春の白毛門・登山アルバム
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登山口まで下見 |
4月17日(登山前日)、コースの下見: 白毛門登山口付近(尾根の取っ付きまで)の積雪状況を下見してみたが、昨日降った雪は思ったほどではなく(約15cm)、トレースもしっかりとついているようで、まずは一安心。
陽の当たる斜面にはフキノトウが雪を割って顔を出し、道端ではマンサクが渋い黄色の花をつけている。奥まった山裾の雪解けの足元にはイワウチワが数輪、花をつけ始めていたりして、雪国の遅い春をしみじみと実感した。
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
樹林帯を抜ける
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4月18日午前6時30分・登山開始: 「土合山の家」でボリュームたっぷりの朝ごはんを食べてから、さぁ〜いよいよ出発だ! 本日は移動性高気圧が本州を縦断する“ワンチャンス!”の好天気。朝霧は徐々に晴れて、稜線には日が差してきた。
山腹はブナやミズナラの素敵な自然林だ。やがてネズコ(クロベ)やアズマシャクナゲも目立ち始める。五葉の松(キタゴヨウ)をたくさん見かけたけれど、「松ノ木沢」の名の由来だろうか…。
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
「松ノ木沢ノ頭」付近にて
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いいぞいいぞ! 霧がどんどんは晴れてきた。そしてついに左手に谷川岳東面のマチガ沢や一ノ倉沢などの大岩壁が湯檜曽谷を隔てて眼前に広がった。
「今年は雪が少なくて、白毛門登山はストックと軽アイゼンでなんとかなるでしょう!」 という事前の現地情報を得てはいたのだが、降ったばかりの雪が心配で、結局“重装備”に身を固めた私たちだった。
気持ちのいい尾根歩きが続く。
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白毛門の山頂にて
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午前11時10分・山頂着: 山頂の手前でアイゼンを装着してから、次第に傾斜の増す斜面を慎重に一歩一歩登っていく。そしたら案外とあっけなく、地味な山頂標識と方位盤のある白毛門の狭い山頂に到着した。みんなで握手をし合って、感動の記念写真(証拠写真)を撮り合った。山歩きをしていて本当によかったと思う瞬間だ。
それぞれがそれぞれに遠くの山を指差しながら山名を言い合う山座同定…。それは至福の時間だった。
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
笠ヶ岳(左)と朝日岳方面
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白毛門山頂からの展望は、勿論一点360度だ。ここまできてようやくその全貌を見せた北面直近の笠ヶ岳1852mと朝日岳1945mのツーショットは迫力だ。しかし、矢張り展望の主役は西面に連なる谷川岳(トマノ耳1963m・オキノ耳1977m)や一ノ倉岳1974m、茂倉岳1978mなどで、その姿がダイナミックだ。東面には尾瀬や日光の山々が連なり、南面には両裾を広げた赤城山1828mも薄っすらと見えている。初めてピッケルを使ったというS隊員は「スゲ〜!」を連呼していた。
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振り返って見た白毛門
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12時10分・下山開始: 踵を返し、何故かここだけは風が弱まっている山頂直下の小平地で、宿のお弁当で昼食。そして徐に下山開始。雪の急斜面は滑りやすく、注意が必要だ。安全な箇所では尻スキーも楽しんだ。
左の写真は暫く下ってから振り返って見上げた白毛門の山頂部。ジジ岩とババ岩はあれだったのかな? とかいうほどのものだが、白毛門の山名の由来にもなった由緒ある岩頭らしい。ちなみに「関東百山(実業之日本社)」の該当項によると、「土合山の家」の故・中島喜代志氏が命名されたとのことで、山名としては随分と新しい部類に属するらしい。
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16時・「土合山の家」へ下山: 丁度風呂が沸いたとのことで、一人250円を支払って入浴させてもらった。極楽極楽!と、入浴後にビールなどを飲んで快気炎をあげていた(反省会をしていた)ので、電車の時間がぎりぎりになってしまった。土合駅までは歩いても5分ほどなのだが、宿の女将のご好意に甘えて自動車(じつはトラック)で送ってもらった。おかげで悠々と間に合った。「土合山の家」に感謝感激。
下りの土合駅(モグラ駅)の、例の長い階段を下りるとき、もうすでに身体中の筋肉が痛くなって、明日からの日常生活が懸念された。常日頃の鍛錬不足を今さら嘆いても遅いのだが…。
土合から17時52分発の下り列車に乗って越後湯沢へ出て、上越新幹線で東京駅に着いたのは20時丁度だった。
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