佐知子の歌日記・第十六集
佐知子の歌日記・第四十集
令和4年7月〜9月
小雨降り展望きかぬ大菩薩 なぐさめに食う馬刺し・ほうとう
ゆるやかな一本道の礼文岳 夫の植物講義始まる
スコトンの海の彼方はサハリンか ゆらりゆらりとロシアの影に
ブロッケン初めて見たとポーズとる友らのスマホの電池あやうし
雲海に輝く太陽あらわれて おもわず拝む心底拝む
美容院変えてみたけど鏡にはショートヘアーのいつものわたし
地図アプリ使いこなせず苛立ちの人差し指がささくれている
五箇山の合掌造りの集落は昔話しの絵本のような
人形山四回転んだ下山時にどうしたんだと我足に問う
 大菩薩嶺登山 (7.3)
小雨降り展望きかぬ大菩薩 なぐさめに食う馬刺し・ほうとう

ワクチンの熱や痛みは二日後に薄れて元の偉丈(婦)になる (7.11)

われもまた眼科に通うこの十年 盲
(めしい)の父の声蘇る (7.15)

 
礼文島への山旅 (7.19〜23)
大ジョッキ飲み干し夫は比べてる「サッポロ園」と「ライオン」の味
六時間 街や原野を走り抜けバスはようやく稚内に着く
円形の裾を広げて利尻山 これすなわち利尻島なのだ
赤や黄の花の間に白く咲くふわり綿毛のレブンウスユキソウ
ゆるやかな一本道の礼文岳 夫の植物講義始まる
スコトンの海の彼方はサハリンか ゆらりゆらりとロシアの影に

 
爺ヶ岳と鹿島槍ヶ岳 (8.3〜6)
駅前の「ゲストハウス」とう宿に着く山の友らと夕食ののち
雨降りにすばやく合羽を身につけて しかたないねと空を見上げる
青空にウサギギグの黄すくと立ち主役のごとく斜面を飾る
鹿島槍を頭痛とともに登りたりバファリン飲んでゆっくり歩く
雲海に輝く太陽あらわれて おもわず拝む心底拝む
ブロッケン初めて見たとポーズとる友らのスマホの電池あやうし
 ブロッケン初めて見たと写真撮る友らのスマホ電池あやうし
山旅の〆はもちろん温泉だ三泊四日の汗を拭いて
爺ヶ岳の南峰でブロッケン現象を見る

美容院変えてみたけど鏡にはショートヘアーのいつものわたし (8.14)

地図アプリ使いこなせず苛立ちの人差し指がささくれている (8.17)

五センチの鉛筆にキャップつけて書くわが歌せめてきらと輝け (8.21)

 
人形山登山 (8.28〜31)
ナビのわれ左折を見落とし沈黙の飛騨路は雲におおわれにけり
五箇山の合掌造りの集落は昔話しの絵本のような
人形山四回転んだ下山時にどうしたんだと我足に問う
南砺市のクーポン券は八千円 まずは酒をと我が家流なり
白川郷三階建ての二階にはお蚕さまの住む合掌の家
夕食に鮎の刺身をいただきぬ澄んだ目をした光る皮目
(かわめ)
屋根やドアを叩きつけたる大雨に前が見えない東名高速
人形山の山稜

身長の減少のわけ合点す「背中がまるくなったね」と言われ (9.6)

白い身に頭は赤いベレー帽 小さき金魚我が家に来たり (9.7)

中秋の名月夫と見上げたり 美しと頷きあいながら (9.10)

 
金時山登山 (9.13)
全身の富士は見えねど金時山 十人が啜る熱い味噌汁

呑川
(のみがわ)を静かに照らす居待月 やわらかな黄を夫と眺める (9.13)

八丈の島にて貰いし球根のフリージアを五十個植える (9.26)


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