>>ほうがん | < >

「バイファム」第14話感想

「ここをまっすぐ行ったら地球なの?」と聞かれても答えられないロディ。地球がどっちなのか答えられるバーツも結構すごい。フライバイのために、地球とは明後日の方を進んでいるとか、まともに答えると、話の種を播くことになって、マルロもルチーナもつきまとうばかり。「フライパン?」とか。「俺いっそがしいんだからー!」ロディとバーツだと、マルロもルチーナもバーツに近寄るとは思えないからロディは損だ。
スコットができあがった当番表を持ってブリッジにやってきた。前々回決めた、固定配置のほかに、持ち回りの当番が追加されたということだ。スコットが一晩かかったと言っているのは、当番の割り当てを決める時間じゃなくて、当番表作成に要した時間なんだろう。有り体に言えば、見せびらかしただけのスコットだが、ロディに子守の肩代わりをさせられる。リーダーだろという理由で。リーダー=便利屋みたいだ。
展望室からは一面の星の世界が広がる。そのうち見飽きてくるかもしれないけれど、今のペンチにはとてもロマンチックな眺望だ。ノートに何かを書きつけるペンチは周りに注意がいっていない。後ろにこっそり立ってのぞき込むシャロン。面白いものを見てしまった。中を読み上げられた上、ノートをとられてしまう。ジェイナスの廊下をペンチの詩が響きわたる、シャロンの朗読で。ペンチをかわしながら、シャロンはブリッジにたどりついた。2人とも動く動く、作画に感心。
読み終わった頃には、ペンチは泣き崩れていた。やりすぎに気づかないのはよくないところ、いたずらはほどほどに。周囲の視線は冷たい。泣かせたのはまずい。「シャロン、ペンチに謝れよ」と言われたら謝らないわけにはいかないから。カチュアは、有無を言わさずノートを取り返し、「あんまり人の嫌がること、しないほうがいいと思います」泣かせなかったら言われなくてすんだろうに。「わたし、とてもいい詩だと思うわ」(しっかり聞いていたんだねえ)などとなぐさめつつ、みんな引きあげていく。
スコットにゴタゴタは起こさないでくれと言われてシャロンは、「だから、女なんて嫌いなんだよ、ふーんだ!」
グレード0、イエロー警戒態勢。地球の小型救命艇がジェイナスに接近してきている。「ねえ、返事してよ」という呼びかけは、あまりに子どもっぽい。返事がないのを、ケンツは「敵の謀略」ではないかと勘ぐる。ロディとバーツが、接近を試みる。中には、生きている男がいた。
艦内を運ばれる間に意識が戻ったその男は、自分を見守る子どもたちの中にカチュアを見つけ、何ごとかに気づいた表情を浮かべる。ペンチは、母が看護婦で、自分も母と一緒に、交通事故で死にかけた人を助けた経験があるそうだ。
マキの「さーて、助かるかね、あの人」は軽口なのか、冷静な観察なのか。どっちにせよ「そんなこと言うもんじゃないよ」ケンツは彼のことを怪しいとにらんでいた。観察というより先入観の気がするが。
スコットは、マルロたちの質問に答えるために作図にがんばっている。あまり怪我人のことは頭にないらしい。看護にあたったケイトは、その男が地球人とは違っているような気がしていた。
ケイトとともにロディが一番遅くまで医務室に残った(ロディはなるべく一緒にいたい?)。そしてペンチも。「わたし、この人のそばにいたいの」、「この人パパに似てるの。パパにもこんなおひげが生えている」から。男が助かると信じているペンチ、しかしケイトは曖昧に答えただけだった。「あの男は助からない」と知っていたから。ケイト、ロディが部屋を出た間に男は再び意識を取り戻す。手首をつかまれておどろくペンチ。「み、みずをくれ」そして「あの子」のことをしきりに尋ねる。
翌朝、キッチンからペンチの鼻歌が聞こえてくる(「春が来た」っぽい)。三角巾姿を披露。かわいらしい。スコットが顔をのぞかせて、「ミルクがあるかな?」それくらい自分でどうにかせいってところ。ペンチは、スコットなんぞに構ってる暇はなくて、オカユを男のところへ運びに行く。
当番表を見て、「やっぱ寝坊しちゃった」とペロッとベロを出すマキ。「ま、いっか」って、君はブリッジなんだろ? よくないぞ。マキにしては珍しくヘマをする。
マキは横を通るペンチが運んでいるオカユを朝飯かと思う。500mlの牛乳パックを、口をつけて飲むスコット。1本あけるつもりか、たまたま残り少ないやつなのか。ポケットに手を突っこんでいるだけで、腰に手を当てていなくてよかった。朝飯がオカユでないと分かって安心したはいいが、サボリがスコットにばれてすたこら逃げ出す。「今度から気をつけま〜す」
