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礼文島への山旅日記・その1
No.437 桃岩展望台コース(ツバメ山)
令和4年(2022年)7月21日 概ね良い天気

礼文島の略図
礼文島の略図
赤レンガ造りのビール園
サッポロビール園
なだらかな花の草原
桃岩登山口から歩き始める

バック(右)が桃岩
桃岩展望台

礼文薄雪草:キク科ウスユキソウ属の多年草。別名、エゾウスユキソウ
レブンウスユキソウ

前方にツバメ山
キンバイの谷を進む

ここも展望抜群!
ツバメ山に到着!

ツバメ山方面から撮影
元地灯台を望む

知床バス停へ向かう
利尻島を見ながら下山

嘴の先に赤の色があるのでウミネコかも
知床のカモメ(ウミネコ)


花と展望の凝縮コース!

第1日目(7月19日): 成田空港09:30-《LCC》-11:20新千歳…札幌
第2日目(7月20日): 札幌07:40-《高速バス》-13:30稚内フェリーターミナル14:50-《フェリー》-16:45香深港
第3日目(7月21日): 香深-《宿の車》-桃岩展望台登山口〜桃岩展望台〜キンバイの谷〜ツバメ山233m〜元地灯台〜知床-《バス8分》-フェリーターミナル-《バス21分》-内路〜礼文岳490m〜内路-《バス》-フェリーターミナル・ペンションう〜に〜 【歩行時間: 桃岩展望台コース=約2時間 礼文岳登山=約4時間】
第4日目(7月22日): 岬めぐりコースをトレッキング…香深
第5日目(7月23日): 香深港…稚内港…札幌…成田空港…

 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページ(桃岩)へ


 コロナの第7波が席巻し始めているけれど、北海道・礼文島への4泊5日の山旅を予定通り決行した。5日間とは云うけれど、そのうちの3日間はいわゆる移動日で、礼文島の山歩き(トレッキング)を満喫したのは正味2日間だ。…それほど、本州の中央部に暮らす私達夫婦にとって、礼文島は遠い島なのだ。

●第1日目(7/19曇) 東京〜札幌
 成田空港から午前9時30分発のLCC(ピーチ)に乗る。搭乗率は70%といったところか。みんなマスクをして静かだ。
 ウトウトしていたら定刻の11時20分頃、新千歳空港に到着。それからJR快速エアポートで約40分、大勢の人が行き交う札幌駅の改札を出て、コインロッカーにザックを預ける。佐知子も私も…右を見たり左を見たり…おろおろしながら、経験値の少ない札幌見物だ。
 まず、札幌駅の北口から路線バス(アリオ線)に乗って約7分、サッポロビール園へ行く。ここ半世紀の間、行きたいと思っていてとうとう今まで行き損なっていた、あのビール園だ。勿論たっぷりと飲んで、ジンギスカン料理もたらふく食べた。旅の始まりに、いきなりの甘露甘露で酩酊して、このあとに見学したのは市内の時計塔だけだった、というのがちょっと情けない。
 札幌大通公園を散歩して、「さっぽろテレビ塔」下のビアガーデンで(また)ビールを飲んで食事して、この日は「ザ・ロイヤルパーク・キャンバス・札幌大通公園」にチェックイン。北海道産木材を使った木造ビルの…ちょっとかっこいい…シティホテルだ。でも部屋にはテレビがなくて…(懐かしの)レコードに針を落として…オリジナルウッドスピーカーから流れるジャズを聴くだけの…もしかしてやりすぎ?…と思えるほどの、異様に(コンセプトの強い)静かな空間だった。まぁ、私は嫌いではないけれど…。

●第2日目(7/20晴) 札幌〜礼文島
 コンビニで買ってきておいた菓子パンで朝食を済ませ、ホテルをチェックアウト。目の前の札幌大通公園を(再び)散歩して時間調整して、近くの大通バスセンターから7時40分発の高速バス「わっかない号」に乗る。
 6時間近いこのバスの移動(途中2回ほどサービスエリアなどでの休憩あり)は、高級感のあるゆったりとした座席で快適で、サロベツ原野などの車窓からの眺めも良い。14年前に利尻島へ行ったときは札幌から稚内までJR特急電車を利用したのだが、コスパを鑑みて、今回は高速バスを利用した。…何れにしても、(札幌から)稚内はとても遠くて長く感ずる。…東京(羽田空港)から稚内空港まで飛行機で行けばいいじゃん、という声が聞こえてきそうだが、そう、それはエクスペンシブすぎる…、年金暮らしの私達夫婦にとっては…。
 高速バスが稚内フェリーターミナルに着いたのは13時30分。14時50分発のフェリーを待つ間、待合室の食堂で、佐知子はチャーシューメン、私は缶ビールとザンギ。ザンギとは、私もこのとき初めて知ったのだが、味付けのしっかりとした鶏の唐揚げのことで、北海道ではそう呼ぶらしい。なんか…ネーミングが違っただけでもエキゾチックな感じがするから、それが不思議だ。
 フェリーの行く手には金字塔(利尻山=利尻島)がかっこよく海に浮かび、その右手には目指す平べったい礼文島が、太陽を背に薄墨色にぼやけて見えている。長袖のシャツを着込んでデッキに出て、徐々に近づいてくるそれらの景色を、ずぅ〜っと眺めていた。
 礼文島の南東岸に位置する香深(かふか)港に着岸したのは定時の16時45分頃。目印の旗をもった「ペンションう〜に〜」の若主人が、笑顔で出迎えてくれた。

