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No.83 恵那山(えなさん・2191m)
平成11年(1999年)4月17日〜18日 第1日目:曇り第2日目:朝は雪第2日:雪が小雨に変わる


雪原の山頂避難小屋で一夜を明かす

第1日=JR中央本線中津川駅-《タクシー40分》-黒井沢登山口〜野熊ノ池〜山頂避難小屋〜恵那山〜山頂避難小屋 第2日=山頂避難小屋〜大判山1696m〜鳥越峠〜神坂峠-《タクシー》-クアリゾート湯舟沢(入浴)-《タクシー》-中津川駅
 【歩行時間: 第1日=4時間50分 第2日=4時間】
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ


大川入山〜鯉子山〜焼山方面
登路から南面を振り返る

雪原の山頂
恵那山の山頂部

恵那神社奥宮の小祠
恵那山山頂の小祠

雪がぱらついてきた
山頂避難小屋

クマザサの多い山だった。
下山路にて
 第1日目(4/17): 自宅を出たのは午前5時頃。快晴。暖かい。新横浜6時16分発の新幹線「のぞみ1号」は1時間22分で名古屋に着いた。中央本線に乗換え中津川駅で下車、タクシーで川上(かおれ)を経由して黒井沢林道へ入る。途中、タクシーの運転手さんから「あれが恵那山だよ」と教えてもらった。チラッと見えた。これが最初で最後の恵那山全景の眺望になろうとは、その時は思いもしなかった。何時の間にか曇っていた。
 黒井沢の登山口から歩き始めたのは午前9時50分。暫く歩くと右手に南アルプスが見えてきた。ザックがやけに重い。早くも残雪が目立ち始めた登山道をゆっくりと歩く。ログハウス調の野熊ノ池避難小屋入口のベンチで静かな昼食。名古屋駅で買ってきた「味噌カツ弁当」を食べる。甘くて美味しいが、変な味だった。
 標高1800メートル地点付近で6本爪の軽アイゼンを着けた。これで少しは歩きやすくなった。すれ違った十数名ほどのパーティーの最後尾の男性に 「お泊まりですか? 今日は貸切りですよ」 と声をかけられた。あとで分かったことだが、その男性こそがインターネットで恵那山のホームペーシ゜を開いている足立尚哉氏だった。今回の山行について多くの情報を提供してくれたこのホームページに、下山後、不慣れなパソコンを操作して感謝のEメールを送ってみたのだが、その返事が同氏より届いており、それで分かったのだ。何という偶然だろうか。今回この山で出合った登山者はこのパーティーを含め4組だけだった。(2日目の下山道ではとうとう誰にも出合わなかった。)
 山頂避難小屋から恵那山頂往復約25分。積雪約1メートル。一面の雪世界だが踏跡はしっかりしている。細長くなだらかな山頂部からは、薄っすらとではあるけれど、中央アルプスや南アルプスなどが木々の間からよく見えている。特に御嶽山の白く輝く雄大な山容が素晴らしい。恵那神社奥宮の小祠(お宮)が幾つかあるようだが、そのほとんどは雪に埋もれている。一等三角点の標石も雪の下だ。
 山頂部付近にあるはずの水場も、雪に覆われていたせいか、随分捜したけれど見つからない。諦めて、雪を溶かして水を作った。山頂避難小屋は小ざっぱりとした造りで不満はなかったが、薪ストーブが壊れていた。夕飯はカレーライス。サバイバルの様相を呈してきた。ランタン代わりにザックに入れておいた蝋燭が大変役に立った。
 夜中、寒さと風の音と夢で何回も目が覚めた。佐知子も起きてきた。懐中電灯を点けて見回すと、誰が置いていったのか屋根裏にシュラフが二組あるのを発見。これには本当に救われた。持参したショラフと重ねたら、もう、熱いくらいだった。それからは朝までぐっすり、少し寝過ごしてしまった。

 第2日目(4/18): 午前6時35分、小屋を出る。雪が降っていた。幾つかのピークを登り下りしているうちに、途中から雨に変わった。霧が晴れた瞬間を見計らって振り返ってみた。平坦な山頂部は雲で覆われていたけれど、恵那山は圧倒的な容量で横たわっていた。年間降水量が多いのでナギ(崩壊地)の多い山であるらしい。
 大判山から鳥越峠を経由して、11時20分、標高1585mの神坂(みさか)峠に下山する。ここは信濃と美濃の国境で、古代・中世には東山道最大の難所として有名だったそうだ。間もなくして予約のタクシーが迎えにきてくれた。中津川への帰路、アルカリ性の温泉「クアリゾート湯舟沢」に立ち寄り、山の汗を流した。
 伝説の山、恵那山…。クマザサの多い山だった。

クアリゾート湯舟沢: 平成7年2月にオープンした中津川市の総合ヘルシーリゾート。立派な施設だ。泉質は重曹泉。はっきりとアルカリ性だと分かるなめらかな湯だった。
  「クアリゾート湯舟沢」のHP

* この後の平成13年秋に、私達が歩いた「黒井沢ルート」と「神坂峠ルート」の他にも「広河原ルート」や「前宮(まえのみや)ルート」がオープン・復活したとのことで、恵那山登山道の選択肢が広がったようです。詳細については「恵那山のホームページ」等にてご確認ください。[後日追記]
* 足立尚哉さんの「恵那山のホームページ・@恵那山」は…閉鎖されたようです。恵那山に関する情報が満載の、充実した素晴らしいHPだと思っていたのですが、とても残念です。
 個人管理の(商業コマーシャルを排した)魅力あるホームページが次々と消えている…ネット検索に引っかからなくなってきている…昨今です。ウェブ(Web)の世界は…、はたして進歩しているのか後退しているのか…。
[後日追記・H29年6月現在]



2枚の写真を繋いで(合成して)みました!
富士見台方面へ下山!
大判山〜神坂峠へ向かって下山開始!

山頂部が雲で覆われた恵那山
振り返って眺めた恵那山(奥の大きな山)

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