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武山三山(三浦半島)-その2
No.191-2 三浦富士から武山
マテバシイの純林・ミニ山脈のミニ縦走

三浦富士・略図2
株立ち状の木々が目立ちました
マテバシイ林を通過

ユウガギク?シロヨメナ?
ノギクの類…

足の指が黄色かったのでコサギかも
津久井川のシラサギ


INDEX

 津久井浜駅からの周回コース(前項)
@ 手軽で気軽なのがいい!(平成17年10月13日)
A 三浦半島で「雪山」の気分(平成18年1月22日)

 京急長沢駅から入山(本項)
B 長沢コースのマテバシイ林に感動!(平成29年10月12日)
C マテバシイ林に異変が!(令和3年7月10日)
D 山の仲間たちと(令和3年11月6日)

 → 国土地理院・地図閲覧サービスの該当ページへ


三浦富士から武山B
平成29年(2017年)10月12日 晴れ

長沢コースのマテバシイ林に感動!

京浜急行線・京急長沢駅〜三浦富士登山口〜マテバシイ林〜三浦富士183m〜展望台〜砲台山206m〜武山200m・武山不動〜津久井浜駅〜(海辺を散歩)〜津久井浜駅 【歩行時間: 2時間30分】

 久しぶりに夫婦で、三浦半島(神奈川県横須賀市)の武山三山(三浦富士〜砲台山〜武山)を歩いてきました。今回は京急長沢駅からのアプローチでしたが、その登山口から少し登った処(「平和の母子像」の少し先)のマテバシイの純林にはびっくりしました。けっこうな容量で素晴らしい林相だったのです。外房の烏場山(花嫁街道)や三浦アルプスの「マテバシイの並木道」にも勝るとも劣らない、と、ほんとうにそう思いました。この長沢コースは、もしかしたら“穴場”かもしれません。まぁ…、あっと云う間に富士山(ふじやま・三浦富士の本名です)に登頂してしまいましたが、低くて小さな山域のこととて、これは致し方ありません。

* この長沢コースのマテバシイ林には株立ち状のものが多いですが、かつての救荒食用(飢饉のときにそのどんぐりを食用にする)ではなくて、薪炭林としての位置づけだったのかもしれません。

 小夏日和とでも形容したくなるほどの暖か過ぎる一日でしたが、照葉樹に囲まれた山稜に吹く風は矢張り秋の風でした。紅葉には全然早すぎる今のこの地域ですが、ノギクの類やアカマンマ(イヌタデ)やミズヒキなどの花を足元に愛でたり、天空に舞うトンビを目で追いかけたり、津久井川に沿った下山道(里道)でシラサギ(正確にはコサギかも)をじっくりと観察したり…などして、それはそれでとてもリラックスした半日を過ごすことができました。山って、低山でも、とてもいいものです。
 京急長沢駅前から歩き始めたのは11時頃で、休み休み歩いて津久井浜駅前に着いたのは14時半頃でした。…(時間的に)早すぎる下山だったので、そのまま少し南へ歩いて三浦海岸(金田湾)へ出てみました。ウィンドサーフィンに興じる中高年たち(若者も少しいましたが…)の様子を興味深く眺めたり…、津久井浜の海をたっぷりと堪能して、そして近くの寿司店(魚敬・津久井浜店)で地元のアジやスズキやカンパチなどの新鮮な魚たちに舌鼓。生ビールや冷酒なども飲んじゃったりして、命の洗濯ができました。

* 本コースで歩き足りない方は、三浦海岸の散歩を加味して、南側の三浦海岸駅、あるいは北側の野比海岸(野比海岸公園→YRP野比駅)、さらに、くりはま花の国(→京急久里浜駅)まで歩くといいと思います。公園やこじゃれた店などもあります。
 なお、それほど苦にならないアルバイト(寄り道)として、武山から津久井浜へ向かって南へ下る途中の西側に龍塚
(りゅうちょう=龍塚山)がありますが、そこに立ち寄るのもいいかもしれません。樹林に囲まれて展望は無く、小さな建屋(祠?)があるだけですが、武山不動院の解説板によると、江戸時代(享保の頃)に大蛇の首を埋めた処で、雨乞いの伝説に因むようです。往復約20分程度の山道です。[後日追記]

  佐知子の歌日記より
 海風とゆたかな光浴びている 照る葉の森の三浦富士山
 照葉樹のあしもとノギク群れをなし小さき白はゆらゆらと咲く
 京急の駅から二分の津久井川浅瀬を歩く白鷺がいる
 浜の風強き津久井を漕ぎいだす十一人のウインドサーファー


三浦富士の長沢コースにて
三浦富士のマテバシイ林(株立ち状が多い)
撮影:H29年10月12日
諸説あるようです
龍塚(りゅうちょう)
大蛇の首塚:雨乞いの伝説がある。
龍塚山は持経寺の山号。
撮影:R3年10月30日

