No.85 九重山(中岳1791m〜大船山1786m) 平成11年(1999年)5月2日〜3日 |
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【歩行時間: 5月2日=4時間45分 5月3日=5時間20分】 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ 5月2日(快晴): 牧ノ戸峠の登山口まではホテルの車で送ってもらった。峠は駐車する車と登山者とでごった返していた。登山口の女子トイレには長い列ができていたし、久住山までの登山道は人並みの途切れることはなかった。とにかく、まず、人の多さに驚いた。登山開始は午前8時45分だった。
岩だらけの久住山の頂上で、大展望を楽しみながら食べたホテルの弁当は旨かった。南西の方向に、釈迦の涅槃像に見えるという阿蘇山(阿蘇五岳)が長々と横たわっている。横顔が根子岳、胸のあたりが昨日登った高岳で腹は中岳、足の部分は烏帽子岳と杵島岳かな。左側に目を転じると、祖母山や傾山の山並もはっきりと見えている。そして、何といっても北面眼前のこの九重連山が面白い。鐘状火山の集まりということだが、それぞれの山に個性があり、あちこちに峠や窪地もあったりで、とても変化に富んでいる。これから進む方向、東北東の方向、直線距離にして1キロメートルにも満たない処に、中岳が、吊り尾根状の双耳峰(天狗)を従えて壁のように立っている。この中岳1971mが九州本土の最高峰として認められたのは割と最近のことらしい。 中岳山頂を往復して白口岳へ向かう頃から、人影はめっきり少なくなった。明日登山予定の大船山(たいせんざん)が大きく見えてきた。鉾立峠への急な下り、右膝の痛みが少し気になってきた。ゆっくりと歩いて(まぁ、何時もゆっくりだが…)、法華院温泉山荘に着いたのは午後3時55分。とりあえずレンズ付きフィルムを購入。ここで飲んだ生ビールがまた旨かった。
大船山で眺望を楽しんだ後、南東へ向かって下山開始したのが9時45分。標高差で約千メートルも下ったあたりから道はアスファルトになった。しかし静かな道だった。路上に牛糞が沢山落ちている。辺りは放牧場で、何頭かの茶色い牛が牧草を食べている。こんな景色を「のどかな風景」というに違いない。 里に着いてからが案外大変だった。岳麓寺(がくろくじ)だったか七里田温泉の辺りだったか、地元のオバチャンに千人塚のバス停を尋ねたら、「南へ下って約20分」と教えてくれたのだが、実際は約1時間かかってしまった。バス停の正式な名称も「都野」だった。おまけに、2時間ほど待たなければ次のバスは来ないという。膝は痛いし…、もう本当に疲れてしまった。 バス停前の商店の親切なオカミさんに頼んでタクシーを呼んでもらった。1時間ほどしてタクシーが来た。タクシー料金4千円を支払って、竹田市内の今日の宿「竹田茶寮」に着いたのは午後4時半頃。市内散歩のついでにまず買い求めたのはカメラの電池だった。 明日は祖母山だが…、何時の間にか上空には厚い雲がかかっている…。
星生温泉「九重星生ホテル」: 九重九湯の一つに数えられる長者原(ちょうじゃばる)温泉郷の一角、九重山の北西麓に位置する。ロケーションは最高。部屋の南側の窓から指山(ゆびやま・1449m)、三俣山(みまたやま・1745m)、星生山(ほっしょうざん・1762m)などの九重連山西側の山々が至近距離で一望できる。風呂もなかなか。内湯も露天風呂も広く、湯量も豊富だ。無味無臭透明だったが、詳しい成分については何処にも表示がなく、不明だ。 * その後、平成13年10月に、九重星生ホテルの敷地内に日帰り温泉施設の温泉館「山恵の湯」がオープンしたらしい。なんでも、4種類の泉質(冷泉、単純泉、硫黄泉、酸性緑礬泉)の温泉を16の湯船で楽しめるということだ。[後日追記] 「九重星生ホテル」のHP 法華院温泉山荘: 歩かなけりゃ行けない温泉。最上質のロケーション。どっしりとした三俣山や三角形の平治岳(ひじだけ)、大きな大船山などにひっそりと囲まれた美しい湿原に位置する。 坊ガツルのキャンプ場などからの客も混じり、夕方の風呂場は芋洗い状態だったが、夕食後、再び風呂へ入ったら割と空いていた。とにかく、こんな山の中で温泉に入れるというだけで大満足だ。個室からの景色も格別。食事などの気配りといい、山小屋としてはこれ以上は望めないのではないかと思えるほどの質の高さだった。カルシウム・マグネシウム・ナトリウム・硫酸塩泉、泉温(源泉)43.2度。源泉かけ流し(気温の低い期間は加温)。 関東甲信越地方にも、こういう「経営努力」と「良心」を兼ね備えた山小屋が増えるといいな…。 「法華院温泉山荘」のHP 竹田茶寮: 次項 祖母山 を参照してください。
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