* 朝な夕な、山の中腹に位置する「ペンションう〜に〜」の周囲を散歩した。近くの低い山並み(桃岩方面)や南の海上に浮かぶ利尻富士の景色など、飽きない。オオイタドリがあちこちで繁茂していたが、14年前に訪れたことのある利尻島(→No.242「利尻山」)を思い出して懐かしかった。
 私的には、この地が香深(かふか)村というのが村上春樹の小説「海辺のカフカ」と重なって、なんか可笑しかった。

●第3日目(7/21晴) まず、桃岩展望台コース
 「ペンションう〜に〜」の7時からの朝食後、とても親切な若主人の運転で、桃岩展望台登山口の駐車場(バス停)まで送ってもらう。地元の(トレッキングに関する)パンフレットなどによると、このコースは“礼文島の「すべて」が詰まったおすすめのコース”とのことで、まずはここを歩いてみたかったのだ。
 7時40分、登山口からなだらかな草原状のスロープ(遊歩道)を登り始める。と、タカネナデシコ(エゾカワラナデシコの高山型?)があちこちで咲いている。ショッキングピンクの美しくて可憐でしかも絢爛な花だ。あとから思うとこの花は、次の日に歩いた岬めぐりコースでもたくさん見ることのできた、今回山行の主役級の花ともいえる存在だ。その他にもエゾイブキトラノオ、シオガマギク、チシマアザミ、セリ科の花(シラネニンジン、エゾノシシウド、シャク、エゾニュウ、オオハナウド、など)、キンミズヒキ、ミソガワソウ、キタノコギリソウ、ヤマブキショウマ、クサフジ(もしかしてチシマゲンゲかレブンソウだったかも)、ツリガネニンジン、(エゾ?)オトギリソウ、チシマフウロ、シロヨモギ…など、咲いている花は多彩だ。本州では2500m級でないと見ることのできないような高山植物が多く交ざり、明るくてなだらかな山並みを背景に、次から次へと咲いているのが…ふぅ〜、スゴい!
 登山口から20分足らずで桃岩展望台に着いて、美しい海岸線や利尻島の景色にもため息だ。この感動がこの先、キンバイの谷〜ツバメ山233m〜元地灯台を経由して島の南端(知床)に下山するまで続く。お目当てのひとつでもあるレブンウスユキソウもたっぷりと観察することができた。「花と絶景のゴールデンコース」と云われる由縁にガッテンだ。こぼれる笑みをお互いに意識して、私達夫婦は仕合わせの絶頂だ。天空にはアマツバメが舞っている。
 小さな漁港のある知床のバス停に着いたのは9時40分頃で、10時26分発のバスを待つ間、民家の屋根の上に止まっているカモメ(ウミネコかな)や近くの海岸に咲いているハマナスの写真を撮ったり、して過ごした。
 さてこれからは、香深港のフェリーターミナルへ行ってバスを乗り換えて、礼文岳登山だ。…まだまだ体力的に余裕があるので、身体も心もウキウキしている。

  佐知子の歌日記より
 大ジョッキ飲み干し夫は比べてる「サッポロ園」と「ライオン」の味
 六時間 街や原野を走り抜けバスはようやく稚内に着く
 円形の裾を広げて利尻山これすなわち利尻島なのだ
 赤や黄の花の間に白く咲くふわり綿毛のレブンウスユキソウ


次項「礼文岳」へ続く



金字塔がかっこよく海に浮かぶ
フェリーのデッキから利尻島(=利尻山)を望む

2枚の写真をパノラマ合成
桃岩展望台から桃岩(右側)を望む

キンバイの谷〜ツバメ山で撮影
桃岩とオオハナウド(?)

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