*** コラム ***
セイタカアワダチソウ(キク科の要注意外来生物)について

背高泡立草:キク科アキノキリンソウ属の多年草 前項の冒頭(三浦富士から武山@)にも書きましたが、12年前のころ(2005年頃)には気になるほどあちこちに繁茂していたセイタカアワダチソウでした。ところが、今回は全然気になりませんでした。…津久井川のコンクリート壁の内側のほんの狭い処などにひっそりと咲いていただけなのです。ホッとしたのと同時に懐かしく(“残念”との中間くらいな感情で)思い出したのは、自身、ちょっと意外でした。案外ときれいなんですよね、この花は。
 そういえば、私の田舎(栃木県の平野部とか千葉県の山間とか)でも、ここ久しくセイタカアワダチソウを意識していません。実際、なにが本当の自然なのか真の生態系なのか、何を守るのか何を排除するのか、の問題はものすごく難しい問題であると、今回もしみじみと思い知りました。
 この国であれほど旺盛を極めた“驚異のセイタカアワダチソウ”ですが…、栄養を取りつくしたのか自分の毒(アレロパシー)に当てられたのか、背も小さくなったみたいだし、可愛そうなほど大人しくしていますよね、今はもう、この国では…。

* ご意見ご感想は当サイトのBBS(掲示板)をご利用ください。



ナラ枯れの現場です
立ち枯れのマテバシイ
R3年7月10日・登路にて

コロナが治まりますように
武山不動に参拝
(龍塚山持経寺武山不動院)

アゼリアハウスにて
武山の展望台にて
R3年11月6日

三浦富士から武山C
令和3年(2021年)7月10日 晴れ

マテバシイ林に異変が!

京浜急行線・京急長沢駅〜三浦富士登山口〜マテバシイ林〜三浦富士183m〜展望台〜砲台山206m〜武山200m・武山不動〜津久井浜駅〜〔海辺を散歩〕〜津久井浜駅 【歩行時間: 2時間30分】

 新型コロナワクチン接種を2回受けて、幾分気が楽になった梅雨の晴れ間の土曜日、何時ものメンバー(夫婦)で、本コースを歩いてきました。日影へ入ると少しは涼しいのですが、はっきり言って、ほとんど耐暑訓練です。8時30分に東京都大田区の自宅を出て、帰宅したのは14時30分頃…、シャワー後のビールが美味いのなんのって。…安近短の私達の山旅です。
 今回気になったのは長沢の登山口から少し登った辺りのマテバシイ林です。けっこうな容量で素晴らしい林相だったのですが、所謂「ナラ枯れ」でしょうか。半分近くの樹木(高木)が立ち枯れていました。2018年の頃からその被害が顕著になったようで、国や県もいろいろと対策を打っているようです。あらためてカシノナガキクイムシ(カシナガ)とナラ菌の共生関係がもたらす症状の恐ろしさを痛感しました。この地ではコナラとマテバシイが特にやられているようで、非常に残念です。…回復を祈るばかりです。

 佐知子の歌日記より
蒸し暑き三浦半島夏登山 人の気配にマスクをつける
何でだろうどうしたのかと立ち枯れし三浦の富士の木々を見る君
津久井浜にとりどりの色はためかせウインドサーファー海に乗ってる


「ナラ枯れ」について 本サイトのコラム欄です。
* マテバシイについては、高塚山のページも参照してみてください。


三浦富士から武山D
令和3年(2021年)11月6日 晴れ

山の仲間たちと

京浜急行線・京急長沢駅〜三浦富士登山口〜マテバシイ林〜三浦富士183m〜展望台〜砲台山206m〜武山200m・武山不動〜〔龍塚往復〕〜津久井浜駅〜(海辺を散歩)〜津久井浜駅 【歩行時間: 2時間30分+α】

 山の仲間たちをお誘いして武山三山(三浦富士〜砲台山〜武山)を歩いてきました。じつは、1年10ヶ月ぶりの山歩会の定例山行です。
 長沢から三浦富士への登路では、ツワブキの黄色い花がきれいに咲いていました。武山の展望台(アゼリアハウス)などからは、東京湾を隔てて富山や鋸山などの房総の山影などもよく見えていました。空気の澄んだ高曇りの、秋のよい日でした。
 コロナは大分収まっていますが、油断はできないようです。…なこともあり、これからもひっそりと生きていくしかないのかも、と少し気弱になっていた昨今でしたが、山仲間と久しぶりに会って、とても元気をもらって、…なんか、青春の活力が蘇ったような、そんな気がしました。山ってやっぱり、いいですねぇぇぇ。

* 今回のメインテーマはもちろん「ナラ枯れ」でした。その現場を目の当たりにして、コロナも怖いけど、樹木の伝染病も怖いものだ、と認識を新たにした次第です。

  佐知子の歌日記より
 体調のすぐれぬ友に送信す十三人のハッピーバースデー
 歩
(ほ)おそくとも登山が出来る喜びを薬談議の合間に語る

三浦富士もナラ枯れが深刻! (撮影:R3年10月30日)
長沢殿前公園から撮影
長沢の麓から三浦富士方面を望む
白と茶っぽい処がナラ枯れです
ナラ枯れに病むマテバシイ
ナラ枯れの現場
立ち枯れのマテバシイ

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