No.33 北八ヶ岳縦走 平成8年(1996年)9月14日〜15日 ![]() ![]() |
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第1日=JR中央本線茅野駅-《バス》-ピラタスロープウェイ山麓駅-《ロープウェイ》-山頂駅・坪庭〜(七ツ池)〜北横岳2480m〜亀甲池〜双子池ヒュッテ 第2日=双子池ヒュッテ〜雨池峠〜縞枯山2402m〜茶臼山2383m〜大石峠〜麦草峠〜白駒池〜高見石〜渋ノ湯(泊)-《バス》-茅野駅 |
![]() 北横岳の山頂 ![]() 高見石にて |
![]() 渋御殿湯(H16冬) |
*** コラム ***
縞枯れ現象は、亜高山帯の南・西斜面に発生し、樹種がシラビソ・オオシラビソの純林に限られているようです。 縞枯山における精細な調査によりますと、縞の数は8でその間隔は約130m、1年間にほぼ1.7mの速度で立ち枯れの帯が山頂に向かって進んでいるとのことです。 原因については未だに謎の部分も多いらしいですが、風による土壌の乾燥化を主因とする説が有力なようです。 縞枯れた部分には天然更新した若木が育っていて、一種の森の更新(世代交代)とも云われています。 土壌に乏しい岩塊地にのみ発生していることや、案外と短いシラビソの寿命(約100年)などとも深い関係がありそうです。 山を歩いていると、本当に、不思議なことがいっぱいありますね。 * 以上は「林野庁森歩き研究会」、大場秀章氏(植物分類学・生物地理学者)、小泉武栄氏(地生態学者)、などの著書を参考にして記述しました。 ★ ついに縞枯れ現象についての原因解明!: 後日(H29年3月)、小泉武栄先生の「山の自然学講座」を受講したときに、目からウロコのお話を聞くことができました。 小泉先生によると、縞枯れ現象の原因についてはその土地条件が関係しているとのことでした。 岩塊斜面の岩を抱くように根を張ったシラビソは、数十年に1回程度の猛烈な台風などの強風が吹くと幹が揺れて根が切れてしまうそうです。 1〜2年後には枝葉が落ちて白骨化し、そこに風が吹き込み、日光も当たるため林床は乾燥して、縞枯れの帯は次第に上昇。 その後には我慢していた低木が育ち始め、もとの森に戻っていく…、というサイクルだそうです。 なお、コメツガについては根が頑強なので、強風による根切れは起こさずに残る、とのことでした。 多分こうだろうといった仮説的なものに終始していたその原因について、小泉先生がはっきりと断定したのです。 (岩塊斜面の)シラビソの根が強風によって切れてしまう、というのがスゴイと思いました。 (後日追記) |