医務室を外からこっそりうかがうケンツ。「あんまりいやらしいことしないでちょうだい」とはペンチ。ドアを開けたペンチ、そこには男が床に倒れていた。助けを呼ぶペンチ、やっぱりスパイと確信するケンツ。
集まった子どもたち。ケンツだけでなく、バーツも怪しみだす。ほかのみんなも似たようなもの。根拠はないが、男を信じるペンチは「みんな出てって、早く出てって」と追い出す。
そして男と2人きりになって、例の詩を男に読んで聞かせる。爆笑(笑っちゃいかんけど)。現金な子だ。おまけに、うまく書けたと思うとまで。しかし男の表情は聞いていたのかどうか、「さっきの話」を持ち出す。カチュアの話。「そんなにカチュアが好きだったら、2人でお話すればいいのよ」と、泣きながら部屋を飛び出すペンチ。「好き」とか嫌いという話ではないんだけど、仕方ないか。
ロディとカチュアが並んで歩いている。ペンチを見つけたカチュアは自分も詩を書いたと話しかけるが(わざわざ書いたのか…)、ペンチが泣いているのは当のカチュアのせいだ。いや、「せい」と言うのはカチュアには悪いが。昨日のことで泣いているのだと思ったシャロンは、ペンチにもう一度謝ると、途端にペンチは元気になる。「後で部屋に(詩を)読みに来てもいいわよ」だって。シャロン曰く「男には分かんねえよ、女の気持ちってのは複雑なんだから」だそうだ。昨日と言ってることが違うような気もする。それより、ペンチの心理、本当に分かんないぞ。
昼食の当番はフレッド。割烹着姿。ペンチの三角巾といい、妙に似合っている、と思う。フレッドはケイトに知らせに、医務室に入ったのだが、彼女に追い出されてしまった。と言うのも、死期が近いのを悟った男は、ケイトに自分が異星人であること、そしてカチュアもそうであることを伝えていたから。
フレッドとケンツが昼食の当番と聞いて、マキは「うへー、最悪」確かに、どうせならケンツとペンチとかにするべきだと思う。あまり仲良くなりすぎないようにという配慮なんだろうか。スコットはまだ小さい2人に解説をするはめになっている、「えんしんりよく(遠心力)ってなに?」
警報が鳴る。XU06タイプの無人偵察機。向こうに見つからないうちに撃墜しようと、ロディ、バーツ、ジミーが砲座に向かう。ロディはしかし、廊下に血痕を見つける。あの男が、銃を持って立っている。
敵との距離が遠いので肉眼ではなく、コンピュータに照準を任せて狙う。バーツはそれが苦手らしい。しかし、彼が設定を終えたか終えないかのうちに、ジミーは射撃を始め、しかも当ててしまった。
そんなことより、男のほうが面倒なことになっていた。男は格納庫にこもった。ケンツは、「開けて、男らしく勝負しろよ」とどなる。男は救命艇(小型艇?)の中から通信で語り始める。敵が追っているのは自分であり、自分はそう長くない。ペンチの詩はとてもよかった。自分はククトニアン、つまり敵、だからいなくなったところで気にすることはない。
そして彼はジェイナスを離れて行き、彼の存在を示すレーダーの輝きは間もなく消えた。すすり泣くペンチ。しかし「敵戦闘機との遭遇は避けられました。本艦はこのまま航行を続けます」
カチュアは、今回大したことはしていないのだが、俄然話の中心に躍り出ることになる。
詩を書くってウルトラマンAと同じ趣味だ、どうでもいいけど。それから、カチュアの詩の中身はどういうのだったんだろう?
男が地球の救命艇に乗っていたのは、既に地球軍と接触したが、その船が沈んだということなんだろうか?
医者がいないのは、ジェイナスの致命的な欠点だ。
男が出ていくとき、ハッチを開けたのは誰なんだろうねえ。開けないと爆破するとかおどかされたんだろうか?
そういえば、シャロンは父親がいないという設定はいつできたんだろうか? 意外に結構後づけなのかも。この時点で決まっていたなら、"父親"がらみのこの回で少しはそれっぽいそぶりを見せてもよさそうだが。

おまけ スコット作成の当番表
ルチマルジミケンシャマキフレペンバーロデスコクレカチ
艦内整備/点検?
食事
? (緑色の半円の絵)
掃除
洗濯?(完全に空白)
RV
花(生き物関係)
医務
通信?
これ、苦労して作るほどのことはなかったかも…。緑色の半円は、寝坊したマキがブリッジ当番だったことから察するに、ブリッジ(で宿直?)か?

原画
富沢雄三、大島城次、横山健次、笠原茂、小林まゆみ

Vd: 2001.6.7, Vd: 1999.8.28, Vd: 1998.1.2