遠くから過去を眺める山…
《マイカー利用》 …武尊山登山…川場温泉(泊)-《車1時間強》-北面道路…黒檜山登山口〜黒檜山1828m〜黒檜大神の石碑〜大タルミ〜駒ヶ岳1689m〜駒ヶ岳登山口〜大洞〜覚満淵〜黒檜山登山口… 【歩行時間:
4時間】
→ 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ
大沼(おの)湖畔の北東、標高約1360mに位置する黒檜山登山口近くの駐車場に車を止め、歩き出したのは午前9時25分頃だった。
樹林の急坂を登り、猫岩の辺りから枝尾根を進むようになる。右手を振り返ると火口湖の大沼や中央火口丘の地蔵岳1674mなどが望める。笹(ミヤコザサ)の多い主稜線へ出ると、あとは穏やかな尾根歩き。三叉路を左折して赤城山の最高峰・黒檜山(くろびさん・1828m)の山頂を往復する。運悪く、この頃からガスが出てきて、殆ど「何も見えない」状態になってきた。
低木に囲まれた山頂を早々に引き返し、駒ヶ岳1689mへ向かって快適な尾根歩き。この外輪山の尾根道のあちこちで、ウスユキソウの咲いているのを見ることができた。予想もしていなかっただけに余計嬉しかった。
駒ヶ岳山頂での大休止後、12時50分、下山開始。約40分間の短い下りで大沼南岸・大洞(だいどう)の車道へ出た。急勾配には鉄の階段などがついていたので楽だった。
人影の多い大沼湖畔やプチ尾瀬といわれているらしい覚満淵への散歩がてら、地蔵岳ロープウェイの乗り口まで行ってみたけれど、当分の間は営業休止とのことだった。(*) 振り仰ぐと、何時の間にか霧が晴れていて、登ってきた黒檜山と駒ヶ岳がよく見えている。
観光客で賑わう湖畔の茶店で、味噌田楽を食べながら茶を啜る。自動車やオートバイのけたたましいエンジン音を聞きながら、妙に心がしーんとしてしまった。
高村光太郎、与謝野鉄幹、志賀直哉、草野心平などの錚々たる文人たちに愛されたという赤城山。深田久弥さんの「日本百名山」の該当項によると、大正末期のころには、赤城山へ行くことが旅行好きの学生間の一つの慣わしであったという。田中澄江さんにとっては娘時代の思い出の山でもあるらしい。多分…そのころの赤城山は華麗で、しかも自然に満ちあふれた“静かな山”であったに違いない。しかし今では、予想した以上に俗化されてしまったようだ。
美しくて立派な山容なので、遠くから過去を眺めるにはいい山かもしれない…。
* この後、地蔵岳ロープウェイは廃止されました。…赤城山の“昭和の喧騒”は消えつつあるようです。[後日追記]
山の仲間と 黒檜山(赤城山)
平成30年(2018年)10月6日
東京駅07:08-(新幹線Maxたにがわ471号)-08:06高崎08:18-(両毛線)-08:33前橋8:45-《バス・約70分》-あかぎ広場前〜黒檜山登山口〜黒檜山1828m(ビューポイント往復)〜大タルミ〜駒ヶ岳1685m〜駒ヶ岳大洞登山口〜あかぎ広場前15:17-《バス》-16:00富士見温泉(入浴・打ち上げ)18:12-《バス》-18:42前橋19:13-(両毛線)-19:28高崎19:42-(新幹線たにがわ414号)-20:40東京駅 【歩行時間:3時間50分】
駒ヶ岳の山頂にて
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上越新幹線や乗合バスなどの公共交通を利用して、山の仲間たち(山歩会)と、先週の悪天候で順延になっていた赤城山の黒檜山へ行ってきました。曇りがちで遠望はイマイチで、紅葉の盛期にはちょっと早すぎましたが、私達夫婦にとってはとても懐かしいコースということもあり、楽しいメンバーたちといっしょの珠玉の一日でした。
黒檜山の山頂から北へ約3分のビューポイント(絶景スポット)を往復してみましたが、ちょうどそのころはガスっていて、今回も谷川連峰や日光連山などの絶景を見ることはできませんでした。花の季節は殆ど終わっていて、尾根筋にはオヤマリンドウが少し咲いていただけでした。シラカンバとダケカンバの違いについてなどを観察しながら、ゆっくりと歩きました。
下山後は大沼湖畔(あかぎ広場前)のバス停から15時17分発の富士見温泉行きのバスに乗って…もちろんその温泉に立ち寄って…道の駅で買い物をしたり入浴したり…前橋の夜景を楽しみながら、まったりと打ち上げました。
富士見温泉「見晴らしの湯」については「赤城山の鈴ヶ岳」の項を参照してみてください。
* 同山域の山行記録です。
赤城山の鈴ヶ岳: H28年11月
荒山高原(赤城山): H30年9月 赤城山の鍋割山: R3年5月
佐知子の歌日記より
汗流したどりついての頂上は雲のひろがる赤城山なり
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