時ものメンバーです。
 二子山の東峰(上ノ山208m)までは前回と同じコース(上記Part1)を辿りました。上ノ山の山頂で展望を楽しみながらの大休止の後、西へ向かいます。急下降、急上昇の約15分で二子山のもう一つの山頂・下ノ山へ辿り着きました。上ノ山とほとんど同じ標高なのですが、エノキ、マユミ、ミズキ、イヌビワ、ヤブムラサキ、シロダモ、ヤブニッケイ、ヤブツバキ、アオキ、スギ、…などの樹林に囲まれていて展望はありません。狭くてひっそりとした山頂でした。
 更に西へ向かいます。山道は益々狭くなってきますが、踏み跡はしっかりとしています。いくつか紛らわしい分岐もありますが、樹林の隙間から見え隠れしている右下の南郷上ノ山公園のグラウンドや左手の森戸川渓谷を隔てた三浦アルプス(南稜)の山容などを目印にすれば、めったに進むべき方向を間違えることはありません。
 しかし、阿部倉山への登り返し辺りから、道筋はいよいよ頼りないものになってきました。山の形で、あっちが山頂じゃないかな、ということで、怪しげな分岐を左へ進みます。鬱蒼とした(ツタが絡んだ…手入れのされていない)スギ林の、なだらかで広い山頂部でした。篠竹のヤブをちょっと漕いだりして、幹に吊るされている朽ちかけた小さな山頂標識を発見したときは 「あった、あった、阿部倉山の山頂があった!」 と、子供のように二人で喜びました。
 阿部倉山の標高について、10000分の1の地形図には156mと記されていましたが、山頂標識には擦れた字で161mと書かれてありました(*)。どちらが本当なのかは分かりませんが、低い山であるということには変わりはありません。下りはあれよあれよと云う間に長柄のアスファルトの里へ着いてしまいました。それから里道を100mほども進むと今朝歩いた道に合流して、森戸川の北側の山域(北尾根)を谷からぐるっと一周したことになりました。尚、地形図上の破線(登山道)は、阿部倉山に関しては全くあてになりません。
 長柄交差点のバス停から、たまたま通りかかったバスに乗りました。逗子駅までは歩いてもたいした距離ではないのですが、少し疲れてもいましたし、成り行きでそうなりました。

 帰路、佐知子の発案で鎌倉の鶴岡八幡宮に立ち寄り、ついでに初詣をしてきました。実は、元旦に自宅近くの氏神様にお参りしているので2度目の初詣です。何処からこんなに人が集まってきたのだろう、というほどの人出でした。其々晴れ着を着て、振袖のお嬢さんもいればアベックのミニスカートの娘さんもいます。リックザックと軽登山靴の私達は完全に浮いていました。人並みに揉まれながら、「今年は平穏無事な一年でありますように」 と、丁寧にお参りをしました。ふと、先ほどの阿部倉山山頂の静けさが頭をよぎります。
 ところで、2度目でも初詣と云うんでしょうか…。

* 阿部倉山の標高について、その後25000分の1の地形図で調べましたら161mとなっていました。なので、本項では阿部倉山161mを採用しました。

やさしい山容の二子山の…上ノ山から下ノ山へ
上ノ山から下ノ山へ向かう
上ノ山を少し下り… →
前方の山が下ノ山(双耳峰の鞍部より撮影)
下ノ山へ向かう
このページのトップへ↑


集合写真です
二子山(上ノ山)山頂にて
山頂でキムチ鍋♪
コース: 京浜急行線新逗子駅〜長柄交差点〜こがね橋〜森戸川l林道終点〜二子山(上ノ山・下ノ山208m)〜阿部倉山161m〜長柄交差点-《バス10分》-JR逗子駅 【歩行時間: 3時間10分】

● H26年(2014年)1月12日(快晴): 山の仲間たち山歩会との楽しい新年鍋山行に、今年は本コース(二子山〜阿部倉山)を選びました。今回はイヌビワとイヌビワコバチの共生の話も出たりして、けっこうアカデミックにやりました。
 とはいえ、新年山行だけは(多少は)アルコールはOKということで、キムチ鍋を囲んで盛り上がりました。参加者が多かった(20名)ので、大きな鍋を3つ用意しました。漬けものなどの様々な“つまみ”を持参された方も大勢いて、なんと、八丈島産(直送)の美味しいクサヤを5枚も持ってきた方もいました。もう一つのコンロでそれを焼いたり、酒を温めたり…、大休止の二子山山頂は約2時間の大宴会となりまして…、寒さもどこかへ吹き飛びました。他のハイカーの方たちに嫌われたかもしれませんが、(おすそわけの)キムチ鍋を食べてもらったりして、とりあえずは苦情は出なかったようです。よかった、よかった。
 初めてこのコースを歩かれた方に感想を伺ったら 「スリルある沢登り(森戸川源流部)があったり、ヤブ漕ぎ(阿部倉山)があったり、ヤブツバキが咲いていたり…、自然がたっぷりの、変化に富んだコースですね」 と感心されていました。 それを聞いて思わずニンマリした私です。
 大勢の仲間と歩く山も、それはそれでとてもいいものだと、今回も思いました。 (*^^)v


