「私達の山旅日記」ホームへ

武山三山(三浦半島)-その1
No.191-1 三浦富士から武山
潮風と山風・ミニ山脈のミニ縦走

三浦富士・略図
浅間神社奥宮がある
三浦富士山頂

「砲台跡」がポツンと佇む
砲台山山頂

これも“戦争”の名残り・・・(後日撮影)
砲台山のコンクリート柱

野比のYRP[Yokosuka Research Park]の建物が見えます
武山山頂より

ノラネコですがおっとりしていました
武山のノラ・マイケル

こんな感じの照葉樹林です
樹林を下る


INDEX

 津久井浜駅からの周回コース(本項)
@ 手軽で気軽なのがいい!(平成17年10月13日)
A 三浦半島で「雪山」の気分(平成18年1月22日)

 京急長沢駅から入山(次項)
B 長沢コースのマテバシイ林に感動!(平成29年10月12日)
C マテバシイ林に異変が!(令和3年7月10日)
D 山の仲間たちと(令和3年11月6日他)

 → 国土地理院・地図閲覧サービスの該当ページへ


三浦富士から武山@
平成17年(2005年)10月13日 晴れ

手軽で気軽なのがいい!

京浜急行線・津久井浜駅〜横須賀警察犬訓練所前〜三浦富士183m〜展望台〜砲台山206m〜武山200m・武山不動〜津久井浜観光農園〜津久井浜駅 【歩行時間: 2時間20分】

 品川駅から京浜急行の快速特急で約1時間。三浦海岸(東京湾の出口・浦賀水道の西)にもほど近い津久井浜駅を拠点にした半日周遊コース。やっぱり遠い、と云うべきか、案外近い、と云うべきか、都心から微妙な至近距離にあり、しかも微妙に「自然」を残している小さくて低い山域。それが三浦富士・砲台山・武山と連なる三浦半島最南の、標高200m前後の超ミニ山群(武山三山)だ。

 秋雨前線の去った薄晴れの半日、運動不足を解消しましょう、という妻の佐知子に誘われて、とにかく出かけてみた。戦後の帰化植物の代表のような、セイダカアワダチソウの季節だった。日常から確実に隔離された「散歩(半日ハイキング)」は、私達に心と身体の安寧を与えてくれた。
 ゆっくり歩いても総歩行時間は正味2時間半足らずで、山歩きとしては少々物足りない。しかし、なんと云っても手軽で気軽なのがいい。三浦半島南端をぐるりと囲む海の景色がいい。アプローチ(三浦台地=隆起海食台地)の、ダイコン・キャベツ・タカナなどの畑が広がる山里歩きがいい。海の風と山の風がさわやかに混じった、オゾンたっぷりの大気がいい。大きなトンビが上空を飛び回っているのがいい。コナラ・クリ・シデ類などの二次林とシイ・カシ・タブなどの当地の極相林(照葉樹林)がせめぎあう森の姿もいい。そして、疲れないのがいい。
 武山から津久井浜へ向かう下山途中、ミカン畑を眺めながら歩いていたらミカンが食べたくなって、津久井浜観光農園で少し分けてもらった。まだ青みの残るそれは甘酸っぱくて、懐かしい味がした。潮風に乗ってキンモクセイの甘い香りが漂っている。私達のお気に入りの里山がまた一つ増えそうだ。

三浦富士(みうらふじ・183m) 正式な山名は富士山(ふじやま)。武山富士(たけやまふじ)とも呼ぶらしい。富士信仰の山ということは分かるが、はっきり云って、何故富士なのか、その山容からは計り知ることはできない。
 なだらかな登路沿いにはサクラ(ヤマザクラ?)の木が目立つ。ひっそりとして狭い山頂には浅間神社奥宮の二つの石祠と数基の石碑と二等三角点の標石がある。樹林(コナラ、アカガシ、イチョウ、イヌガヤ、ケヤキ、エノキ、クリ、シロダモ、ヤブツバキ、ツタ類など)に囲まれているのでそれほど展望は良くないが、樹林越しに海(三浦海岸・金田湾)が見えていた。晴れ渡っていれば本家本元の富士山も西に見えるそうだ。国土地理院の三角点情報によると、点名は「浅間山183.07m」となっている。今回の3座の中では私達の好きなタイプの山頂だった。

