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高原の放牧場を進む
八合目で一休み
七時雨山の北峰
南峰に到着!
チラッと岩手山が・・・
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私の好きな草原…なのだ!
《マイカー利用》 姫神山登山…新安比温泉(前泊)-《車20分》-七時雨山登山口・駐車場〜北峰〜南峰(往復)… 【歩行時間: 3時間50分】
→ 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ
*** 前項「@姫神山」からの続きです ***
八幡平市の新安比温泉からは20分足らずの運転で、岩手県道30号葛巻日影線沿いの…平成17年秋に新設されたという…トイレもある大きな駐車場(七時雨駐車場=七時雨山登山口)に着いた。ここも矢張り閑散としていて、私達の車が一番乗りだ。この地(田代平高原)の解説板や登山に関する注意書きなどをじっくりと読んでから、午前8時の少し前、牧柵を開いて、昭和初期の水田の跡地だという湿原へ足を踏み入れる。大型の台風16号が接近しているけれど、今日一日は何とかもちそうだ。空は明るい。
* 登山口に設置された看板の文章をそのまま転記。
※ 田代平高原: 新日本百名山の七時雨山1063mと田代山945mの間のなだらかに広がる高原。牧草地には短角牛が放牧されており、のんびりと牧草を食む光景は牧歌的情緒たっぷりです。また、毎年8月に田代平高原をメイン会場の一つとして行われるイーハトーブトライアル大会は、全国的に有名なバイクトライアル大会の一つです。(八幡平市)
※ 七時雨山登山道ご利用の皆様へ: 登山道にはゲートが2か所あります。ゲート内は牛の放牧地となっておりますので、ゲート通過後は必ず閉めてください。…以下省略。(八幡平市・関沢山牧野農業協同組合)
七時雨山は田代平カルデラの南壁を形成する外輪山の一峰であるというが、そのおっとりとした山容を前方に眺めながら、七時雨山荘からの作業道へ合流して、一合目〜二合目と、ルンルン気分で軽快に進む。草原の道は広くて歩きやすい。この日は牛馬の姿が見えないのが残念だが、アザミやリンドウや野菊の類があちこちに咲いているのが目に優しい。何気に、オオハンゴンソウ(こちらは特定外来種だが…)もきれいに咲いている。落葉低木の赤くて小さい実は、あれがノイバラ(偽果)でこちらはガマズミだ。一角には人参や牛蒡などの畑作地帯もある。
歩いていて思った。かつては南部馬の産地であったというこの牧草地は、広いけれど北海道の原野とは違うし、牧歌的だけれど阿蘇や霧ヶ峰や美ヶ原のそれとも似ていない。なんと表現したらいいのかわからないので、田代平高原は田代平高原のような草原、と云うしかない。つまりアグネスチャンの「草原の輝き」の世界…私の好きな草原…なのだ。
三合目を過ぎた辺りから尾根筋に取り付き、これもいい感じの明るい天然林へ入る。と、次第に傾斜が増してくる。森の樹種はミズナラ、トチノキ、ホオノキ、ハウチワカエデ、ウリハダカエデ、シナノキ、イヌガヤ、オオカメノキ、そしてブナやダケカンバやカラマツも交じってくる。林床はクマイザサから徐々にチシマザサに移行する。足元にはナナカマドの赤い実が落ちている。
八合目を過ぎると木々の葉が色付き始め、九合目からはその(紅葉の)見ごろだ。思惑通りの展開にほくそ笑む私達だった。道沿いのミゾソバの小群生がひときわ目立っている。
七時雨山は双耳峰で、一等三角点のある北峰のピーク1060mに着いたのは10時10分頃。それから、シモツケやツルリンドウの咲く明るい山稜を約50m下って、そして登り返すと…歩程にして約15分…360度展望の南峰1063mだった。こちらには石で造られたちょっとコミカルな(失礼…)獅子頭の権現様が祀られていて、鉄剣(錆びていたけれど…)が奉納されている。なこともあり、北峰よりは大分山頂らしくて居心地もよい。周囲はチシマザサに交じって背の低い(潅木状の)ブナやダケカンバ、それにイヌツゲなどが茂っている。天空はひつじ雲やすじ雲が広がる青空だったけれど、山岳展望など地平線上の遠景は薄靄の中だったのかチト残念。それでも一瞬、南の方向に岩手山の山頂部と思しき山影がチラっと見えたのには、やはり感動した。岩手山はどこからどう眺めてもかっこいいと思う。
それにしても、美しいけれど変な空だ。台風の影響かな、やっぱし…。七時雨山の山名は“日に何度も雨が降るほど天候が変化する”ことに由来しているという。もうそろそろ、下山したほうがよさそうだ。
来た道を戻って、七時雨山登山口駐車場に戻ったのは12時30分だった。
きょうはこれから下北半島のむつ市まで(予約の宿まで)北上しなければならない。なので、七時雨山登山のもう一つの基地・七時雨山荘に立ち寄ってみるという予定はパスして、マイカーを走らせる。
カーラジオの台風情報を聞くと、本州の東海上を北へ向かっている台風16号は、明日が最も東北地方に近づくらしい。それが矢張りとても不安だ。
佐知子の歌日記より
牧草地とおり抜ければ一合目くもり日に行く七時雨山
新安比温泉「静流閣」: 七時雨山の西麓に位置し、東北自動車道安代I.Cから車で3分、登山口までは車で20分足らず。昭和62年(1987年)に湧出した割と新しい温泉であるらしい。化石海水型のナトリウム塩化物強塩泉で、塩分濃度は海水の2倍以上もあるという。なるほど、薄茶色のしょっぱい湯で、いかにも効きそうな感じ。源泉掛け流し風だったけれど(多分)半循環、加温。内湯外湯ともゆっくりと落ち着ける。新安比温泉というのはこの静流閣の1軒だけのようだ。朝食は7時から。1泊2食付き一人8,950円(税込み)はかなり割安だ。
「静流閣」のホームページ
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