「私達の山旅日記」ホームへ

No.316 官ノ倉山344m(奥武蔵)
平成26年3月6日 快晴

官ノ倉山・略図
アプローチ
前方に石尊山と官ノ倉山

この辺りから山道になる
天王池の脇を進む

狭いながらも楽しいピーク
官ノ倉山の山頂

殆ど360度の展望だ!
石尊山の山頂

ここは磁気異常があるかも・・・
北向不動尊に参拝


磁気に異常があるらしい…?
“家族向け”の半日コースだけれど、なんかうきうきしている

東武東上線・東武竹沢駅〜安照寺〜三光神社〜天王池(天王沼)〜官ノ倉峠〜官ノ倉山344.7m〜石尊山344.2m〜北向不動尊〜八幡神社・穴八幡古墳〜女郎うなぎ「福助」〜小川町駅 【歩行時間: 2時間40分】
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ


  東武東上線の東武竹沢駅から指導標に従って歩き始めたのは午前9時40分頃。 北西の風が強く、春は名のみの寒さだが快晴だ。 駅前を右(南)へ進んで高架下の通路を潜り、JR八高線の踏切を渡ってから国道254号線(川越・児玉街道)も横切る。 “家族向け”の半日コースだけれど、なんかうきうきしている。 家事や諸々のしがらみをやりくりしての、42日ぶりの夫婦山行だ。
  安照寺を過ぎて木部川を2回渡ってさらに西進すると、山里の集落も閑散としてきて、前方に官ノ倉山と石尊山のツーショットが見えてくる。 「いかにも里山的な、やさしい山容ね」 と妻の佐知子が話しかける。 「これから登る山がこれほど(正面に)鮮明に見えるって、案外とめずらしいアプローチかもね」 と私が答える。
  「そういえば 、ツキ(月)ヒー(日)ホシ(星)・ホィホィホィ、と鳴くサンコウチョウ(三光鳥)という鳥がいたっけね。見たことないけど」 などと話しながら、“日・月・星”を祀ってあるという三光神社を通り過ぎる。 道が細くなってきて、残雪も少し出てきたので、ザックからストックを取り出す。 逆光で薄緑色に輝く天王池(天王沼)を過ぎる辺りから徐々に山道っぽくなってきて、傾斜が増してくる。 沢筋の周囲は鬱蒼としたスギ林で、「いよいよだねぇ〜」 と益々気分を良くしていたら、眼前の凄まじい光景に驚いた。 先月中旬に降った記録的な大雪の後遺症と思われるが、林内のいたる処の落枝や倒木で、道が非常に分かりずらくなっているのだ。
  倒木で道を塞がれた箇所が次から次へ出てきて、その度に潜ったり乗り越えたり、回り込んでアオキのヤブを漕いだり…、期せずして冒険的な気分を味わってしまった。 やがて森林の上部(稜線の近く)になってくるとヒノキ林に移行して、こちらには落枝・倒木はほとんど無くて、快適に歩ける。 ヒノキのほうがスギよりも雪の重みに強いようだ。
  登山口から正味100mほどの高低差だ。 少し苦戦はしたけれど、あっという間に稜線(官ノ倉峠)へ出てしまった。 稜線上には常緑樹のアラカシ、シラカシ、ヒサカキ、アセビ、アカマツや、落葉樹のコナラ、イヌシデ、ネジキも出てくるが、その植生は乏しく、規模も小さいようだ。 まぁ、ぎりぎりの天然林、といったところかな。
  岩っぽくなってきた急坂を少し登ると官ノ倉山(神ノ倉山)の頂上だった。 今回のコースについて、私達が参考にしたのは平成10年に発行された(古い)ガイドブックだったのだが、その該当項には 「(官ノ倉山の)山頂は狭く、残念ながら木立に囲まれて展望はない」 と書かれてあった…。 その後、山頂部の木々を伐ったのだろうか。 見晴らしはけっこうよい。 東の方向にこれから登る石尊山が近く、その左奥には東武沿線の山里の街並みが見えている。 そして右手には堂平山や笠山などの当地(比企)の山々が大きい。 それらの景色をざっと眺めてから、少し下って登り返すと、二つのちいさな石祠がある石尊山(*)の、これまた(私好みの)静かで狭い山頂だった。 ここも眺めがいいので中休止。 近隣の奥武蔵や秩父の山々は勿論のこと、白装束の谷川連峰や赤城山や日光の山々も薄ぼんやりと見えている。 副都心方面のビル群も薄ぼんやりで、遠く筑波山の山影も辛うじて判別できた。 やっぱり来てみてよかった、と思う瞬間だ。 * 石尊信仰=丹沢の大山阿夫利神社(雨乞いの神)を中心とする山岳信仰。
  山頂を辞し、易しいクサリ場のある岩場を下って暫くすると、ゆるやかな沢沿いの道になる。 やがて「北向不動と三十六童子」と題した(埼玉県と小川町の)立派な解説板が右手に現れる。 とりあえず、急な岩階段を登って北向不動尊にお参りする。 思ったよりはちいさな祠で、それは北を向いて建っているという。 試しにコンパスを出して確かめてみたら、あれ??、東を向いているぞ。 なんか変だなぁと思って佐知子に云ったら、祠の前で手を合わせていた彼女は 「あたしのコンパスはちゃんと北を向いているわよ」 と云う。 近寄ってきた彼女に 「見てごらんよ」 と私のコンパスを見せて、そして両方のコンパスを見比べてみると、あれれぇ?、両方とも東を向いている。 もしかしたら、と思って狭い空間をあちこちと移動してみたら…、どうやらこの辺りの磁気に異常があるらしい。 「この祠を最初に作った人は、磁石を見て東向きに建てたつもりだったのかしら」 と“北向き”についての新説を話し合う私達だった。 * 北向不動は“笠原の里を見おろすように北向きに建っている”とのことです。
  とうとう誰にも出会わないうちに、あっという間に下山して、閑散とした笠原の集落へ出る。 指導標に従ってアスファルトと雑木林の土の道を交互に進むと飯田の集落で、徐々に山里のムードから“街”の気配に移り行く。 春を捜しにきたのだけれど、なかなかそれが見つからなくて、畑の畔に辛うじて咲いていたホトケノザとオオイヌノフグリに…、溜飲を下げた私達だった。 今回のトレイル、1ヶ月後くらいの花の季節がいいかもしれない。
  それから立派な神社(八幡神社)を参拝したり、その近くの穴八幡古墳を見物したり、造り酒屋(晴雲酒造)に立ち寄って愉快になったり、古い街並みに心が落ち着いたり、退屈しない里歩きだ。 小川町は武蔵の小京都とも呼ばれているそうだ。
  小川町駅が近くになってきたが、さて、昼食をどうするか。 私は忠七めしの「二葉」を希望したのだが、佐知子の強烈な“押し”により、今回は女郎うなぎの「福助」で打ち上げ、ということにした。 甘露甘露の大団円。 夕方には楽々帰宅できそうだ。

