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No.213 鐘撞堂山(かねつきどうやま・330m)
平成18年12月18日 快晴

鐘撞堂山 略図
関東平野を俯瞰する里山温泉ハイキング

寄居駅〜大正池〜鐘撞堂山330m〜円良田湖畔〜羅漢山247m〜少林寺〜かんぽの宿寄居(入浴)〜秩父鉄道波久礼駅 【歩行時間: 2時間50分】
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* プロローグ: 先週の弘法山(丹沢)に引き続き、妻の佐知子と二人で、東京近郊の駅から駅への低山散歩をしてみた。 今回は奥武蔵の北端の、というか秩父の東端の、というか…、だら〜んとした里山、寄居駅が起点の鐘撞堂山の軽ハイキングである。 ガイドブックなどには奥武蔵の山として紹介されているが、東武鉄道が発行していたパンフレットなどによると「外秩父」となっている。 一般の地図上から読み取ると東秩父か北秩父に属するようでもある。 広大な関東平野が北西の熊谷や高崎辺りまで切れ込んでいるその南側、と云ったら尚更わかりにくいだろうか。
  「楽な方向へ行っているんじゃないの?」 と謗りを受けそうな気がする。 しかし、言い訳ではないが、「山高きが故に貴からず…」 を今回も感じてしまった。 高低差も殆ど無く、正味の歩行時間も3時間弱と、かなり歩き足りない気もしたけれど、家でポケ〜っとしているよりはずっといいと思う、アウトドアの真髄を垣間見た、ステキな一日だった。

* アクセス: 埼玉県の寄居(よりい)駅はスゴい。 なぜかと云うと、私鉄の東武東上線と秩父鉄道とJRの八高線がここでいっしょになる、スゴい地点だからだ。 だから、寄居駅へ行くのに、東京都区内に住む私達はずいぶんと悩んだ。 JR利用で熊谷まで行って、そこから秩父鉄道で寄居、というルートがまず考えられる。 その次に考えられるのは、池袋から東武東上線に乗って寄居まで行くというルートだ。 もうひとつ、八王子を経由するJR八高線の利用も考えられるが、いくらなんでもこれは非効率で問題外だ。
  私達夫婦が最終的に選んだのは運賃が最も安いルート、つまり池袋から東武東上線を利用するルートだった。 このルートだと、品川から起算した電車賃は1,110円で、熊谷経由の1,840円と比べるとなんと730円(往復だと1,460円)の差がある。 …なぜ、JRを使うとそんなに高いのだろう…?
  などと、つまらぬことを考えながらウトウトしていたら佐知子に起こされて、そこが終点の寄居駅だった。 快晴の青空が駅の北口にある立派な町役場の建物に映えている。 その北側の正面奥に低く連なる丘陵がこれから向かう鐘撞堂山の辺りに違いない。 来週はもうクリスマスだというのに、なんと麓は未だ黄葉の真っ盛りだ。 「ホワイトクリスマス」ならぬ「紅葉クリスマス」の時代が、もうすぐそこまできている、と、まだ完全に目の覚めない私はぼんやりとそんなことを感じていた。
バックが鐘撞堂山です
大正池

広いマダケの林です
竹林

鐘撞堂山山頂から南面を望む
山頂に憩う
クリック↑

東屋の奥に展望台
山頂の全景

* 大正池を経て鐘撞堂山へ: 寄居駅北口から大河(荒川)に注ぐ小川に沿ってアスファルト道を歩く。 ハクセキレイやヒヨドリなどが忙しそうに飛び回っている。 灌漑用の池、大正時代にできたから大正池とか、の脇にある東屋で一休みしてから暫らく進むと、民家も段々と少なくなってきて、山道になった。 この地も、やはりコナラ、クヌギ、シデ類などの二次林やスギの人工林とシイ、カシなどの照葉樹林がしのぎを削っている、よくある東日本太平洋側の里山の風景だ。 ソメイヨシノや(ヤマ?)ツツジなどが遊歩道のあちこちに植えられてあるので、その季節は特にいいかもしれない。
  カケスのように見えたけれど、大きくて美しい鳥が前方の雑木林の縁の地面に降りてなにやら啄ばんでいた。 その少し先では藪の中や大きなコナラの枝に止まっていたシジュウカラが、ざっと百羽以上はいただろうか、私達の足音を聞いて一斉に飛びたった。 よく見るとまだたくさんの小鳥がウロウロしていて、その中にはヤマガラも含まれていた。 低山の里山でも、山はやっぱりいいなぁ、と思った。
  登りの途中の広い竹林も、それが案外と珍しいマダケの林だったから尚更、鮮烈な印象を受けた。 「竹炭工房」という素朴な看板が目についた。 ご主人が、運んだ竹材を一生懸命に取りまとめている。 その仕事中のご主人に声をかけたら、「今日は天気が良くて、いいねぇ〜」 と明るい返事が返ってきた。
  階段状の坂道を上り詰めると、あっという間に、鐘撞堂山の頂上だった。

