「私達の山旅日記」ホームへ

No.245 三毳山229m (みかも山公園)
平成20年(2008年)10月7日 曇り マイカー利用

三毳山の略図などは
みかも山公園のHP
を参照してください。


行きがけの駄賃に・・・

《マイカー利用》 東北自動車道:佐野・藤岡I.C-《車5分》-みかも山公園東口駐車場〜中岳209m〜三毳神社奥社〜山頂中継広場〜山頂広場〜三毳の関跡(伝承)〜東駐車場… 【歩行時間: 約70分】
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ


 東京から東北自動車道を北上するとき、最初に見えてくる直近の山が、栃木県の最南部に位置する、カタクリで有名な三毳山(みかもやま)だ。最高点(青竜ヶ岳)の標高が229mで、南北に細長い(約3km)この“山塊”は、山と云うよりは“丘”と云ったほうがいいくらいの小さな規模なのだが、田中澄江さんの「新・花の百名山」にも実業之日本社の「関東百山」にも山と渓谷社の「関東百名山」にも選ばれている。つまり由緒ある山なのだ。私達夫婦にとっては、近いから何時でも行けるという気安さが災いしたものか、とうとう今の今まで行きそびれてしまっていた「山」でもある。
 奥日光の紅葉が見ごろを迎えている、とのお昼のテレビ報道にミーハー的に反応して、とにかく行ってみようと東北自動車道を遡上し始めた、その行きがけの駄賃に立ち寄ってみたのが、前々から一度は行ってみたかった三毳山だった。
 ガイドブックや案内板などによると、みかも山公園は東・西・南のそれぞれの入口のゾーンと南西に位置する「万葉ゾーン」及び中心の「山頂ゾーン」と、大きく5つのゾーンに分かれているようだ。「万葉自然公園かたくりの里」がある北麓のもうひとつのゾーンと併せて「三毳山」、と、とりあえず私達は解釈した。実際、この小さな山域は3座あるピーク名の問題(*)など、案外とややこしい。
管理された若い林です
雑木林を登る

二等三角点の標石があります
中岳の山頂

稜線上の「ハング・パラグライダー場」より
関東平野を俯瞰する

ひっそりとしていました
三毳神社奥社

 私達が選んだ基点は「みかも山公園」の東口ゾーンで、佐野・藤岡インターを出て5分足らずでその大駐車場に着いた。ザックなどの荷物は持たずに手ぶらで、ポシェットにカメラだけ持って、「とちぎ花センター」の裏手から歩き始めたのは午後2時20分頃だった。サルスベリの花は終わっていたけれど、公園樹の紅葉のトップバッターの、小さな紅い実をつけたハナミズキが淡いワインレッドに葉を染めて私達を出迎えてくれた。ウイークデーということもあり園内は極めて静かだ。
 山腹一帯はコナラ、クヌギ、アカマツ、エゴノキ、イヌザクラ、ヤマザクラ、ミズキ、クマノミズキ、アカシデ、モミジ類などの美しい雑木林(管理された2次林)で、所々にアズマシャクナゲやヤマツツジなどの低木も目立っている。ゆっくりと登り、狭くて地味な中岳の山頂にある二等三角点の標石を確認したり、稜線からは関東平野の家並みや田園風景などの展望を楽しんだり、さらに南進して三毳神社奥社(*)に詣でたりした。残念なことに曇っていたので(北面の)日光の山々などの遠望には恵まれなかった。道はきれいに整備されていて、ベンチや休憩所も其処彼処にあり、山歩きと云うよりは公園内の散歩といった感じだ。主だった木々は未だ紅葉前だったが、黒っぽい実をつけたヤブミョウガや花期の終わりかけたヒガンバナなど、秋の里山の風情だ。荒地の一面にはセイタカアワダチソウが案外きれいに咲いている。
 今日は定休日の火曜日なので稼動していなかったが、一日500円で園内を乗り放題のフラワートレインというのがあるようだ。その停車場にもなっている山頂中継広場の自動販売機でジュースを飲んでから、山頂広場を経て「三毳の関跡(伝承)」を通過した。ここいら辺は、かつては東山道の要所でもあったらしい。
 ぐるっと周遊して、疲れを感じないうちに、しかし充分に心と身体を和ませて、出発点の東駐車場に戻り着いたのは3時50分頃だった。今回は北側の三毳山(北峰・青竜ヶ岳)へは足を伸ばさなかったが、何時の日か、この地を通るときは必ず立ち寄ってみようと思う。
 大都市東京の至近距離にありながら、この山の北麓を中心に自生するカタクリなどの自然を守り育ててきた地元の方達の努力は幾許のものだったか…。高度経済成長期やバブル期を乗り越えてきた背景には、地元の強い「自然保護に対する意思」があったに違いない。僭越な言い方で恐縮だが、それは本当に大変なことだったと推測する。栃木県が私の父が生まれて育った処だから云う訳じゃないが、栃木の人たちは偉いと思う。

