佐知子の歌日記・第十六集
佐知子の歌日記・第三十七集
令和3年10月〜12月
旧姓が書かれた竹の物差しは目盛り黒ずみ傷あまたあり
車中より あっ富士山と声のして 二十の頭西へと動く
愛宕山 今更ながらと言いながら「出世の階段」一気に登る
歌詠めず菊に水やりしておれば ひょいひょいぴょいとバッタ現る
コンピュータ語に挟まれて日本語は「です・ます」だけのドコモショップ
金色の銀杏並木を歩きたり「・・・ちひさき鳥のかたち・・・」捜しつつ
留山の霧訪山
(きりとうやま)の登山道 左右ロープのきつく結わわる
旧姓が書かれた竹の物差しは目盛り黒ずみ傷あまたあり (10.12)

ストーブを出そうと夫は言うけれど「えっ」と答える 汗ぬぐいつつ (10.16)

肌掛けを毛布にかえて少しずつ冬に構える 生きていくため (10.19)

大根葉の炒め煮を盛る大鉢は十分の後 底を見せたり (10.25)

金木犀今年二度目の花咲かせコロナに籠もる人を誘う (10.26)

 
日帰りグラウンドゴルフ遠征 (10.29)
車中より あっ富士山と声のして 二十の頭西へと動く
朝露に芝生は重く飛ばないと言うもホールインワン五人おり

 
浜離宮から愛宕山・都内散策 (11.1)
ビル群をくぐり抜け着く浜離宮 松の緑とつわぶきの黄の
青空を突き抜けそうに聳え立つ東京タワーを真下より見上ぐ
愛宕山 今更ながらと言いながら「出世の階段」一気に登る

 
武山三山ハイキング (11.6)
体調のすぐれぬ友に送信す十三人のハッピーバースデー
(ほ)おそくとも登山が出来る喜びを薬談議の合間に語る

朝からの小雨に今日は良き歌が詠めるかなどと企んでおり (11.9)

来年の暦を眺め思い出す そうだ今年は年女なのだ (11.10)

 鳥居原から南山ハイキング-1 (11.14)
日曜日は家族の日なり若きらと子らで賑わう宮ヶ瀬の湖(うみ)

歌詠めず菊に水やりしておれば ひょいひょいぴょいとバッタ現る (11.17)

コンピュータ語に挟まれて日本語は「です・ます」だけのドコモショップ (11.17)

金色の銀杏並木を歩きたり「・・・ちひさき鳥のかたち・・・」捜しつつ (11.19)

歌つづるキャンパスノートは九冊目 棒線目立つ推敲のあと (11.22)

 
信州の霧訪山守屋山 (12.2〜3)
「ウォー」と夫 我は拍手を 白銀の富士山・北岳・間ノ岳へ
留山の霧訪山
(きりとうやま)の登山道 左右ロープのきつく結わわる
まっ白な北アルプスは連なりて山の名確かめ存分に眺む
振り向けば蓼科山や八ヶ岳 雪をかぶりて青空に映ゆ
諏訪大社三ヶ所巡り祈りたり山旅つづくを感謝しながら
雪山を数多のぞめる守屋山
(もりやさん) 子を背負い登る若い女(ひと)あり
木々の間に我家の青い車見え 下山出来たと痛い膝撫づ

昼に起き口数少ない夫である昨夜
(ゆうべ)の美酒の余韻に浸り (12.7)

 
鳥居原から南山ハイキング-2 (12.11)
黒文字の小枝と己が小指切り 慣れた手つきで手当てする夫
下山後の露天風呂にて眺めれば碧
(あお)の夜空に上弦の月

八十代五人揃えば止めどなく話はつづく薬と病の (12.12)

地下街の苦手な夫は地上でも東西南北さまよいており (12.16)

プレゼントの登山ストック使いたし あと十年はうーん も少し (12.16)

槍沢の群青の空に及ばぬが今日の東京空が青いね (12.18)

十代の孫らの頬を赤らめて会話が弾むイブのシャンペン (12.24)


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