温暖多雨の丘陵帯をのんびりと歩く
《日帰りバスツァー》 清澄寺〜麻綿原(往復) 【歩行時間: 約2時間30分】
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小雨の麻綿原高原
清澄寺の千年杉
(後日撮影)
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妻の佐知子の発案で近ツリのバスツァーに参加してみた。
小雨に煙る紫陽花(アジサイ)の花。その盛りの一歩手前だったが、充分に楽しめた。
ヤマビルが出て大騒ぎ。塩水が特効薬、なんだそうだ。ツァーの人たちは我先に塩水を塗りたくっていたが、私達は革靴が痛むからと思い、塗らなかった。気をつけていたおかげか、別にどうってことはなかった。
清澄温泉や白岩温泉などが近くにあるが、今回のツァーの行程には入っていなかったのが残念。
スギ・ヒノキの人工林とシイ・タブなどの照葉樹林が混在する林相には趣きがあった。
帰路、誕生寺参詣。
* 麻綿原(まめばら・まめんばら)高原: インターネット検索で調べてみました。20万株のアジサイが高原の斜面を埋め…、とのことですが、サイトによっては2万株、となっているところもあり、一体どっちが本当? また、アジサイの見頃についてはどこのサイトも凡そ7月中旬から8月上旬となっていますが、気温により咲く時期が変わる、とのことで、ここ数年はかなり早まっているそうです。なんか判然としないのは、アジサイの移り気がなせる業でしょうか。
高原一帯は、日蓮上人が朝日を拝みながら初めてお題目を唱えた所と伝えられることから『天拝園』と名づけられています。
* 大多喜町のホームページによると麻綿原高原のアジサイは約2万株で、その見頃は例年7月上旬〜下旬とのことです。[後日追記]
* 清澄寺(せいちょうじ→通称は“きよすみでら”): JR安房天津駅からバスで約20分、千葉県鴨川市の清澄山377m(房総半島で2番目に高い山)の山頂近くに位置します。1200年の歴史をもつ日蓮上人ゆかりの(出家得度および立教開宗したとされる)古刹で、山号は千光山。元々は天台宗のお寺だったものが、真言宗を経て、昭和24年に日蓮宗に改宗し、宗門直轄の大本山として現在に至っているそうです。久遠寺、池上本門寺、誕生寺とともに日蓮宗四霊場と呼ばれます。
なお、清澄山(きよすみやま)は、最高峰の妙見山377mのほか富士山・宝珠山・如意山・金剛山・露地山・独鈷山・鶏莽山を総称した呼名、とのことです。
*** コラム ***
清澄山の遭難事故(石尊山行方不明事件)について
2003年(平成15年)11月26日、30名の中高年(55歳〜83歳)が当地で「遭難」したことが大きなニュースネタになってしまった。単なる道迷いによるフォーストビバーク(緊急野営)で、翌日には全員無事に下山したのだが、必要以上に取り上げられてしまったようだ。はっきり云って、マスコミの騒ぎすぎだったと思う。言い方を変えると、平和すぎる(これはよいことだ)日本のメディアが作り上げた虚構で、本来はニュースにならないものがニュースになってしまった、ということだ。
石尊山から清澄山へ
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170名とも300名とも云われる捜索隊と3機のヘリコプターを動員した、この「清澄山遭難事件」は、結論的に云うと、山岳遭難に縁のなかった千葉県の風土が作り上げた「遭難」、ということになると思う。千葉県をよく知っている私は断言する。実際、千葉県は、山岳遭難をしたくてもなかなか遭難のできない県なのだ。主催者(リーダー等)が下見をしなかったとか、もともと時間的に無理な計画であったとか、道標整備がされていなかったとか、いろいろと云われてしまったけれど、どんな低山でもどんな「道」でも迷うときは迷う。母の実家がある千葉県の山村で、子供の頃からけっこう長い期間を過ごした私でさえ、ちょっと冒険して何時もと違う山道を進むと、今でも、必ず「道迷い」になる。際立った高峰のない千葉県は現在位置を確認する目標物が少なく、何処を歩いても同じように見えてしまいがちなので、地形図とコンパスを駆使しても迷いやすいのだ。要は、迷ったときの対応の問題だと思う。
このパーティーのリーダーは、メンバー全員の状態とそのときの状況をよく把握した上でビバークを決めている。まったく問題のない正しい判断だった、と私は思う。少なくとも「遭難事故」ではない。ただ、「連絡」についての積極的な行動や工夫がなかったのは、少し残念だ。その日のうちに連絡さえ取れていれば、あんな大騒ぎにはならないで済んだのだから。携帯電話(連絡)が通じなかったというのが、不運と云えば不運だったのかもしれないが…。
中高年の男女30名が身体を寄せ合って(車座になって)過ごした一晩は、きっと、彼らの青春を彷彿とさせる、思い出に残る一晩だったのじゃないかな、と、私は羨望を交えて推測する。
この遭難事故の3ヶ月後(2004年2月)に、遭難の舞台となった七里川温泉から石尊山・麻綿原・清澄山までの道標整備が完了したらしい。[後日記]
No.215 石尊山から清澄山: 後日(平成19年1月)、このコースを歩く機会に恵まれました。そのときの山行記録です。
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