花芽が少ないです
ヤブツバキ

展望はよくなりましたが・・・
伐られた樹木
鉄塔下から大楠山方面を望む

タイワンリスさん、ごめんなさい
東逗子駅へ下山

● H20年(2008年)1月18日(曇): 樹上でキャー・キャーとかキャン・キャンとかワン・ワンとか鳴いている声がしたので、不思議に思ってその方向をキョロキョロしました。暫らくして、鳴声に連動して揺れているタイワンリスの尻尾を発見しました。近寄って見上げると、私の存在に気がついたようで目と目が合いましたが、至近距離でも珍しく逃げようとはしません。これと同じような光景を何箇所かで見ましたので、これはもしかしてタイワンリスの「春」なのかな、と思いました。咲いているヤブツバキの花の数が随分と少ないと感じていましたが、やっぱりこれは、タイワンリスがその花芽を食べてしまった、からでしょうか。ヤブツバキの花芽は天ぷらなどにすると美味しい、と聞いていますが…。

* その後わかったことですが、このときヤブツバキの花の数が少ないと感じた原因は、じつは、まだその花の盛期には早すぎたからです。タイワンリスさん、疑ったりしてゴメンナサイ。また、「ワン、ワン」という声で鳴いていたのは“春”だからではなくて、人間(=私)の存在を怪しむ(仲間に発する)警戒警報であったらしいです。タイワンリスはその鳴き声を様々に使い分けているようです。[後日追記]

 鉄塔下で昼食にしたのですが、この小広場の周囲の高木がきれいに伐られていました。電線を傷つけないための処置だと思います。樹木たちには少し可哀想だと思いましたが、おかげで、ほぼ360度の展望を楽しむことができました。
 この日は乳頭山の北側の分岐から、いつもの田浦方面への右折をせずに直進して、JR東逗子駅方面へ向かう予定でした。今が盛りの田浦梅林の水仙の花に、ちょっと後ろ髪を引かれはしましたが…。
 その下山ルートには外輪山(東尾根)を辿るはずだったのですが、ボンヤリと歩いていたせいで、何故か中尾根コースを下り森戸川源流の谷へ出てしまいました。矢張り単独行は「道迷い」のリスクが大きい、と悟りました。慌てて二子山方面へ向かって登り返し、外輪山コースへ進み、三叉路で田浦梅林方面への山道を右に分け、一路東逗子駅へ向かいました。
 真冬の寒い日でしたが、汗びっしょりの一日でした。風早橋のバス停を午前9時15分頃から歩き始め、東逗子駅へ辿り着いたのは午後3時頃です。気の早いスミレに出逢えるかな、と期待していたのですが、やっぱり全然まだ、でした。三浦アルプスの春は、もう少し先のようです。

 このJR東逗子駅方面へ抜ける山道は、田浦梅林へ下る道よりは幾分距離は長いですが、アスファルトが少ない分だけ山歩きコースとしては優れているかもしれません。田浦梅林の季節(水仙や梅の季節)以外でしたら、お勧めの下山ルートです。

このページのトップへ↑


雪上のヤブツバキの落花
ヤブツバキの落花

雪の上に置いてみました
ヤブランとジャノヒゲとアオキの実

雪上の落花にも風情が…

● H26年(2014年)2月12日(晴): 3日前に降った関東沿岸部では珍しい大雪に、被害にあっている方たちや雪国の方たちには大変申し訳ないのですが、心をうきうきとさせていた私です。ようやく時間がとれたので、さっそく出かけてみました。平日ということもあり、相変わらずの静かな三浦アルプスを堪能できました。
 でも…、流石に温暖な三浦半島です。雪は殆ど(アッという間に)溶けていて、トレースもたくさんついていました。雪山登山のまねごとをやってみたかった私はちょっとがっかりです。ぬかるんで滑りやすい箇所が多々あり、これは要注意です。
 とはいえ、雪上のヤブツバキの落花に風情がありました。アオキの赤い実もとても美しかったです。ヤブランの黒い実やジャノヒゲの紺色の実も、あちこちにぽつぽつと落ちていて、秋の名残が冬に耐えた、といった感じでとてもよかったです。早咲きのスミレが、数輪ですが、日のよく当たる斜面に咲いていました。いつ来ても、何もかにもがステキです。
 予想はしていましたが、やっぱりそうだったんだ、と思ったのは、(立派な)道標が整備されていた、ということです。もう、この三浦アルプスを歩いても道迷いになるハイカーはずっと少なくなる、と感じました。嬉しいような寂しいような…、複雑な気持ちの私です。
 田浦梅林の梅は1〜2分咲き、といったところで、これも風情がありました。水仙の花は(雪の影響もあると思いますが)盛期を過ぎていました。
 春は名のみの、北風の強い一日でした。

トレースはたくさんついていました
だいたいこんな感じの山道
また木を伐ったので、展望が益々よくなりました。
鉄塔下から乳頭山方面を望む
このページのトップへ↑


中尾根コース・これはもう本格的な登山だ!

