登山開始!
明るいブナ林
沖武尊山の山頂
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武尊神社(湯前薬師堂)
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麓のブナ林が素晴らしい
《マイカー利用》 関越自動車道・沼田I.C-《車》-武尊牧場スキー場〜三合平〜武尊避難小屋〜セビオス岳1870m〜中ノ岳2144m(南面)〜武尊山(沖武尊2158m)・[三合平まで往復]-《リフト》-武尊牧場スキー場…川場温泉(泊)… 【歩行時間:
6時間40分】
→ 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ
武尊牧場スキー場のリフトが動き出すのは午前8時30分からとのことで、1時間以上も入口の駐車場でポケーッと待つのも何なので、やむなく歩き始めることにした。放牧されている牛などを眺めながら、アスファルトの急坂を登ること1時間10分、三合平通過は午前8時20分だった。これが結構きついアルバイトとなり、予想以上に疲れる結果となった。
武尊牧場のレンゲツツジの花期はとっくに終わっていたが、正面の武尊連山の眺めや、草原の花や緑は目に心地良かった。下向きに咲く赤い筒状の大きな花や、アザミに似た花や、ガマの穂を小さくして薄緑にしたようなきれいな草本類が惜しげもなく広がっている。ブナ林の入り口にはガクアジサイのような花(ノリウツギ?ヤマアジサイ?)も咲いていた。勉強不足で花の名前がほとんど分からないのが悔しい。
この明るいブナ林がまた見事で、森林浴だけの目的でも何時かまた訪れてみたいと思うほどだった。大きな補虫網を持った三十歳代と思われるオタクの男性や、樹木に止まっている虫みたいなものを接写しているカメラ小僧のオジサンと出合った。この人たちは私達が帰るときも同じ場所で同じようなことをしていた。何が面白いのかよく分からないが、一日中いても飽きない静かで素晴らしい森だということはよく分かる。
三角屋根の武尊避難小屋を過ぎて暫く歩いた処、標識等がなくてはっきりとはしないが、多分セビオス岳の頂上付近だったと思う。(オオ?)シラビソとダケカンバとナナカマドが同じ株から生えている不思議な木の根元で中休止。水筒の水をガブ飲みした。ひんやりとした大気が気持ち良い。それにしても、所々ぬかるんだ道は歩きにくいことおびただしい。
何時しか背の低い灌木帯になり、前武尊から沖武尊にかけての山々が近くに見えてくる。岩壁状でゴロ石の多い急斜面を登りきると、中ノ岳南肩からイイ感じの稜線へ出る。この辺りにはハクサンシャクナゲが咲いていた。
稜線(中ノ岳の巻き道)を5分ほども歩いた処に、チョロチョロ流れる水場(笹清水)があり、水不足が一挙に解消できたのは嬉しかった。ガイドブックを丁寧に読まなかったせいで、この水場の存在を知らなかったのだ。
尾根道沿いの長細い小さな池(三ツ池)を通り、中嶽武尊大神(日本武尊のことらしい)の等身大の銅像の脇を抜け、一等三角点のある沖武尊山頂に着いたのは12時40分だった。「御嶽山大神」と彫られてある石碑が建っている。この山は木曽の御嶽修験道とも深い関係があるようだ。薄霞のため遠望は利かなかったが、近くの山々はよく見えた。北の方向から時計回りに至仏山、燧ヶ岳、日光白根山、皇海山、と明日登山予定の赤城山。間近の南南東には稜線上に中ノ岳や前武尊、南西には剣ヶ峰などの武尊連峰の山々。西から北西にかけて谷川連峰や巻機山等、百名山のオンパレードだ。山頂の人影は案外まばらで、トンボ(避暑に来ているアキアカネかな?)がたくさん飛んでいた。
帰路は往路を戻り、三合平のリフト乗場に着いたのは午後4時13分。4時半までのリフトに何とか間に合った。雲が少し多くなってきたようだ。(前方の)草原の彼方に日光白根山がぼんやりと見えていた。
* コースについて補足: 武尊山(沖武尊)への登山コースは、手小屋沢コース、裏見ノ滝コース、田代コース、奥武尊コース、花咲コース、川場コース、高手新道コースなど四方八方から整備されています。軟弱な私達夫婦が選んだのは、その中でも最も楽と思える武尊牧場からの往復(奥武尊コース)だったのですが、それでも丸一日を費やしてしまいました。私達の足の遅さを弁解する気はありませんが、この山の凡その深さが分かってもらえると思います。他のコースを歩いていないので断言はできませんが、奥武尊コースの魅力は、本項でも書いているように、麓のブナ林の素晴らしさだと思います。
川場温泉「都旅館」: 上州武尊山南麓の山里、田圃の中に建つ一軒宿の温泉。表玄関前にある武尊神社の建物(湯前薬師堂)は古くて小さいが立派なものだ。単純泉、泉温40〜42度。脚気に効くそうな。
夜、宿の主人が、小型バスでホタル狩りへ連れていってくれた。久しぶりに見たホタル。ふと、千葉の私の田舎を思い出していた。こういうのって、最高のサービスだと思う。
明日は赤城山(黒檜山)だ。
* 非常に残念なことですが、「都旅館」はこの後(H16年10月)に廃業したそうです。その源泉などは、H22年3月にオープンした「かやぶきの源泉湯宿・悠湯里庵」に引き継がれているようです。[後日追記]
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