まず雪原を東進する
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@ 午前10時30分、北八ヶ岳ロープウェイの山頂駅・坪庭(標高2237m)から歩き始める。左の写真は、縞枯山荘の前を通過してから雨池峠の少し手前で撮ったもの。
5人のそれぞれの(歩きに関する)装備はアイゼンとストック(またはピッケル)で、トレンドのスノーシューを持参した者はいない…、つ〜か、持っている人はいない(と思う)。結果論だが、今回のこのコース、軽アイゼンとストックで十分だった。
お天気に恵まれて、みんなウキウキだ。
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アイゼンがよく効く!
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A 雨池峠を右折して急坂を登る。先日の降雪による樹氷のモンスターを期待したのだが、それは殆ど崩れてしまっていた。まぁ、欲を言えばきりがないけど…。
トレースははっきりしていて、雪もほどよくしまっているのでアイゼンが気持ちよく効く。それでも重装備の足が重く、いつもの(無雪期の)倍は疲れる。声を掛け合いながら、休み休み、ゆっくりと進む。エビのシッポ(樹氷の赤ちゃん・風上側へ向かって羽毛状に成長する)が、ちょっと不完全だが、稜線上のあちこちで観察することができた。
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縞枯山の山頂に到着
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B 11時30分、シラビソの森を抜け、縞枯山2403mの山頂部に到着。“山頂部”と書いたが、じっさい何処が頂上なのか分かりにくい山頂だ。左手の頂稜の先(大岩の辺り)が展望台なのだが、次の茶臼山で展望を楽しもう!
ということで、ここは小休止の後まっすぐ茶臼山へ向かう。
それにしてもすごいピーカンだ。垣間見る四方の山岳展望に、その度に歓声とため息がでる。
* ピーカンとは超快晴の意です。その語源について、空の色がタバコのピース缶(つまり50本入りのピーカン)の深い紺色に似ているから、だと私は思っているのですが、その他にも諸説あるようです。
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茶臼山展望台に到着
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C 枯れ木帯を下り、鞍部の(五辻方面との)分岐を確認し、樹林帯を登り返して茶臼山2384mの山頂に着いたのはお昼の12時頃だった。でも、この山頂は樹林に囲まれていて展望がない。右(西側)に進んで展望台へ向かう。…茶臼山の展望台は、感動の大パノラマだった。
* 茶臼山2384m: 「日本山名事典(三省堂)」によると、全国で同名の山は49座あり、標高については中央アルプス最北部の茶臼山2653mに続いてこの北八ツの茶臼山は第2位であるらしい。整った円錐形をなし、玄武岩からなるという。
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茶臼山展望台で怪気炎!
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D 茶臼山展望台で大休止。左の写真のバックは赤岳や阿弥陀岳などのアルペン的な南八ヶ岳の山々で、この右手(西面)には南アルプス、中央アルプス、御嶽山…と横綱・大関級の山々が形よく並んでいる。そして、さらにその右手(北面)の蓼科山の左奥には、矢張り純白の北アルプスの峰々がずらっと並んでいる。北面から東面にかけては、浅間山、日光連山、そして佐久平を隔てて西上州や奥秩父などの山々…。もう、ほんとうに、ため息の出っぱなし…。
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縞枯れの林を五辻へ下る
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E 風が弱まっている(樹林に囲まれている)茶臼山の山頂で昼食の後、13時15分に下山開始。まずは来た道を下り、縞枯山との鞍部から左折して、五辻へ向かう。
この辺りはシラビソの純林だが、その縞枯れている箇所と元気よく育っている箇所が、下るにつれて100m強くらいの間隔で交互に現れる。森林インストラクターの私としてはここは出番だが…。
* この縞枯れ現象については該当のコラム欄を参照してみてください。
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間もなく山頂駅に到着
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F 五辻を右折して、なだらかな上りのトラバース道を進む。雪温が上がってきたらしく、アイゼンに雪が張り付いて少し歩きづらい。そのことをみんなに告げたら、「なんともない!」
との返事。私のアイゼンは旧式でスノープレートが装着されていないが、どうやらそれが原因らしい。今回のように岩がなくてそれほど気温が低くないときには、試しにアイゼンにビニール袋でもぐるぐると巻いて歩いてみようかしら、とふと思った…。
みんな大満足で、ロープウェイ山頂駅に戻りついたのは14時40分頃だった。
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