田浦梅林にて● H16年(2004年)2月14日(晴): 旧職場の山仲間たちと、森戸川林道終点から(左へ進んで右折して)痩せた中尾根コースを登り、六把(ろっぱ)峠を経由して田浦梅林へ抜けてみました。この山域のほぼ中央に位置する中尾根ルートは、アップダウンのある本格的な登山道で、矢張りヤマザクラの多いステキなコースでした。この一帯を桜山と呼ぶこともあるそうです。木々の間からは近隣の山々もよく見えていましたし、鮮やかな濃緑のアオキもナカナカでした。弱めの春一番が吹き、思いのほか暖かな一日で、木々の芽吹きなど、里山はもう既に春に備えての臨戦態勢に入っていました。
 田浦の梅は、見ごろには未だ少し早く、多分1〜2週間後位じゃなかろうか、と思いました。


東尾根と北尾根の境の辺りに位置している
馬頭観音
右側に「牛馬安全」
左側に「文政三辰八月吉日」
台座には「櫻山村」と刻字。

田浦梅林から阿部倉山

コース: 京急田浦駅〜田浦梅林〜乳頭山211m〜馬頭観音〜二子山208m〜阿部倉山161m〜長柄〜逗子・葉山駅 【歩行時間: 4時間20分】

● 令和4年(2022年)2月22日(快晴): 東から西への三浦半島横断で、田浦梅林の梅の開花状況(一部咲き程度)を確認してから、まず乳頭山(矢落山)に登りました。それから三浦アルプスの東尾根を北上して馬頭観音に手を合わせ、北尾根(二子山〜阿部倉山)を縦走して長柄の里に下山しました。京急田浦駅から歩き始めたのは8時30分頃で、逗子・葉山駅に着いたのは14時頃でした。南尾根縦走コースと比べるとアップダウンが少なくて、幾分楽に感じました。植生の自然度(鬱蒼とした感じ)に関しては、南尾根に比べると東尾根〜北尾根は、やっぱりちょっと物足りないです。
 阿部倉山の山頂部は整備されて、随分と変わっていました。スギとか下草が刈り払われてスッキリとして、落葉広葉樹(樹種は不明)の植樹もしてあったりとか…針広混交林に導いているのでしょう…丸太のベンチなどもある、モダンな空間になっていました。今昔の感しきりで、あの日の藪漕ぎが懐かしく脳裏をよぎりました。
 この日の特筆すべきは、コース上のあちこちで(可愛らしく動き回る)タイワンリスを見かけた、ということです。この地のタイワンリスは(2005年に施行された外来生物法において)特定外来生物に指定され、その“捕獲・駆除”が行われてきた影響か、ここ最近はその姿をあまり見かけなくなっていました。…もしかしたら復活しているんじゃないか、と推察しました。それは何というか、半分がっかりしてもう半分を喜んでいる、といった微妙な感情です。人間の(私の)心って、このようにナイーブで、自身でもよく分からないものなのです。(^^;)

真新しい丸太のベンチもありました
阿部倉山の山頂
スギが伐採されて小広場に…
鳴くたびに尻尾が揺れます
タイワンリス
ワンワン(キャンキャン?)と鳴いていました



三浦アの中間地点から北西方向を望む
三浦アルプスの山稜から丹沢山塊を望む (撮影:H26年2月)



当サイトの三浦アルプス関係のページ
三浦アルプス(1): 最初に本コースを訪れた時の記録
三浦アルプス(2): 2001年〜2004年の山行記録
三浦アルプス(3): 2005年〜2007年の山行記録
三浦アルプス(4): 2008年〜2013年の山行記録
三浦アルプス(5): 2014年〜2017年の山行記録
三浦アルプス(6): 2019年〜2022年の山行記録
三浦アルプス(7): 2023年〜最新版の山行記録
二子山と阿部倉山 森戸川渓谷とその北稜の山行記録
仙元山から大峰山 葉山町の山と海を楽しむ
三浦アルプスの基礎知識 この山域の植生についてなど
三浦アルプスの写真集 大きな写真でご覧ください

  季節別の山行記録
* 三浦アルプス(春) * 三浦アルプス(夏)
* 三浦アルプス(秋) * 三浦アルプス(冬)→本項

このページのトップへ↑
120-aut「三浦アルプス(秋編)」へNo.121「本仁田山」へ



ホームへ
ホームへ

ゆっくりと歩きましょう!