* 鐘撞堂山の山頂: サクラの木が目立つ山頂には3等三角点の標石やあずま屋や平成14年12月に完成したという木造の展望台などがあった。 思ったよりもこじんまりとしている。 私達は南面のポカポカした斜面に座って、お弁当を食べながら展望を楽しんだりして、至福のひとときを過ごした。
  東面から南面にかけて(左側から順に)、皇海山などの足尾の山々が連なり、関東平野の真東の方向にはぼんやりと筑波山が浮かび、その右手前には池袋や新宿副都心のビル群もよく見えている。 正面眼下の寄居の街並みの上空には笠山、大霧山、釜伏山などの奥武蔵の山々が近く、そのさらに右側には秩父の山々も見えている。 山頂を去るとき、北面にちょっと開けた景色があったので良く眺めたら、赤城山や榛名山などの上州の山々、左手には両神山も見えていた。 私たちハイカーへの表日本の山々からの冬のステキな贈り物、それはすっきりとした大展望だ。
  山頂には寄居町と埼玉県の解説板も立っていて、鐘撞堂山の山名の謂れについてなどが書いてある。 それによると、戦国の昔、鉢形城の見張り場として事あるときには鐘をついて合図したことからこの名が付いた、とのことだった。

* 円良田(つぶらだ)湖: 下山途中に少し足を伸ばして円良田湖畔を散歩してみた。 桟橋には釣師たち(ヘラブナとかワカサギかなぁ)がじっとしていて、とてものどかな風景だった。 昭和30年に灌漑用貯水池として作られた周囲約4Kmの人造湖とのことで、春のサクラのシーズンには賑わうらしい。 なんでも1500本のソメイヨシノが植えられているとのことだ。

* 羅漢山と五百羅漢と少林寺: 鐘撞堂山山頂からの展望もナカナカだが、このコースの真骨頂は矢張り五百羅漢ではないだろうか。 釈迦三尊や十六羅漢の石像が祀られた羅漢山山頂からのジグザグとした下りの道端には、いろいろな表情をした羅漢さんの石像が次から次へと現れて、心を和ませてくれる。 地元の解説板によると510余体があるそうだ。 少林寺の本堂へ至るもうひとつの下り道には960余体の石碑(千体荒神)がずらっと並んでいるとのことで、私達はそちらの道は歩かなかったけれど、それも壮観な眺めだったかもしれない。 この羅漢山はそっくり少林寺の境内であるらしい。
  閑静な少林寺からはアスファルトの山里を歩き、秩父鉄道の波久礼(はぐれ)駅方面の「かんぽの宿寄居」へ向かう。

* エピローグ: 昔から武蔵野の屋敷林は主にケヤキとシラカシから構成されているというが、確かにそれらの樹木の多い山里だった。 その狭間にはピンクの花をつけたツバキが咲いている。 とどのつまり、里山歩きと五百羅漢で充分に癒された一日だった。

様々な表情の羅漢さんたち(少林寺の五百羅漢像)
おゃ〜?
おゃ〜?
なんなんだ〜
なんなんだ〜
む〜
む〜
あれ〜?
あれれ〜?
ありゃ〜
ありゃ〜
う〜ん・・・
う〜ん・・・
経典だぞ〜
経典だぞ〜
ウムウム!
ウムウム!
うんうん
うんうん〜
ちょっとはずかしい〜
はずかしぃ〜
飲る?
いっぱい飲る?
もうだめかも〜
もうだめだぁ…

金山温泉「かんぽの宿寄居」 金山温泉「かんぽの宿寄居」: 秩父鉄道の波久礼駅から東を見上げると、地元では金山と呼んでいるらしい小高い丘の上に、6階建ての立派なビルが見える。 それが「かんぽの宿寄居」だ。 浴室はその最上階にあり、寄居橋のかかる荒川や釜伏山などの近隣の山々などが、露天風呂は勿論、内湯(大浴場)からも窓ガラス越しに眺めることができる。 泉質はアルカリ性単純泉。 加熱、循環ろ過、微かに白濁、硫黄の臭い、かなりヌルヌル感あり。 地下1500mから噴出とのことで、平成11年12月に開湯したらしい。 宿泊や食事がメインのようだが、入浴のみも受け付けている。 日帰り入浴料は1,000円だった。(その後800円になったらしい。) レストランのオーダーストップが少し早すぎて、下山後の入浴プラス食事を考えている私達のような温泉ハイカーにはちょっと辛い。 寄居駅への定期送迎バス(無料)が出ているのだが、午後の便は3時で(その後14:30と15:15)、これもちょっと早すぎて私達は利用できなかった。 しかし、湯上りのいい気分で波久礼駅まで約10分、ゆっくりと歩いて下るのもなかなか乙なものだと思う。
  「かんぽの宿寄居」のHP


鐘撞堂山の山頂にて
山頂にて

*** 再び鐘撞堂山へ ***
平成19年3月3日(晴れ)

  山の仲間たち山歩会と同コースを歩きました。 春霞がかかったようなモヤモヤとした、東風の吹く暖かい一日でした。 山頂部の福寿草は満開で、山里ではウグイスやイカルが囀っていました。 羅漢さんたちとも再会できて、とても嬉しくて楽しかったです。 今回も下山後には金山温泉「かんぽの宿寄居」に立ち寄りました。 入浴後の缶ビールが五臓六腑に沁みわたります…。

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