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沖縄・5日間の山旅日記・その@
No.449 与那覇岳(よなはだけ・503m)
令和5年(2023年)1月22日(日) 曇り時々晴れ レンタカー利用

沖縄本島の略図

与那覇岳の略図
雲海から頭を出した富士山
機窓から富士山を望む
やんばるの森の中
与那覇岳登山口

整備された登山道
登山道を進む

中央に一等三角点の標石
与那覇岳の山頂


やんばるの森へ分け入る

@1月22日=東京(羽田)06:45-《SNA》-09:45沖縄・那覇空港-《車2時間》-与那覇岳登山口〜記念碑広場〜与那覇岳503m(往復)…国頭村 【歩行時間: 約1時間50分】
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ
A1月23日=嘉津宇岳、他…国頭村
B1月24日=…雨・沖縄本島ドライブ観光…名護市
C1月25日=名護岳熱田岳…玉泉洞…南城市
D1月26日=…那覇空港…東京

 ※移動はレンタカー


 東京の羽田空港から6時45分発の、私達夫婦を乗せたソラシドエアーの021便は快調に飛行する。水平飛行に移ってから暫くして、空弁を食べながら右側の機窓から見下ろすと、雲海から真っ白な富士山が頭を出している。旅の初めに富士山を拝むことができて、私達夫婦はもうウキウキだ。
 定時の9時45分を少し過ぎて沖縄の那覇空港に降り立つ。と、暖房の効き過ぎかと思うほどの暖かさにびっくりして、薄手のジャケットも山用のセーターも脱いだ。…このジャケットもセーターも、5日間の沖縄の山旅が終わって東京に帰るまで、ザックの底溜り(単なる重り)になっただけだった…。

 予約のレンタカーも快調で、カーナビに従って那覇ICから沖縄自動車道へ入る。那覇へ向かう方向を「上り」、那覇から遠ざかる方向を「下り」と呼んでいるそうだが、その下り線の中城パーキングエリアで昼食にする。分厚いハンバーグの挟まったハンバーガーだ。
 許田ICからは一般道を更に北東へ進み、与那覇岳登山口の駐車場に着いたのは13時30分頃だった。佐知子がバイオ分解式トイレへ行っている間、国頭村(くにがみそん)の案内板…略図や与那覇岳天然保護地区の解説など…を読んで予習をする。ここは標高約320m。自然保護のために靴底を拭ってから、やんばる(山原)の森の真っただ中へ分け入る。
 なだらかな登山道は広くて、よく整備されている。イタジイ(スダジイ)、タブノキ、オキナワウラジロガシ、ホルトノキ、イジュ、モチノキ、ヒメユズリハ、イヌガシなどの照葉樹が頭上を覆い、大きなシダ類が中空を埋める、わくわくする亜熱帯性の植生だ。ヤブニッケイと思しき葉の匂いを嗅いでみたけれど、殆ど匂わない。もしかしてシロダモだったのかもしれない。本土の同種の樹木と比べてその微妙な違いを探すのも面白い。
 足元のアオノクマタケランの赤い実やツワブキの黄色い花が目に強烈だ。赤っぽい土壌の足元にはきれいな落花が…赤い花びらはヤブツバキで、白いのはエゴノキやヒメサザンカで、季節外れのイジュも交じっていそうだ。とにかく、私にとっては珍しい樹木が多すぎて、同定のためにメモったり写真を撮ったりするのも大変で億劫で、その殆どは「見なかったこと」にしてしまった。…もっと時間があったなら何日も続けて来てみたい、と思えるような多様性に富んだやんばるの自然林だ。
 小広い空間(記念碑広場)で一息入れる。「自然を愛する方へ」と題した国頭村教育委員会の大きな解説板には「立ち入り制限にご協力ください!」と書かれているけれど、具体的にはどういうことなのか判然としない。その趣旨には勿論賛成だけれど…。
 記念碑広場からは倒木を跨いだり潜ったり、シノダケ(リュウキュウチク)の茂みをかき分けたり、かなり山道らしくなる。このコースで唯一の展望箇所で足を止め、東シナ海方面の景色を暫し眺める。ここから少し進んだ処が与那覇岳の最高点503mであるらしいが、標識がないので知らずに通り過ぎる。何れにしてもあっという間に(正味1時間足らずで)、一等三角点(498.00m)のある与那覇岳の山頂に着いてしまった。
 この与那覇岳の山頂には展望は無い。ペットボトルのお茶を飲んだり菓子類を少し食べたりしてから、沖縄本島の最高点を踏んだことに満足して、踵を返す。
 ひっそりとした登山口の駐車場に戻ったのは15時45分頃だった。

