この一年家居の夫がつぶやいた「ウーバーイーツなんなんだそれ?」 蓑山(みのやま)は みどり黄みどり深みどりパッチワークを縁取る桜 そよ風に吊す黒傘白くなる小手毬の花散り広がりて 思うことあらば残らず出せよとて夕べの春雷耳にせまり来 水疱のできたは老化かと訊けば 医師はきっぱりそうですと言う 春の雨若葉にしみて青青しこの世にありと輝き見ゆる あと少し雲よ上がれと願えども谷川の嶺に声は届かず 雨降りの目を慰めて薄紅の三つ葉躑躅の花は咲きたり 腕重く気だるい夕べ じわじわとコロナワクチンわが身をめぐる 擬宝珠(ギボウシ)のうす紫の花満ちて この世の隅に生き抜いており 五キロごとモニタリングのポストあり 常磐道をフクシマへ入る 春蝉の啼き出でし声は胸に沁み眼(まなこ)を閉じて暫し歩を止む 六月のスカイラインは緑なり ピンクを添える谷空木の花 高齢がワクチン接種待つ部屋に黒髪長き女性がおりぬ |
あちこちで聖火はリレーされゆくが見物するなのコロナ対策 (4.2) 本当にオリンピックが出来るかなコロナのご機嫌伺うばかり (4.2) この一年家居の夫がつぶやいた「ウーバーイーツなんなんだそれ?」 (4.2) 箕山ハイキング (4.3) 簑山(みのやま)は みどり黄みどり深みどりパッチワークを縁取る桜 ![]() 大阪を変異ウイルス覆いおり東京もすぐとニュースは言うが (4.8) 苦笑いしつつ娘は蝋燭をえいと吹き消す苺ケーキの (4.9) 香り良し歯ごたえ良しの筍がわが全身に春を知らせる (4.12) そよ風に吊す黒傘白くなる小手毬の花散り広がりて (4.18) 咲き終えた白やピンクのさくら草また来年と土を覆いぬ (4.19) 奄美大島の山旅 (4.23〜26) コロナ禍に後ろめたさを持ちながら奄美へ向かうマスクをしつつ 持ち出すと祟りがあるとう白き石ホノホシ浜にて撫でてきたり 今日の宿トレーラーなり最小の用は足りるが戸惑いており 明け方の嘉鉄の浜を散歩して夫と見せ合う白い貝殻 雨のなか近道をして湯湾岳へ物足りないねズルした分が 看板につられ食べればステーキは牛ではなくて豚なのだった 半日を金作原のエコツアーへ メモとる夫のペンは走れり おお痒い弓手を刺した虫は何 南の島はもう夏なのだ 透明な海はほんのり温かく水泳できる奄美の四月 ![]() 思うことあらば残らず出せよとて夕べの春雷耳にせまり来 (5.1) 血管が青く浮き出る手の甲を隠していたい七十路ではある (5.3) 水疱のできたは老化かと訊けば 医師はきっぱりそうですと言う (5.10) 菓子を買う楽しみやめて二ヶ月の体重減はほんの二キロよ (5.10) 春の雨若葉にしみて青青しこの世にありと輝き見ゆる (5.13) 上越の三国山と赤城山の鍋割山 (5.16〜18) 走りゆく十七号線なつかしや苗場湯沢はスキーの道よ 新緑のまばゆいばかりの樹樹を愛で 君とゆっくり三国の山へ あと少し雲よ上がれと願えども谷川の嶺に声は届かず 木の枠が枕となれる浴槽の湯が溢れでる法師温泉 雨降りの目を慰めて薄紅の三つ葉躑躅の花は咲きたり ![]() 八時半混み合うネットに挑む夫 予約が出来たコロナワクチン (5.21) 幾度も白紙のノート見つめつつ指もて回す三菱鉛筆 (5.25) 帰り来て一週間もたたぬのに次ゆく山を探しておりぬ (5.27) きのうまで出来ていたのに力むでもペットボトルの蓋あけられぬ (5.30) 腕重く気だるい夕べ じわじわとコロナワクチンわが身をめぐる (5.30) 封印をしていたアイス食すれば舌が飲み込む意志の弱きを (6.3) 擬宝珠(ギボウシ)のうす紫の花満ちて この世の隅に生き抜いており (6.7) 福島の山旅(霊山登山) (6.11〜12) 五キロごとモニタリングのポストあり 常磐道をフクシマへ入る それらしく名付けられたる霊山の奇岩おのおのらしく構える 春蝉の啼き出でし声は胸に沁み 眼(まなこ)を閉じて暫し歩を止む 六月のスカイラインは緑なり ピンクを添える谷空木の花 ![]() 膝痛でピノキオみたいな足運び スーイスイスイ歩いてみたい (6.15) ノート繰り腰屈めつつ漬けにけり十八年目の梅干しづくり (6.19) スマホ画面繰るたび消えぬ「グーグル」の文字に戸惑う夕暮れ時に (6.22) 高齢がワクチン接種待つ部屋に黒髪長き女性がおりぬ (6.26) 駐車場にブルーの軽を置く人と朝に挨拶す名は知らねども (6.28) |
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