蜘蛛の巣をかきわけて…
標準コース(南稜縦走): 京浜急行線逗子・葉山駅(旧新逗子駅)-《バス5分》-風早橋-[10分]-葉山教会-[10分]-仙元山(浅間山)117m-[25分]-ソッカ189m-[30分]-観音塚167m-[40分]-連絡尾根の頭-[40分]-鉄塔下-[20分]-乳頭山(矢落山)211m-[15分]-田浦橋-[10分]-田浦梅林-[30分]-JR田浦駅 【歩行時間: 3時間50分】 * 森戸川林道や東稜、北稜、及び逆コースなども紹介しています。
→ 地理院地図(電子国土Web)の該当ページ(仙元山)へ
*** 前項 三浦アルプス(春編) からの続きです ***
港が丘の登山口
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タブ落葉の行方をずっと見ていた…
京急田浦駅〜港が丘〜乳頭山〜鉄塔下〜観音塚〜仙元山〜風早橋バス停
● H28年(2016年)6月3日(晴): 久しぶりの夫婦山行で、私達の里山(ホームグラウンド)・三浦アルプスを…やっぱり…歩いてきました。もやもやと迷ったときはここに限ります。昨年の10月に(港が丘の)登山口までの里道で道迷いしてしまいましたが、そのリベンジも兼ねました。(→H27年10月の山行記録) 下準備のおかげで今回はすんなりと、234段の階段がある登山口に辿り着きました。
ヤマザクラの多い山域ですので、その実があちこちに落ちていて、黒く熟したのを食べるともう甘くて甘くて、ほっぺたが落ちそうです。草の花にとっては中途半端な時季ですので(ドクダミとオニタビラコ以外は)ほとんど咲いていませんでしたが、ネズミモチやマサキやテイカカズラなどの初夏の木の花が、所々にひっそりと白く咲いていました。頬を横切る風も心地よくて、マテバシイの紅い新葉が木漏れ日に反射して、花のように輝いて見えました。
春から初夏にかけての今の時季は、カシやシイやタブなどの常緑樹にとっては(一部の葉を入れ替える)新緑と同時に落葉の季節でもあります。ときどき立ち止まっては、東の強風に流れ落ちるそれらの葉の行方を、私達はずっと見つめていました。
いつもとは逆コース、ということだけでとても新鮮に感じてしまうから山歩きって面白いわ、と佐知子も言っていました。よくよく思い起こすと、6月の三浦アルプスは初めての経験で、それも新鮮な感じでした。
それにしても最近、この山域でめっきりタイワンリスを見かけなくなりました…。
佐知子の歌日記より
蜘蛛の巣をかきわけ進む朝の道 君のうしろを離れず歩く
山桜の黒く輝く実を食めば甘みひろがり君にほほえむ
海風に揺れてたなびく椨(タブノキ)の落葉のゆくえをじっと見ており
* タブノキ: クスノキ科の常緑高木。1枚の葉の寿命は2〜3年で、毎年の春から初夏にかけてその半分近くを落葉させます。
風早橋の仙元山登山口
ヤブミョウガの花
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けっこう疲れる・・・
