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No.417 上越の 三国山1636m
令和3年(2021年)5月17日(月)曇り マイカー利用

三国山の略図
登山前日
清津峡渓谷トンネルからの展望(水盤鏡が幻想的)
清津峡渓谷トンネルにて

2m近い「わらアート」です
たくみの里のアマビエ

三国山登山
三国トンネルの入り口へ進む
三国トンネル(右手に登山口)
↑左側が新三国トンネル

よい香りです
タムシバの花が・・・

バックは三国山方面
三国峠にて

花はこれからです
ツバメオモトの新葉

木の階段を上る
三国山の山頂は近い!

「幸福の鐘」を叩く
三国山の山頂

遠くに榛名山・右手前が稲包山
山頂からの展望

残念〜ガスった
ワラジカケマツノ頭
渡り廊下と赤い郵便ポストと・・・
法師温泉

極上の温泉ハイキング!

登山前日(5/16)=関越道・月夜野IC…「清津峡渓谷」や「たくみの里」などを観光&ドライブ…猿ヶ京温泉
登山日(5/17)=猿ヶ京温泉-《車15分》-三国トンネル手前・上越橋〜三国峠〜三国山1636m〜ワラジカケマツノ頭1620m〜三国峠〜上越橋-《車15分》-法師温泉… 【歩行時間: 3時間40分】
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ


 猿ヶ京温泉と法師温泉に予約が取れたので、それから、私達夫婦にも登れそうな山を探した。上信越の三県が肩を寄せ合う国境稜線には面白そうな山が山ほどあるので…例えば谷川連峰とか苗場山とか佐武流山とか白砂山とか…随分と迷ったのだが、両温泉からの至近距離に位置する三国山1636mと稲包山1598mに白羽の矢を立てた。…さてしかし、常日頃の行いが悪いせいか、その登山予定日の天気予報が芳しくない。とりあえず準備だけは万全にして、とにかく出掛けてみよう、 ということになった。妻の佐知子も今回の(2泊3日の)上越の山旅をとても楽しみにしていたのだ。

登山前日(5月16日・雨):ドライブ観光
 早朝(5時半頃)に東京の自宅を出たので、マイカーは関越自動車道を快調に飛ばし、月夜野ICから三国街道(国道17号線)を北西へ進む。…しかし、小降りの雨がなかなか止まないし山稜部は濃霧だ。なので、本日の予定(三国山登山)をあっさりと変更して、ドライブ観光に切り替える。
 きょうの宿泊地の猿ヶ京温泉を通り過ぎ、そのまま「国境の長いトンネル(三国トンネル)」を抜けて、新潟県側へ入る。そして(スキーの思い出の)懐かしの苗場(なえば)や三俣(みつまた)などを通り過ぎ、越後湯沢も通り過ぎて、左折して国道353号線へ進み、清津峡渓谷*)をまったりと観光する。昼食は車内で菓子パンを齧った。
 それからもあちこちとドライブして、猿ヶ京温泉を再び通り過ぎて群馬県みなかみ町の「たくみの里」なども観光した。山腹や沿道の、ヤマフジの薄紫色の花穂が印象的な、時間がゆっくりと流れた一日だった。

* 清津峡渓谷: 地籍は新潟県十日町市小出癸。黒部峡谷、大杉谷とともに日本三大峡谷の一つに数えられているそうだ。柱状節理の大岩壁には迫力がある。
 観光用の清津峡渓谷トンネル(全長750m)は、芸術的に演出された神秘的なムードがなかなかで、けっこうよかった。私は全く知らなかったけれど…、1996年にできたものであるらしく、近年では“インスタ映えの聖地”としても有名、なんだそうだ。入坑料の大人@800円は、まぁ致し方のないところかもしれない。繁忙期には事前予約制となるらしく、要注意だ。


温泉マーク 猿ヶ京温泉「旅籠しんでん」: 山の中腹に建つ閑静な温泉旅館。サービスも設備も料理もロケーションも必要かつ十分。時間制で男女入れ替えの二つの風呂(ともに露天あり)もとても良かった。加温の源泉掛け流し(半循環?)、だったと思う。泉質はカルシウム・ナトリウム−硫酸塩・塩化物温泉、無色透明無味無臭。朝食におにぎりが選べるなど、私達のようなアウトドア派にとっては有り難い旅館だ。1泊2食付き一人9,900円(税込み)は割安に感じた。
 外部サイトへリンク 「旅籠しんでん」のホームページ

