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No.241 畦ヶ丸(あぜがまる・1293m)
平成20年(2008年)6月25日 梅雨の晴れ間 マイカー利用

畦ヶ丸の略図
吊り橋を渡って西沢から畦ヶ丸へ
西沢へ入る


清流の沢道もブナ林の尾根道も素晴らしい!

《マイカー利用》 大室山登山…中川温泉(泊)-《車10分》-西丹沢自然教室・駐車場〜善六のタワ〜畦ヶ丸〜大滝峠上〜一軒家避難小屋〜大滝橋バス停-《バス8分》-西丹沢自然教室… 【歩行時間: 5時間30分】
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  宿(中川温泉「河鹿荘」)の朝食が6時から摂れたのは嬉しかった。 「(朝食が)早いぶんにはいくら早くてもいいですよ」 と云ってくれた女将に感謝感激だ。 おかげで6時半には宿を発つことができた。 ここから登山基地の西丹沢自然教室までは10分ほどの運転だ。
  閑散とした大駐車場(無料)に車を止め、自然教室の裏手から河内川(中川川)に架かる吊橋を渡り、西沢へ足を踏み入れたのは6時50分頃だった。 今日も梅雨の晴れ間のまずまずのお天気だ。
  フサザクラの目立つ渓畔林が美しく、ここでもウツギの白い花があちこちに咲いている。 しぶきを上げて激しく流れる沢の水は限りなく清らかで、小鳥たちも声高らかに歌っている。 昨日の大室山登山の疲れがまだ残っていて身体が重く、足の筋肉も痛いのだが、歩くにしたがってそれが徐々にほぐれていく。 数ヶ所の堰堤(砂防ダム)を乗り越えたり、沢に架かる木橋を10回以上も渡り返したりして、ゆっくりと高度を上げる。
  何処も同じように見えてしまうゴロ岩の沢道なので、ぼんやりと歩いていると道を見失いそうになる。 相棒(妻の佐知子のこと)と声を掛け合いながら、赤ペンキや赤テープをその都度チェックする。 幸いポイントの箇所には必ずと云っていいほど指導標が設置されているので、これは心強かった。
  下棚沢分岐も本棚沢の分岐も真直ぐに右へ進む。 少し寄り道をすれば立派な滝を見ることができるらしいが、なぜかこの大きな分岐では私達はお互いに声を掛けずに、指導標を見て見ぬふりをして直進した。 やっぱり佐知子もけっこう昨日の疲れが残っているみたいだ。 そう…、水は低いほうへ流れるのだ。 傾斜は益々きつくなってくるし、ガスってくるし…。
  この沢一帯は黒い斑点(黒雲母?角閃石?輝石?)が目立つ花崗岩のような岩石で覆われていて、それが足元に白っぽくゴロゴロしている。 クサリ場もあったりして、足元ばかりを見ていると、まるで北アルプスの燕岳を歩いているような気分だ。 * 下山後に西丹沢自然教室を訪れて、屋外展示標本などの説明シートを読んで知ったことですが、西丹沢のこの白っぽい花崗岩のような石は石英閃緑岩(学術的にはトーナル岩)であるとのことです。
  やがて尾根へ出て、“善六のタワ”を過ぎ、丸太の階段状をダラダラと登るころからようやく沢歩きの緊張が解ける。 樹木の観察を言い訳にして何回も立ち止まり、バテ気味の足を休める。 いつしか立派なブナ林が明るく私達を包んでいる。 ブナ以外の主な樹種も少しメモってみた。 …カエデ類(コハウチワカエデ、イタヤカエデ、オオモミジ、ウリカエデ、など)、ミズナラ、イヌシデ、サワシバ、ホオノキ、マユミ、ヤマハンノキ、ミズキ、リョウブ、オオカメノキ(ガマズミだったかも)、ツツジ類、ウツギ類、…。
  畦ヶ丸の山頂が近づくにつれて常緑低木のアセビ(馬酔木・アシビ・アゼビ)が目立ってきて、「やっぱりねぇ〜」 と佐知子が感心している。 畦ヶ丸の山名の由来については、山頂にアセビが多いから、という説があるそうだ。 葉などには毒があるので馬は勿論、鹿も食べないという。 大室山や檜洞丸の(矢張りシカが食べない)バイケイソウの大繁殖と、それに対するブナやスズタケなどの衰退(シカの食害が一因)など…、なにか考えさせられるものがある。 稜線近くにはエサになる草原が少ないので、昔はシカが寄り付かなかったらしいが、増えたシカがエサを求めて(やむを得ず)登ってきたということかもしれない。 皮肉にも、シカを保護してきた(シカが増えた)結果のひとつが、アセビやバイケイソウの“保護”に繋がった可能性もある。 昨今の日本の山での絶滅危惧種は“猟師”であるらしい…。 などと、乾燥した頭で考えながらぼんやりと歩いているうちに、辺りは益々ガスってきて幻想的な景色になってきた。
畦ヶ丸山頂の西側に建つ
畦ヶ丸避難小屋
  小ぢんまりとした畦ヶ丸の山頂に着いたのは午前10時30分頃だった。 三等三角点の標石と木製のテーブルと白石峠コース補修記念のセメント作りのケルンがひっそりと寄り添うように置かれている。 霧が深くなっていたこともあるが、樹林に囲まれていて展望はまったく望めない。 おまけに小さな羽虫が頭の周りをウヨウヨ飛び交っていて煩い。 早々に山頂を辞して、少し先の開けた処にある避難小屋で早めの昼食にした。 この稜線では五葉のツツジ(シロヤシオとアカヤシオ)が目立ったが、5月の頃のそれらの花の季節はさぞかしだったろうと推測した。
  稜線のブナ林を楽しみながら南下して、大滝峠上の分岐を左折して主尾根を外れる。 暫らくして沢道になり、右から左から枝沢が交差する、これも変化のある下山道だ。 東海自然歩道の一部にもなっているらしい。 一軒家避難小屋は立ち寄らず通過して、ステタロー沢〜鬼石沢〜マスキ嵐沢〜大滝沢〜、と、どんどん下る。 雨季のこととて水流が多く、沢音にも沢の流れにも迫力がある。
  尾根歩きと沢歩きの両方をたっぷりと満喫して、大滝橋バス停に着いたのは午後1時45分だった。 幸運にも、13時58分発の西丹沢自然教室行きのバスに悠々間に合って、ほくそ笑む私達夫婦だった。 今の時季、この便を逃すと16時12分までバスは来ない。 西丹沢自然教室前の駐車場までは歩いても1時間足らずなのだが…。

中川温泉「河鹿荘」: No.131檜洞丸 の頁を参照してみてください。



いつものデジカメを忘れたので、今回はカメラ付きフィルムで撮りました。
ガスっていました
畦ガ丸の山頂にて
下山路にて
沢を渡る
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