* 三毳山の3つのピークについて: 国土地理院の1/25000地形図によりますと、三毳山にはいくつかのピークがありますが、標高の標記があるのは3座です。そのなかで山名が明記されているのはやや北側に位置する最高峰の(三角点のない)三毳山229mだけで、そのさらに北東に位置する四等三角点峰160.51m(点名:三毳)と南側に位置する二等三角点峰209.86m(点名:犬伏)は何れも無名峰(山名注記のない山)です。公園の案内板によると、三毳山229m(北峰)は青竜ヶ岳という山名で書かれてあり、私達が今回登った二等三角点峰209.86m(南峰)には中岳という山名がついていました。この二等三角点峰209.86mが本当の三毳山、と書かれているガイドブックもあったりして、ウーン、やっぱり、かなりややこしい…。

* 三毳神社: 日本武尊(ヤマトタケルノミコト)、天香香背男命(アメノカガセオノミコト)などが祀られているそうです。田中澄江さん(1908年-2000年)はその著書「新・花の百名山」の「三毳山」の項で、『…三毳山の山麓の佐野市は製鉄や鋳物で古代から栄え、この山にヤマトタケルノミコトが祭られているということは、鉱山探しがミコトの旅の目的であったということの証明である。…』 と述べられています。日本武尊=山師(鉱脈を探す人)という説は「山名の不思議・谷有二著(平凡社ライブラリー)」などでも紹介されていますが、興味深くて面白い話だと思います。

この翌日は刈込湖・切込湖(奥日光)ハイキング

明るい雑木林
稜線の散歩道(中岳から三毳神社奥社へ向かう)




三毳山・万葉自然公園かたくりの里
令和2年(2020年)3月19日(木) 薄晴れ マイカー利用

 栃木県にある菩提寺へ(お彼岸なので)墓参りに行った帰りに、三毳山(みかもやま)の「万葉自然公園かたくりの里」を夫婦で訪れました。ときあたかもカタクリのド満開で大ラッキーでした。暖冬のおかげで例年よりも1〜2週間は早く満開となったようです。
 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために公園内の管理センターは閉鎖していて、各種のイベントも中止となっていましたが、駐車場などの案内係の方などが数人働いていて、おかげでスムーズに散策ができました。多分、例年よりはずっと静かだったと思います。

 佐知子の歌日記より
 カタクリの花うつむいて三毳山(みかもやま)うす紫の裾模様なり

閑散とした「かたくりの里」
コナラ・クヌギの疎林に・・・
三毳山の北斜面の中腹1.5ヘクタールに150万株のカタクリが群生!
今がド満開! 片栗はユリ科カタクリ属、東一華はキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草
カタクリの花が満開! アズマイチゲも少し交じっていました

このページのトップへ↑
No.244「表銀座縦走(北ア)」へNo.246「刈込湖・切込湖」へ



ホームへ
ホームへ

ゆっくりと歩きましょう!