 佐知子の歌日記より
 走りゆく十七号線なつかしや苗場湯沢はスキーの道よ

登山当日(5月17日・曇り):三国山登山
 今日も朝から雨がしとしと降っている。…しかし当地の天気予報によると、昼頃には回復に向かうらしい。で、早朝夫婦会議の結果、距離の長い(時間のかかる)稲包山登山を断念して、比較的に簡単そうな(コースタイムの短い)三国山登山にしよう、ということになった。…なので、朝風呂にまったりと浸かったり、朝食をゆっくりと食べてから(スタートをわざと遅らせて)猿ヶ京温泉の宿を出た。
 猿ヶ京温泉から15分足らずの運転で、三国トンネル手前の駐車スペースに車を停めたのは9時10分頃だった。上越橋を渡ったトンネル入口の右手が三国峠への登山口(つまり稲包山や三国山への登山口)になっているのだ。左側にはもう一つの入口…開通予定を来春に控えた…新三国トンネルの入口がぽかんと口を開けている。そちらは未だ工事中で、手前の空き地には関係の車両が数台止まっている。…昨日のドライブ観光がてらに下調べをしておいたので、歩き出しは極めてスムーズだ。おまけに、もう雨は止んでいる。
 登山口には「中部北陸自然歩道入口・上州路三国峠のみち:環境省・群馬県」と書かれた立派な(でも朽ちかけた)標柱があって、瀬音を聞きながら、トラバース気味に高度を上げる。何処も彼処も眩いばかりの新緑だ。
 辺りはブナ・ミズナラ・ネマガリダケの典型的な(東北・中部の)林相だ。ハウチワカエデやリョウブの若葉も美しいし、咲き始めのオオカメノキの白い装飾花も美しい。足元には薄紫のスミレ類や黄色のキジムシロ(の仲間?)なども咲き乱れ、雨上がりの山道は情緒たっぷりだ。あちこちでウグイスが盛んに囀ったり谷渡りをしたり、している。そして…、ブナの若葉にもふもふの赤い毛玉(虫こぶ)がついているのを発見したり、タムシバの豪華な白花を鼻に近づけて上品な香りにうっとりとしたり…、自然を充分に楽しんだ。久しぶりの山歩きの感動に、もうずっと心が浮きっぱなしで目がウルウルしている。
 登山口から50分近くも登ると開けた小広場に出るが、ここが由緒ある三国峠だ。まず、バックに三国山を配した御坂三社神社(三国権現)に参拝してから、近くのベンチで大休止。傍らに咲いていたショウジョウバカマの写真を撮ったり、「三国峠を超えた人々」と題された石碑を読んだりして時間を過ごした。…古くは、坂上田村麻呂や弘法大師がこの地を訪れているようだ。与謝野晶子や川端康成などの多くの文人たちも三国峠を歩いている。
 三国峠から三国山の山頂までの標高差は約320mで、ひねたダケカンバやアズマシャクナゲなどの潅木とササ原の急勾配だけれど、木段が整備されているから(ゆっくりと歩けば)安心で楽ちんだ。霧が晴れてきたので、所々で振り返ると近くの苗場山や稲包山はもちろんのこと、赤城山、榛名山、子持山、浅間山などの上信越の山々の大展望が広がる。ネマガリダケの笹原の縁の草原にはオオバキスミレ、エチゴキジムシロ、イワナシ、ヒメイチゲなどの花が可憐に咲いている。ツバメオモトの新葉も美しい緑だ。この辺りでは、夏季にはニッコウキスゲの群落も楽しめるらしい。
 二等三角点(点名:三国嶺)1636mの標石と「幸福の鐘」のあるこじんまりとした三国山の山頂からも、大きく開けた南面の山岳風景を楽しむことができた。北側の谷川連峰方面の景色は木々の隙間から垣間見ることができるけれど、そちらは雲が覆っているようだ。宿で作ってもらったおにぎりを食べたり、幸福の鐘を突き鳴らしたりして、ここでも大休止。そう、この日の「時間」はたっぷりとあるのだ。
 もう少し北へ進むと谷川連峰がもっと良く見えるかも、と思って、山頂直下の分岐を右折して、ワラジカケマツノ頭1620mまで歩いてみた。山頂標識は無かったけれど、そのピークと思しき辺りでじぃ〜っと待っていると、一瞬霧が晴れて、雪を張り付けた平標山1984mと仙ノ倉山2026mやその手前の大源太山1764mなどが見えてきた。「やっぱり谷川岳はかっこいいねぇ」 などと言い合って、至極ご満悦な私達夫婦だった。しかしカメラを向けると、あれよあれよという間に再び霧に閉ざされて、それからはいくら待ってもその(雪を張り付けた谷川連峰の)姿を見ることはできなかった。
 ゆっくりと登ってゆっくりと下って、上越橋の駐車スペースに戻ったのは14時30分頃だった。さてこれからは、名湯・法師温泉が私達を待っている。とうとう誰にも出会うことのなかった今回の三国山登山は、猿ヶ京温泉に前泊して法師温泉に後泊するという、極上の温泉ハイキングでもあった。