● R5年(2023年)7月2日(晴): またまたいつものメンバー(夫婦)で、三浦アルプスを歩いてきました。今回は西の(相模湾側の)風早橋バス停から東の(東京湾側の)JR田浦駅までの、つまり正調・三浦アルプス縦走(南尾根の縦走)です。久しぶりに歩いたフルコースで、トシのせいか…けっこう疲れました。なにしろ細かいアップダウンが多いので、累積標高差は1000m近くにも感じます。ヤマレコなどでは、同コースの累積標高差は約610mから約790mと(そのページによって)異同がありますが…。
今回のコース: 京急逗子葉山駅-《バス6分》-風早橋〜仙元山117m〜ソッカ189m〜観音塚167m〜高塚(マテバシイの並木道)〜連絡尾根の頭〜鉄塔下〜乳頭山211m〜田浦橋〜田浦梅林〜JR田浦駅…
【歩行時間:4時間強】
今回の特筆は風早橋バス停から仙元山までのルートです。今まではぐるっと回って葉山教会経由で山頂に立っていましたが、今回は風早橋バス停の少し先(国道134号線の南側・葉山隧道の入口近く)の左手にある石階段(指導標はありません)から、鬱蒼とした照葉樹林のなかを登ってみました。この登山道は葉山教会コースの上部に合流しています。ショートカットするので、若干ですが、時間短縮になります。
梅雨の晴れ間で、意外とすっきりと富士山展望などが楽しめたのは望外の仕合せでした。オカトラノオ、ミズヒキ、ヤブミョウガ、ジャノヒゲなど、盛夏の花たちが咲き始めていました。なんと、晩夏〜初秋の花・ヤマハッカもたくさん咲いていました。
風早橋バス停を8時30分頃にスタートして、例の植生に恵まれた照葉樹林をひたすら歩き、今は誰もいない田浦梅林を抜けてJR田浦駅へ下山したのは15時30分頃でした。昨日まで降っていた雨の影響で、あちこちの山道がぬかるんでいて、滑りやすくなっていたこともあり、時間が余計にかかりました。
佐野天然温泉・湯処「のぼり雲」: 神奈川県横須賀市佐野町のシックな日帰り温泉施設で、2003年(平成15年)12月にオープンしたそうです。JR田浦駅(横須賀線)からは二つ先の衣笠駅で降りて、そこから京急バスに乗って約5分、佐野4丁目バス停で降りるとすぐ近くです。日曜日の夕方でしたが空いていて、ゆっくりとくつろげたのが嬉しかったです。地下800mから湧出とのことで、泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉、弱アルカリ性(ph8.3)、加温、半循環、微かに濁ったやわらかい湯触り。各種の浴槽やサウナ、岩盤浴など多彩です。天然石の露天風呂もなかなか乙なものでした。入館料の1,200円(平日は1,100円)は高い感じですが、日帰り温泉施設の少ない三浦半島ということもあり、納得のできる高級感もあるので、まぁ、致し方のないところです。入浴後は食事処で冷えたビールをごくごく飲んで、美味しい三崎マグロの刺身なども頂いて…、今回も甘露甘露の大団円です。
帰路は、同路線バス(系統:須1)で京浜急行線の横須賀中央駅まで約8分。公共交通の便は良いと思います。
「のぼり雲」のホームページ
佐知子の歌日記より
梅雨晴れの三浦アルプス汗まみれ重い靴ゆえ苦行のごとく
仙元山から富士山方面を望む(2枚の写真を合成)
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工事中の鉄塔下
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「鉄塔下」が工事中!
