赤川ダムの堰堤から古賀志山を望む
|
エイザンスミレだ!
アカヤシオだ!
東峰見晴台
古賀志山の山頂
スリルの岩登り…
御岳山の山頂
赤川ダムの堰堤
|
湯処あぐり
|
アカヤシオ満開の岩場でビビった
《マイカー利用》 東北自動車道・宇都宮I.C-《車15分》-宇都宮市森林公園駐車場〜(北登山道)〜富士見峠〜東峰見晴台〜古賀志山583m〜御岳山578m〜(南登山道)〜林道・トリムコース展望台〜赤川ダム・堰堤〜森林公園駐車場… 【歩行時間:
3時間10分】
→ 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ
栃木県宇都宮市の北西に位置する古賀志山(こがしやま・583m)は、その東麓に森林公園を有する里山的な存在だが、ロッククライミングのゲレンデとしても知られているらしい。東武日光線の新鹿沼駅を過ぎた辺りからは右前方に、低山ながら岩っぽい山容でけっこう目立っているあの山だ。関東百名山の一峰、ということもあり、前々から気になっていたのだが、今までなにやかやで行きそびれていた。山域で云うと…安蘇山塊として紹介しているサイトもあるが…前日光かなぁ、やっぱり。と、これはよくわからないので、ここはぼかして書いておく。(^_^;)
赤川ダムの手前に位置する宇都宮市森林公園の大駐車場から歩き始めたのは午前8時20分頃だった。堰堤からは、正面に、湖面に影を落とした古賀志山が、案外とカッコよく聳えている。点在する各種のサクラはまだ充分に咲いていて、山腹のスギ・ヒノキの深緑色と雑木林の芽生えの新緑色が、絶妙な色模様だ。眼前に広がるこの素晴らしい春色に、佐知子も私も浮足立って、ゆっくりとそっと、声を殺して歩いている。足元にはタチツボスミレやエイザンスミレなどのスミレ類やタンポポなどが咲き乱れている。
私達夫婦が選んだ今回のトレイルは、北コースで登って南コースを下るという、古賀志山登山における超スタンダードな周回コースだ。でも、今日が平日のせいか時間が早いせいか、人影は少ない。広く歩きやすい山道に入ると、スミレ類に交じって咲き始めたニリンソウが道沿いに目立ってくる。イカリソウの淡紫色の花やセントウソウの白い小花も風に揺れている。途中の水場で、滾々と流れる清らかな水を、備え付けのコップでごくごくと飲む。下向きに咲くモミジイチゴが可憐で美しい。
スギ林からヒノキ林に移行して間もなく、稜線手前の明るい斜面にカタクリが小群生して咲いている。やがて稜線へ出て、それほど展望のよくない「富士見峠」を左折して高度を上げる。そして、道標に従ってその稜線をさらに左折して、古賀志山の東峰に位置する見晴台へ向かう。…ここに予期せぬ感動が待っていた。なんと、アカヤシオが満開だったのだ。
春霞で展望がイマイチだったこともあるけれど、私達は久しぶりに見るアカヤシオの優雅で気品のある花の姿に満足してうっとりとしていた。“陸の松島”を思わせる独特な田園風景が南面に(ぼんやりと)広がるこの東峰展望台には、地元の(回数登山の)ハイカーと思われる中年男性が、アカマツとネジキ(ツツジ科)に挟まれた空間に陣取って、まったりと休憩していた。声をかけて話を伺ったら、今年のアカヤシオは例年より早く咲いている、とのことだった。佐知子は…なにか(趣味の)短歌のことでも考えているのか、珍しくずっと静かだ。シジュウカラがしきりに鳴いている。