 ヤンバルクイナの天敵であるマングースの捕獲器は山中に見かけたけれど、そのヤンバルクイナやノグチゲラなどの希少動物と出遭うことができなかったのがちょっと残念だ。まぁでも、もしも見ることができたとしたら、それは超ラッキーなことでもあるらしいので、まぁいいか、とも思う。

 今日からは国頭村の「アダ・ガーデンホテル沖縄」に2連泊の予定で、明日に予定している嘉津宇岳登山も楽しみだ。

* 与那覇岳の山頂は要注意!: こじんまりとした与那覇岳の山頂広場には、来た道と同じような道型が四方に4つほどあって、ぼ〜っとしていると下山路を間違えてしまうかもしれません。「登山口→」と書かれた(古くて頼りない)木板の標識があるので、まず大丈夫だとは思いますが、老婆心ながら一言付け加えます。

* 沖縄本島の土壌(地質)について: 「沖縄図鑑(JTBパブリッシング)」の記述によると、沖縄本島北部は「国頭(くにがみ)マージ」と呼ばれる赤土の酸性土壌で、やんばるの森を形成するのはその酸性土壌を好むシイ類やカシ類が中心であるとのことです。なるほど、与那覇岳周辺の森を眺めると“モコモコとしたブロッコリーのような木が密集している”のがよく分かります。
 なお、沖縄本島の南部は琉球石灰岩の弱アルカリ性土壌とのことで、北と南では地質が異なるそうです。その土壌の違いから育つ作物も異なり、酸性土壌の北部ではパイナップルやミカンなど、弱アルカリ性土壌の南部ではサトウキビが栽培されている、というのも興味深いことです。

* 沖縄は世界遺産だらけ!: 2021年(令和3年)7月に、沖縄島北部(やんばる)は奄美大島、徳之島、及び西表島とともにユネスコの世界自然遺産に登録されました。既に2000年(平成12年)12月には首里城などの遺跡や史跡が世界文化遺産に登録されています。沖縄の文化や自然は益々世界的、になってきているようです。

  佐知子の歌日記より
 やんばるの与那覇岳(よなはだけ)は緑濃し お隣り様は米軍の森

*** コラム ***
生まれて初めてHV車を運転して・・・

レンタカー利用 那覇空港近くから乗ったレンタカーはホンダの小型HV車だった。レシプロエンジン車しか運転をしたことのない私にとっては、けっこうな刺激の(驚きと感動の)経験だ。とにかく音が静かで、私が自動車を運転しているのか自動車に運転させられているのか、今の自分を遠くで見ているような…非現実的な…運転体験だった。
 確かに技術の進歩は凄いものだとは思うけれど、私的には、暴れ馬を乗りこなすといった運転の面白みがスポイルされているように感じて、なんか(運転自体は)楽しくなかった。
 これからの世界の趨勢は、HV(ハイブリッドカー)どころかEV(電気自動車)やFCV(燃料電池自動車)の自動運転へ向かっているという。人類の英知はいったい何処まで行くのだろう。そしてそれは実際、自然との調和のとれたものになるのだろうか…。二酸化炭素を出さないEVやFCVのエネルギー源は電気や水素だが、それらはいったい何からどうやってつくられて、その過程でなにを放出するのか。電池による汚染はないのか。…化学に疎い私は、何か釈然としない。
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やんばるの森を行く・・・
大きなシダが覆いかぶさる
なだらかな登山道を進む
山頂は近い!
倒木を跨いで…

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