砲台山(大塚山)206m 三浦富士の山頂からマテバシイやスダジイやアオキやマユミなどの樹林帯を30分ほども歩き、縦走路を右へ外れて少し登ると砲台山の山頂へ出る。国土地理院の地形図には測量点の標高表示だけで山名は記載されておらず、正確には武山の一つのピ−ク、ということになるらしい。ちなみに、この砲台山(武山)は三浦半島では4番目に高い山である。[1位大楠山241m、2位乳頭山211m、3位二子山208m] だからなんなの? と云ってしまえばそれまでの話だけれど…。

* 三浦半島で標高第2位の山について(補足): 国土地理院の地形図には山のピークとしての表示はないけれど、じつは、乳頭山の南西に位置する茅塚212mがあり、上山口の仏塚山215mというのもあるのですが…。この2座を「山」として認めたとすると、1位・大楠山241m、2位・仏塚山215m、3位・茅塚212m、4位・乳頭山211m、5位・二子山208m、そして6位・砲台山206m、ということになりそうです。

 砲台山の山頂には展望はなく、大きな電波塔と第三管区海上保安本部武山中継所の建物があり、そして、その脇に旧日本軍の高射砲の砲台跡(直径約10m)がある。近くの衣笠にも、現在は原形を留めていないというが、もう一つの砲台山があるらしい。そして、東京湾を隔てた千葉県の金谷(富津市)にも砲台山110mがある。東京湾に侵入する敵艦隊から首都を守った山、というレッテルは、いかにも悲しい。説明板などが一切設置されていないのも、かえって悲しさに拍車をかける。

武山(たけやま・200m) 砲台山からなだらかな尾根道をさらに西へ約25分進むと武山山頂に着く。この山頂へは車で入ることができるらしく、狭い山頂広場に数台の車が駐車していたのは、矢張り興ざめだった。立派なトイレやジュースの自販機もあり、このコースを歩く場合、水筒は必携品ではないようだ。アゼリアハウスという展望台へ登るとほぼ360度の視界を得ることができるが、山頂部にある電波塔などが少し目障りだ。付近には約2000本といわれるツツジが植えられていて、その花の盛期はさぞかしきれいだろうと思う。
 武山山頂の武山不動(正式名称は「龍塚山持経寺武山不動院」・浄土宗)は、門前の説明板によると、航海安全の「浪切(なみきり)不動」として信仰されてきたとのことだ。浦賀水道を通る沿岸漁業者にとっては、所謂“山立(やまたて)”として、この山がその役目を担っていたのだろう。現在も1月28日の「初不動」には多くの人が集まり賑わいを見せるという。

↑武山 砲台山〜三浦富士
のどかな里山(左から武山〜砲台山〜三浦富士)
天空にはトンビが舞い、潮風と山風がさわやかです。



今回の参加者は13名でした
三浦富士の山頂にて

三浦富士から武山A
平成18年(2006年)1月22日 高曇り

三浦半島で「雪山」の気分

京浜急行線・津久井浜駅〜横須賀警察犬訓練所前〜三浦富士183m〜展望台〜砲台山206m〜武山200m・武山不動〜津久井浜観光農園〜津久井浜駅 【歩行時間: 2時間30分】

 山の仲間たち山歩会と三浦富士から武山を歩いてきました。昨日の積雪が思った以上で、雪山の気分を味わってしまいましたが、これは嬉しい誤算でした。武山山頂のアゼリアハウスで皆で鍋をつつきながら楽しく憩い、帰路には津久井浜観光農園に立ち寄って「イチゴ狩り」も楽しみました。

雪ダルマです* 雪遊び : 前日は東京でもめずらしい大雪(5〜10センチ)でした。雪を見ただけで私ははしゃいでしまいますが、雪遊びについては「雪だるま」と「雪合戦」と「尻スキー」くらいしか知りません。
 今回の三浦富士〜武山の稜線上で、13名の参加者のなかでただ一人雪だるまを作ってはしゃいでいたのは九州生まれの方でした。(栃木と千葉のハーフの)私は一人で雪合戦をしていましたが、東京育ちの多くの方は何をしたらよいのか分からないみたいでした。東北育ちの方は「・・・・」といった感じで、その状況を「優しく」見守っていました。積雪に対する反応にもお国柄が出るようで、面白いと思いました。