東稜分岐に戻ってから主稜を少し登ると、(携帯電話の?)電波塔が脇にある古賀志山の小広い山頂についた。この山頂には二等三角点があるけれど、ヒノキ、コナラ、イヌシデ、ヤマザクラ、リョウブ、ツツジ類…などの木々に囲まれてそれほど展望はよくない。で、早々に山頂を辞し、御岳山へ向かう。この御岳山へ続く狭い稜線の岩場が、距離はごく短いが、じつは案外のくせ者だった。事前の情報不足(つまりガイドブックをよく読んでいない)ということもあって、とっつきのクサリ場で、佐知子が顔を青ざめてビビっている。ついさっきまでは 「ここいら辺の岩はチャートね。赤っぽいから」 とか云って、楽勝ペースで歩いていたのだが…。
でもやっぱり、少し怖いけれど楽しいスリルの“岩登り”はあっという間に終わってしまって、御嶽神社の小祠がある御岳山の山頂に着いてしまった。周囲の木々を伐ったのか、ここは特に北面の展望がよく、薄ぼんやりと男体山や女峰山などの日光連山や高原山が確認できた。居心地のよいピークだったので、ここでサーモスの熱いコーヒーを飲み、佐野SAで買ってきた一人分のカツサンドを二人で食する。
御岳山からは来た道(岩場)を少し戻るが、今度は経験済みの足場なので、佐知子も余裕で先行する。古賀志山との鞍部にある分岐を右折して、丸太階段の南登山道を下る。標高差にして200メートル足らずで(登山口のある)林道へ出て、そして道標に従って再び山道に入り、トリムコースをどんどん下る。
眺めの良いコンクリートの展望台を経てから、管理センター前を通り、赤川ダムの堰堤を進む。左手のダム湖の上空を眺めると、古賀志山の頭上にパラグライダーが1機、ほんわかと青空に小さく浮かんでいた。
300台駐車可能という森林公園の大駐車場に戻ったのは、まだ陽の高い12時40分頃だった。今朝は数台の車で閑散としていたこの大駐車場が、ほとんど満車状態になっているのには矢張りびっくりした。
車に乗り込むときに 「古賀志山を一言で云うとなんだろう?」 と私が問いかけたら 「大人の大レジャーランド、ってところかしら」 と佐知子が答えた。稜線の岩場では青白い顔をしていたくせに、と言い返そうと思ったけれど、ここは我慢して黙っていた。静かな、私達の古賀志山だった。
* コースについて(補足): 古賀志山登山のメインルートにはもうひとつ、南西に位置する城山西小前からのコースがあり、途中の不動滝見物が魅力だそうです。古賀志山にはこの他にも多くのバリエーションルートがあるようで、東稜コースや中尾根コース、御岳山から西方向の赤岩山535mを目指すコース、なども面白そうです。
なお、古賀志山〜御岳山の岩場(クサリ場)には巻き道もあったようです。(^^ゞ
湯処あぐり: 古賀志山登山の帰路に立ち寄ったのが「道の駅うつのみや・ろまんちっく村」内にあるこの日帰り入浴施設だった。地元産の大谷石を敷いた内湯や玉石を配した広い露天風呂がとても良かった。古賀志山の山並みも望むことができた。泉質はアルカリ性単純泉とのことだが、特に特徴はないようだ。宇都宮市森林公園駐車場からは車で約10分、宇都宮I.Cまでは約5分という位置もいい。入浴後に食事してから、道の駅で地元の特産品などを物色したりして、くつろいだ時間を過ごすことができた。
近くに源泉掛け流しの天然温泉「ただおみ温泉」があるのだが、これは次回の楽しみだ。
「道の駅うつのみや・ろまんちっく村」のホームページ
佐知子の歌日記より
うす紅や若い緑に萌黄など 芽吹きの色に笑う古賀志山
あかやしおうす桃いろにかがやけり おとめの頬のごとくやさしく
お土産はアスパラガスとエシャロット 道の駅にて夕餉のしたく
古賀志山のアカヤシオとヤマザクラ
アカヤシオ咲く山稜(へっぴり腰です)
御岳山〜古賀志山の稜線(岩場)にて
|
ヤマザクラの咲く林道を下る
山桜は赤っぽい新葉と花が同時に開きます
|
このページのトップへ↑
ホームへ
|