今回は下山後に立ち寄りませんでしたが、小川町駅から歩いて10分足らずの位置に日帰り温泉施設「おがわ温泉・花和楽の湯」があります。 詳細については 笠山から堂平山の項 を参照してみてください。

  佐知子の歌日記より
 雪による倒木踏みこえ道さがす ファミリーコースの官ノ倉山
 大雪に倒れた杉をハードルの 選手のように八回こえる
 回り道しながら君は酒蔵へ 一升瓶をリュックに押し込む
 断崖の一歩手前で止まるよな 電車のブレーキ眠りをさます
(帰路)



期せずして冒険をしてしまった!
スギの倒木や落枝が道を塞ぐ
倒木が道を塞いでいる
(易しい)クサリ場を下る
見た目ほど怖くない

やや右奥に鐘撞堂山が・・・
石尊山の山頂から西〜北面を望む : 左手前が官ノ倉山


官ノ倉山で新年山行 平成27年1月31日 晴れ

山頂にて集合写真
官ノ倉山の山頂にて
  山の仲間たち山歩会と同コースで官ノ倉山344mへ行ってきました。 前日の雪を心配したのですが、登山道は殆ど積もっておらず、まったく問題はありませんでした。 で、ファミリーコースのこの山ですから、楽しくまったりと(和気藹々と)一日を過ごすことができました。 バージンスノーを(密かに)期待して、殆どフル装備で臨んだ私が拍子抜けするほど、…でした。
  官ノ倉山や石尊山の山頂からは、近くの比企や上州の山々はもちろんのこと、筑波山や都心のビル群やスカイツリーなどもよく見えました。
  下山後は、小川町の「女郎うなぎ福助」で打ち上げました。(*^^)v
 表裏無き両面羊歯の生い茂る 官ノ倉山に雪は積もらず(Tamu)

* 今回も北向不動尊でコンパスを取り出して(磁気の異常を)調べてみたのですが、なんと、このときは(ちゃんと)北を向いていました。 不思議ですねぇぇぇ。 …結局、なにも分からずじまいです、ハイ…。

  佐知子の歌日記より
 雪はなくリョウメンシダの観察会になってしまった官ノ倉山
 頂上より関東平野を見渡して祠に祈る晦日正月
 道端のオオイヌノフグリ風にゆれ春が近いと笑っているよ
 名物のうなぎたらふく食べながら山に登れる喜び語る

このページのトップへ↑
No.315「高山不動尊・関八州見晴台」へNo.317「3月の縞枯山と茶臼山(北八ヶ岳)」へ



ホームへ
ホームへ
ゆっくりと歩きましょう!