佐知子の歌日記・第十六集
佐知子の歌日記・第四十四集
令和5年7月~9月
黒べール黒い長着の女たち はたして下着は何色だろうか
バスローブ分厚く長く部屋広し四つ星ホテルはわが規格外
岩々の筋が朝日に輝いてアイガー北壁玉座の構え
ゴンドラの車内アナウンスに日本語の無くて韓国・中国語あり
今日もまた気温体温三十六度 冬眠のごとエアコン部屋へ
ゴンドラで七百米を稼ぎおり後ろめたさをリュックに負いて
元気な子虫を嫌がる子らがいて入笠山は賑わいにけり
山頂は花崗岩の白い粒 日向山
(ひなたやま)にてビーチの散歩
東京が燃える崩れる百年前の震災映像ただただ見つむ
手伝いの証をまとう夫である 祭半纏ビールの匂い
手の甲につきたるヒルを払う友みるみる血潮あふれいでけり

 
三浦アルプス (7.2)
梅雨晴れの三浦アルプス汗まみれ重い靴ゆえ苦行のごとく

 
スイス・アルプス周遊ハイキング (7.11~22)
空港の待合室にどの国の人もスマホを滑らせている
黒べール黒い長着の女達 はたして下着は何色だろうか
幌付きの馬車に揺られて一時間 はずむ会話に雨音消える
ベルニナの沿線ハイク 花は吾
(あ)の靴ずれを忘れさせたり
晴れの朝ピッツベルニナの眺め良し夫と歩めり裏の小ピーク
九切れのにんじんを食う夫である氷河特急四時の昼食に
九切れを残さず夫が食べたから七月十五日は人参記念日
ゴンドラを乗り継ぎ見上ぐおおこれがマッターホルンだ天突く頂き
バスローブ分厚く長く部屋広し四つ星ホテルはわが規格外
ホテルよりマッターホルンの頂上がすっきり見える朝日を浴びて
リッフェル湖はマッターホルンを逆さにし名カメラマンぞくぞく現る
人混みのユングフラウヨッホ展望台 氷河を見てたら今し雪降る
ゴンドラの車内アナウンスに日本語の無くて韓国・中国語あり
登山道の花の色濃し存在を主張するごとすっと立ちおり
岩岩の筋が朝日に輝いてアイガー北壁玉座の構え
ディアヴォレッツァ展望台からベルニナ山群を望む
  
ディアヴォレッツァ展望台からベルニナ山群を望む↑

 コロナかな・・・
熱あるは待合室に入れない外で待ちおり天気でよかった (7.24)
いつどこで我に入って来たものかコロナウイルスはじめまして (7.24)

(やまい)癒えノート広げて意気込むが書いては消しての繰り返しなり (8.7)

ファミレスのメニューには無い 縁台でヒホヒホ食べた氷あずきは (8.12)

今日もまた気温体温三十六度 冬眠のごとエアコン部屋へ (8.19)

 入笠山日向山・中央道の甲信国境への山旅 (8.28~29)
ゴンドラで七百米を稼ぎおり 後ろめたさをリュックに負いて
元気な子虫を嫌がる子らがいて入笠山は賑わいにけり
源泉の掛け流しの湯に足ほぐすジャズが流れるロッジ・アトリエ
山頂は花崗岩の白い粒 日向山
(ひなたやま)にてビーチの散歩
広間にて休んでおれば尾白の湯 山の仲間に偶然出会う
 入笠山の山頂
  入笠山の山頂にて↑

東京が燃える崩れる百年前の震災映像ただただ見つむ (9.3)

この暑さもう結構と叫びたし何処の何方かどうにかしてよ (9.15)

一日に二本のアイス食う我は減酒がならぬ夫を責めない・・・が (9.17)

手伝いの証をまとう夫である 祭半纏ビールの匂い (9.17)

 日光霧降高原をハイキング (9.25~26)
山靴にヒルよけスプレー確とかけ霧降高原おどおど歩く
格安の駅前ホテルは食事なし 頼りにするは寿司屋とコンビニ
手の甲につきたるヒルを払う友みるみる血潮あふれいでけり
 霧降川に架かる丸太橋を渡る
  霧降川を渡る(大山トレッキングコースにて)↑


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