沖縄・5日間の山旅日記・そのB No.451 名護岳(なごだけ・345m) 令和5年(2023年)1月25日(水) |
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第2日目(1/23)=…嘉津宇岳登山、他…国頭村 第3日目(1/24)=国頭村…観光ドライブ(名護城公園・海洋博公園・今帰仁城址など)…名護市のホテル 第4日目(1/25)=名護市-《車20分》-名護中央公園・名護青少年の家〜(沢コース)〜名護岳345m〜前岳339m〜名護青少年の家-《車30分》-恩納村・熱田岳登山…玉泉洞(観光)…南城市のホテル 【歩行時間: 名護岳=2時間10分 熱田岳=1時間弱】 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ 第5日目(1/26)=…那覇空港…東京 ※移動はレンタカー 1月24日(雨の一日): 沖縄に来て3日目は朝から雨だった。この日の予定は名護岳登山だったので、とりあえずホンダの小型HV車(レンタカー)を走らせて、その登山口のある名護中央公園まで行ってみた。しかしやっぱり、そぼ降る雨に私達夫婦の意気は低く、きょうは島内ドライブ観光の日にしましょう、ということになった。…で、まず名護城址を見物したり名護城神社に参拝したり、咲き始めている琉球寒緋桜(ここも桜の名所)を愛でたり、傘を差して名護城公園内を歩き回った。ここで知ったことだが、「城」のことを当地では「ぐすく」と呼んでいる。なので名護城は「なんぐすく」と発音するそうだ。 それから本部(もとぶ)半島をぐるっと一周して、海洋博公園(沖縄美ら海水族館)やこれも世界文化遺産の今帰仁城(なきじんぐすく)跡などを観光して、この日は名護湾の南岸に位置するサンコーストホテルに宿をとる。 佐知子の歌日記より マンタのそば小魚の群れ泳ぎいる巨大水槽は平和の美(ちゅ)ら海 幾万の人と石とが作りしか今帰仁城址(なきじんじょうし)はカーブを描く 1月25日(曇り時々晴れ): 雨上がりの、気分のいい朝だ。(ここも)7時からのホテルの朝食を摂ってからチェックアウトして、20分ほど車を走らせる。名護中央公園内の駐車場に車を停めて歩き始めたのは8時10分頃だった。昨日に来ているので…それが結果的には“下見”になって…きょうはとんとん拍子だ。 「沖縄県立名護青少年の家」の裏手を左方向へ進み、体育館を巻いていくと左側に「Aコース入口」の道標を発見。名護青少年の家が発行しているハイキングコース案内図や25000図のコピーも持参したのだが、現地の指導標が不親切なこともあり、歩き始めから進むべき道が分かりにくくて、何となく不安だったのだが、それが一挙に解消して思わずほくそ笑む私達だった。 登山道へ入ると、例のあの、ヒカゲヘゴなどの大きなシダ類やイタジイ、イジュなどの照葉樹が生い茂る、正しくやんばるの森だ。リュウキュウマツもけっこう交ざっている。樹名板の付いているのもあったりして、いかにも自然公園っぽい。…ホルトノキ、ヤブニッケイ、アデク、シャリンバイ、タイミンタチバナ、フカノキ、マテバシイ、モチノキ、ヒメユズリハ…等々。 舗装道へ出て暫く進むと分岐があり、私達は予定通り、左手の沢コースを進む。と益々自然っぽくなってくる。クワズイモの大きな葉がきれいな緑色に光っている。ツワブキの黄色い花も美しい。ここにもエゴノキやヤブツバキの花が落ちている。小さな赤い実も落ちているけれど、これはオニシバリだろうか、それともリュウキュウミヤマシキミだろうか。目のない小さなヘビのような不気味な生き物は(大きな)ミミズだろうか。…興味は尽きない。 地面のあちこちに、これがアオミオカタニシ(準絶滅危惧・NT)だろうか、きれいな薄緑青の巻貝が微かに蠢いている。小さなカタツムリのような容姿が可愛いらしい。樹上性の巻貝の一種とのことだが、これがクワズイモの葉などに付いていたとしても…保護色で…見分けるのは困難だと思われる。雨後の濡れた地面に下りてきたことで、私達のような小動物音痴にも見分けることができたのだと思う。そう…、遠くの大きなものはとてもよく見えるのだけれど、近くの小さなものは殆ど見えないのだ、特に私は。老眼が進んでいるのかも…。 急勾配を登り切ると展望が開け、三等三角点(345.17m)の標石のある小広い名護岳の山頂に着いた。東シナ海も太平洋も良く見える。西面の市街地の向こうは本部半島の山々…昨日登った嘉津宇岳や八重岳の山影に違いない…もよく見えている。北の方向、羽地内海の少し左上に、きれいな虹が出ている。何気に、ここにも帰化植物のタチアワユキセンダングサ(シロバナセンダングサだったかも)が、きれいに白く咲いている。 感動の山頂で30分ほどまったりとして過ごしてから徐に下山開始。下山路はAコースで、前岳を経由してひたすら下る。よく整備された小道で、登山道としてはとても歩きやすい。途中に赤土がえぐれた道があって、ハイカーのオーバーユースによるものだとは思うけれど、ちょっと考えさせられた。…まぁ、オーバーユースによる自然破壊は、素晴らしい山(=ハイキングによいコース)の宿命かもしれない。表丹沢などの人気コースと同じ悩みと対応を、これからもこの山はもち続けるのかしらん、と訝った。 * 登山道のオーバーユースについての私(Tamu)の考えついては、コラム欄・「丹沢のブナと登山道について」を参照してみてください。 トイレや炊事棟のある広いキャンプ場を抜けて、青少年の家の先にある駐車場に戻ったのは10時50分頃だった。そういえば、事前に読んだガイドブック(分県登山ガイド・山と渓谷社)の該当項に、この「青少年の家」の玄関脇の庭木に(名護岳で発見されたという)野生のナゴランが着生している、と書かれてあったことをこのときはすっかり忘れていた。それが心残りと云えば…ほんのちょっとだけれど…心残りかも…。 少し歩き足りない気もしたので、予定していた近くの山・熱田岳へ、予定通り登ってみましょう、と、私達夫婦にしては珍しく前向きな意見が噛み合った。 * 吉田類さんとすれ違う: 名護岳登山を終えて、駐車場から車で下り始めて間もなく、前方から異様な集団が登ってきました。よく見ると、先頭を歩いているのは、なんと、あの吉田類さんで、多分(NHK「にっぽん百低山」の)取材だったのだと思います。類さんときれいな女性の後には(思ったよりも)随分と大勢の取材陣(スタッフ)がついていました。「飲み過ぎないように注意してください」と類さんに話しかけたら、にっこりと笑って「あぁ…」と返事をしてくださいました。 吉田類さんがその番組で何を感じて何を話すのか、楽しみです。実際、自然に恵まれた名護岳は、ハイキングによい、ステキな山だったのですから。 → あとで分かったことですが、吉田類さんと一緒に歩いていた美人は上間綾乃さんでした。沖縄県出身の沖縄民謡歌手でタレント、とのことです。[後日追記] 佐知子の歌日記より 雲間より虹の半分あらわれて名護山頂にはしゃいでおりぬ 番組のクルー引き連れ軽やかに吉田類さん名護岳登る |