* 中部北陸自然歩道とは、環境省関連のサイトによると 『新潟県山北町から滋賀県大津市までの雄大な山岳景観や日本海景観など多様性に富んだ歩道で…平成7年度から整備を始め、平成13年春に完成…中部北陸8県(新潟、群馬、富山、石川、福井、長野、岐阜、滋賀)にまたがる旧街道(北国街道、三国街道、中山道)をメインルートとした延長4,091kmの自然歩道』 とのことです。私達が歩いたのはこのうちの上越橋から三国峠までのごく短い区間です。
 なお、谷川連峰の主脈縦走路の一部でもある三国峠から三国山〜平標山、及び稲包山方面への県境の道は上信越自然歩道と呼ばれています。そしてこの道は最近注目を浴びているぐんま県境稜線トレイルの「三国・四万エリア」の一部でもあります。って、ちょっとややこしいなぁ…。


法師温泉「長寿館」: 三国峠に近い標高約800mの山間に位置する一軒宿。日本秘湯を守る会に所属。かつて(昭和56年頃)、旧国鉄時代のフルムーンCMの舞台になり、俳優の上原謙さん(加山雄三さんのお父さん)と高峰三枝子さんの入浴シーンで一躍有名になった温泉だ。じつは、私達夫婦はそのころ、勿論その宣伝の影響もあって、両親と一緒に(親孝行も兼ねて)旅の一晩を過ごした思い出がある。温泉といえば熱海とか草津くらいしか知らなかったそのころの私にとって、この法師温泉のシブい(ひなびた)感じは鮮烈な感動だった。
 とはいえもう40年も昔の話だ。ほとんど忘れてしまっているけれど、その佇まいは何となく記憶に残っていて、それは…嬉しいことに…昔のままだった。洗練されたサービスも食事も適切で適量。シックな和室もとても良い。足元に敷き詰められた玉石から自然湧出する無色透明の湯はもちろん最高。泉質はカルシウム・ナトリウム−硫酸塩泉、源泉掛け流し。またいつか、機会とお金があったら行ってみたい、と思う温泉宿の一つ。1泊2食付き一人約20,000円は、まぁ、微妙なコスパだ。
 外部サイトへリンク 「長寿館」のホームページ

 佐知子の歌日記より
 新緑のまばゆいばかりの樹樹を愛で君とゆっくり三国の山へ
 あと少し雲よ上がれと願えども谷川の嶺に声は届かず
 木の枠が枕となれる浴槽の湯が溢れでる法師温泉

赤城山の鍋割山 この翌日の帰路に立ち寄りました。



バックは稲包山方面
木段をひたすら登る(三国山の登りにて)

タマバエの幼虫が中にいます
ブナの新葉にもふもふの赤い玉
ブナハアカゲタマフシ(虫こぶの一種)
猩々袴:メランチウム科の多年草
ショウジョウバカマ
白い雄花は(ミヤマ?)カンスゲ

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