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四国(高知〜香川)・3泊4日の山旅日記・そのB
No.448 栗林公園紫雲山
令和4年(2022年)12月14日(水) 概ね晴れ レンタカー利用

栗林公園の借景となっている紫雲山
  栗林公園から紫雲山を望む↑
紫雲山の略図
タカオカエデ(イロハモミジ)の紅葉
栗林公園の紅葉
稲荷山へ向かう
アベマキの多い山稜

展望は殆ど無い
稲荷山の地味な山頂

四等三角点の標石あり
室山の狭い山頂

落ち葉の泥壁だ!
室山から急降下!

室山の急降下はスリル満点!

稲叢山登山…高知(泊)…飯野山登山…高松(泊)-《車5分》-栗林公園北門前駐車場〜栗林公園散策〜紫雲山(稲荷山166m〜稲荷山姫塚〜室山200m)〜室新町〜栗林公園北門前駐車場-《車30分》-高松空港… 【歩行時間: 約3時間】
 ※移動はレンタカー
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ


 四国(高知〜香川)・3泊4日の山旅もその最終日となった。高松空港からの帰路は午後便を予約してあるので、きょうは半日ハイキングを楽しむことにしてある。事前に少し調べて私達夫婦が選んだトレイルは、高松市街の宿泊地にほど近い…あの有名な回遊式大名庭園の…栗林公園と、その西側に隣接する紫雲山(しうんざん)を繋げて歩くことだった。紫雲山は稲荷山(いなりやま・166m)と室山(むろやま・200m)の総称で、栗林公園のバックボーン(借景)ともいえる存在だ。

 高松市街の目抜きに位置するホテルで6時半からの(バイキング形式の)朝食をゆっくりと摂ってから、チェックアウトしてトール(レンタカー)に乗る。このダイハツの1000cc車は軽快によく走る。お天気も良いし、今日も気分はルンルンだ。
 とはいえ、あっという間に栗林公園の北門近くの(有料の)駐車場に着いて、歩き始めたのは7時50分頃だった。まずは入園料の@410円を支払って静かな栗林公園を、のんびりとゆっくりと散歩する。開園時間は日の出(冬季は7時)から日没(同17時)まで、というのが嬉しい。パンフレットの解説によると、国の特別名勝に指定されている文化財庭園の中で最大の広さ(総面積75ha)であるらしい。カモが泳いでいる美しい池や見事な手入れ松や築山など、溜息をつきながら散策・観賞した。もう12月も中旬なのに、タカオカエデ(=イロハモミジ)が未だきれいに紅葉していたのには特に感激した。私は若いころに一度この栗林公園を訪れているけれど、佐知子は今回が初見参だ。

 栗林公園をぐるっと一周して、9時20分頃に北門に戻り、それから…「紫雲山ハイキングコース」の道標に導かれて…よく整備された広い山道を進む。何気にクヌギが多い…と感じたのだけれど、幹の様子も落葉の葉形もなんか微妙に違うみたいだ。よくよく観察してみると、そうだ、これはアベマキだ、とガッテンした。関東に住む私達にとってアベマキは、とても珍しい樹種なのだ。あぁここは西の国、四国なんだな、とこのとき思った。
 アベマキの他には、コナラ、ノグルミ、アラカシ、シラカシ、ヤブニッケイ、カクレミノ、ネズミモチ、トベラ、ハマヒサカキ、カンザブロウノキ、そしてアカマツやネズミサシなど、植生はそこそこ自然っぽい。所々の樹林の隙間から、東面の栗林公園の一部や高松市街を見下ろせる処もあったりして、この小道の散歩は快適だ。
 稲荷山の地味な山頂を過ぎて、石清尾(いわせお)山方面への分岐でもある稲荷山姫塚で暫し立ち止まって、緊急夫婦会議。議題は「石清尾山古墳群やその先の浄願寺山へ足を伸ばしてみるか、このまま(室山を経由して)下るか…」ということだった。しかしこれは何時ものように…水は低い方へ流れて…帰りの飛行機に遅れたら大変なので…簡単そうな室山経由で下ろう、ということになった。…しかし、これが案外の難コースだったのだ。
 アベマキやヤブニッケイなどの樹木に囲まれた、四等三角点の標石のある、こじんまりとした室山の山頂でサーモスのコーヒータイムを楽しんでからの、最後の下りが超ハードだった。トラロープは張ってあるけれど…足場が悪くて角度が急すぎる…落ち葉の泥壁なのだ。標高差にして180m程度の短い道のりだったのが幸いして、なんとか無難に下り終えたけれど、気遣いの神経とロープに頼った腕がかなり疲れるという珍しい体験を…期せずして…してしまった。そのときは本当にもう真剣だったのだ。
 ドスンと降りたらそこはアスファルトの静かな住宅街(室新町)で、のほほんと進んで国道193号線(同492号線との重複区間)へ出て、栗林公園の東門の前を通って、北門近くの駐車場に戻ったのは丁度お昼の12時頃だった。まったりとした山歩きに最後の落とし穴(急坂の下り)があったけれど、かえってそれがアクセントになって、楽しい紫雲山ハイキングだった。
 さて、何処かで讃岐うどんでも食べてから、ゆっくりと家路をたどることにしよう。

 四国って、其々の山に個性があって、多分何時来ても何時登っても楽しい、壮大で荘厳なレジャーランドなんだ、と今回の山旅でしみじみと思い知らされた。今回はそのほんの一部を垣間見ただけで、何時かまたLCCなどの超格安ツアーがあったなら是非来てみたい、としみじみとそう思った。

* 紫雲山の山名由来: 三省堂の日本山名事典によると 「老松に覆われ、紫雲がたなびくように見えるということに由来」 とのことです。私達が歩いた範囲では…見落としたものか…老松も若松も見かけなかったですが…、この山名由来には情緒がありますねぇぇぇ〜。

 外部サイトへジャンプ 栗林公園の公式サイト

  佐知子の歌日記より
 急坂の細いロープを掴みつつ下ればそこは栗林公園



広くて静かな尾根道
稲荷山姫塚から室山へ向かう

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