風早橋〜仙元山〜観音塚〜鉄塔下〜乳頭山〜港が丘〜京急田浦駅
● R3年(2021年)7月17日(晴): 梅雨が明けてカラッと青空の土曜日、いつものメンバー(夫婦)で三浦アルプスを縦走してきました。風通しの良い緑陰で休憩すると涼しくて、汗がさぁ〜っと引いていきます。足元のあちこちにはミズヒキ、キンミズヒキ、ヤマハッカ、ヤブミョウガ、ヤマユリなどの夏の花が咲いています。
とはいえ、飲んだ水分は約2リットル。冬の4倍です。で、結局耐暑訓練でした。
今回知ったのですが、三浦アルプス縦走路(森戸川南稜線)の「鉄塔下」が工事中で、迂回路ができていました。鉄塔下の小空間での大休憩ができなくなっていますので、要注意です。でも、工事のために周辺の木を伐ったおかげで、広い異空間ができて、それはそれで本コース上のちょっとしたアクセントになっているかもしれません。自然保護の視点からは×だと思いますが、文明のため(電気の供給のため)には仕方がありません。
夫婦そろって新型コロナワクチンを2回接種して、そして2週間以上が過ぎていたので、なんか、久しぶりに、とても安心な外出(アウトドア)でした。
里歩きのアスファルトで熱中症に…
風早橋〜三浦ア縦走〜乳頭山〜田浦梅林〜JR田浦駅
● R1年(2019年)7月29日(晴): 山歩会の今年のメイン山行は南アルプスの北岳なのですが、その練習山行に選んだのが三浦アルプスでした。とはいえ、はっきり云って、(特にアスファルトの里歩きは)殆ど耐暑訓練でした。…まぁ、木陰へ入ると(風があったので)けっこう涼しかったのですが…。
それでもやっぱりメンバーのT君が完全にグロッキー。多分、熱中症だったのだと思います。何時もは私の倍くらい水を飲んで汗びっしょりなのに、この日は何故かあまり汗をかいていなくて、喉も渇かないと言い、1リットルも飲んでいませんでした。それがそもそも変だったのです。
しかし、でも、やっぱり、帰路の横浜ジョイナスの「ライオン」で打ち上げたときは大ジョッキを美味しそうに飲んでいましたが…。
そういう訳で(メンバーの健康状態が心配で)、この日はあまり自然観察はできませんでした。ヤマハッカがちょうどその花期で、あちこちにとても目立っていたのが印象的でした。
おかげさまで、この一週間後(8月5日〜7日)の北岳山行は、まずまず無難に(なんとか)登ることができました。
鷹取山経由で下山!
風早橋〜三浦ア縦走〜(東尾根)〜東逗子〜神武寺〜鷹取山〜京急田浦駅
● H21年(2009年)8月18日(晴): 暦の上ではもう秋なのですが、気象庁が定める夏は6月〜8月で、実感もまだ盛夏のこの日、家の中でグデ〜っとしているのもなんなので、単独で出かけてみました。
午前8時40分頃に風早橋バス停で降り、少し先の交差点の角にある「葉山・ボンジュール(*)」で、ちょっと高価だけれど美味しいパンを、中食用に買ってから歩き始めます。
仙元山から三浦アルプスを東へ縦走してから、今回は乳頭山の先で外輪山(東尾根)コースへ入り、東逗子駅方面へ進み、ついでに神武寺から鷹取山をぐるっとハイキングしてみました。京急田浦駅へ下山したのは午後3時15分頃で、けっこう歩きがいがありました。
8月の三浦アルプスは初めての経験でしたが、殆ど森の中を歩くので案外涼しかったです。そうは云っても、飲んだ水分は約2リットルでした。冬には500CCも飲まないのに…。流石に人影はなく、尾根道の核心部はヤブっぽくなっていて、クモの巣に悩まされました。
「マムシ注意!」とのことでしたのでずっと足元ばかり見ていて、樹木の観察をまったく忘れてしまいました。咲き始めのヤブミョウガと満開のヤブランがあちこちで群生していました。
下山後のビールの旨かったこと。盛夏の低山ハイクも乙なものだと思いました。夏も冬も、三浦アルプスって本当にいいと思います。
今回の特筆すべきは、東逗子駅の北側に位置する凝灰岩峰の鷹取山139mを繋げて歩いた、ということです。三浦アルプス縦走を(体力的に)物足りないと思われる方には、「→畠山→塚山公園(安針塚)」の下山コースとともに、お勧めのトレイルです。鷹取山のハイキングコースも(ボリューム的には超短小ですが)、なかなか趣きがあります。【歩行時間: 5時間30分】
* 風早橋バス停近くのモダンなパン屋さん「葉山・ボンジュール」は、残念なことに2012年2月に閉店したらしいです。ちょっと残念かも…。[後日追記]
神武寺から鷹取山: この年の秋、改めて鷹取山ハイキングへ出掛けましたが、そのときの記録です。参照してみてください。[後日追記]
次項 三浦アルプス(秋編) へ続く
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