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沖縄・5日間の山旅日記・その④
No.452 熱田岳(あっただけ・160m)
令和5年(2023年)1月25日(水) 高曇り レンタカー利用

沖縄本島の略図

熱田岳の略図
石階段が続く
Bコースの登山口

この辺りが熱田岳山頂かも
山頂と思しき地点

東シナ海を一望
稜線の展望地にて

各市町村の木が植えられている一角
各市町村の木が・・・
天井からぶらさがる「つらら石」
玉泉洞の鍾乳石

帰路の機窓から撮影
さらば沖縄・また来る日まで


つまり、県民の森を散歩

第1日目(1/22)=羽田…那覇空港…与那覇岳登山…国頭村
第2日目(1/23)=嘉津宇岳登山、他…国頭村
第3日目(1/24)=…島内観光(海洋博公園・今帰仁城址など)…名護市

第4日目(1/25)=名護市のホテル-《車20分》-名護中央公園~名護岳登山-《車30分》-恩納村熱田・県民の森~(Bコース)~熱田岳~(Aコース)~県民の森…玉泉洞見物…南城市のホテル
 【歩行時間: 名護岳=2時間10分 熱田岳=1時間弱】
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ
第5日目(1/26)=…那覇空港…東京
 ※移動はレンタカー


 *** 前項「名護岳」からの続きです ***

 ボリューム的には軽ハイキングの名護岳登山を終えて、その下山口(=登山口)のある名護中央公園からは30分ほどのドライブで、熱田岳登山口のある恩納村(おんなそん)熱田の「県民の森」に着いた。その広くて立派な駐車場から歩き始めたのは11時40分頃だった。
 舗装路を少し歩き、森林学習展示館前から指導標に従って左折して登山コースBへ進み、石階段(擬似木の階段)を登る。辺りは鬱蒼としたイタジイ(スダジイ)などの照葉樹の森で、リュウキュウマツやリュウキュウチクなども入り交ざっている。アデク、シャリンバイ、タイミンタチバナ、マテバシイ…など、ここも樹名板が整備されているので、樹木観察における同定の手間が省けるので気は楽だ。
 気分のよいステキな自然林を黙々と登っていたら、歩き始めてから20分足らずで、稜線の分岐へ出た。ここを左へ進んでなだらかに少し進んだところが熱田岳のピーク160mなのだが、ウワサ通り、山頂標識も三角点もないのではっきりとした地点が分からない。登頂の証拠写真が撮れないわねぇ、と佐知子が揶揄するが、まぁ、こんな山もたまにはいいだろうと思う。
 引き返して山稜を南へ進むと、西面の開けた展望箇所に出る。東シナ海が一望で、瀬良垣ビーチ~万座毛方面が良く見えている。その左手の鈍角三角形の山影は、あれは恩納岳363mに違いない。…などと暫くは道筋に立ち尽くしていたのだけれど、ベンチなどの座る場所もないので、早々に通り過ぎる。
 冒険広場方面へ進む分岐を右折して、Aコースを下る。こちらもよく整備された歩きやすい道で、樹名板も多い。モチノキ、イタジイ、ソウシジュ、クチナシ、ヒメユズリハ…など、樹木観察にも力が入る。
 幾分なだらかになって里が近づいてくると、道の両脇には沖縄県内の各市町村の木が植樹されている箇所を通る。県民の森・登山コースAのこの区間は、まるで皇居東御苑の「都道府県の木」が植えられている一角を歩いているような、そんな感じさえする。面白かったのでそれらの樹種の一部をメモってみた。
 県民の森の広い駐車場に戻ったのは歩き始めてから丁度1時間後の12時40分だった。

* 沖縄県の市町村の木:
・ 恩納村や本部町、那覇市などはフクギ(フクギ科の常緑高木)
・ 今帰仁村や宜野座村はリュウキュウマツ
・ 国頭村はイタジイ、沖縄市はビロウ
・ その他、リュウキュウコクタン(カキノキ科の常緑中低木)、イヌマキ、デイゴ、ガジュマル、シークワーサー…など、何れも当地の自生種が市町村の木に指定されているようです。
 ちなみに、沖縄の県木はリュウキュウマツで県花はデイゴ。おまけに、県鳥はノグチゲラで県魚はタカサゴ(グルクン=方言名)、県蝶はオオゴマダラ、とのことです。
※ 沖縄県・市町村の木についての詳細については県の公式ページ(市町村の木・花・花木)を参照してみてください。

* 熱田岳のハイキングコースについて(補足): 私達が歩いたAコース、Bコース、自然観察コースの一部、の他にも渓流コースなどもあり、もう少し足を延ばしてもよかったかもしれないと思いました。コース道は登山道というよりは遊歩道と云ったほうが相応しいような、つまり自然公園内の散歩道、といったところでした。でもそれは、とっても密度の濃い、ハイキングの良さを凝縮したような、そんなハイキング道でもありました。

 まだたっぷりと行動時間があるので、よっぽどもう一座を(例えば石川岳など)登ってしまおうか、とも考えた私達だったが、そこそこ疲れたこともあって、やっぱり今日の午後は南部の観光でもしましょう、ということになった。低い方へ妥協するのは私達夫婦の得意技である。
 で、午後は、南城市の鍾乳洞(玉泉洞…おきなわワールド)などをまったりと観光してからユインチホテル南城にチェックインした。このホテルの隣には「猿人の湯」という、沖縄県では数少ない温泉入浴のできる施設があるそうで、それがちょっと楽しみだ。

ユインチホテル南城「猿人の湯」: 沖縄県の南部・南城市佐敷(さしき)の高台に位置するリゾートホテル。部屋の窓などからは東海岸が良く見える。(株)タピックの総合ウェルネスネットワーク(つまりグループ会社)のひとつが運営しているらしい。沖縄で温泉が楽しめるホテルとして、ネット上の評価は高いようだ。
 「猿人の湯」は同ホテルに隣接する(同系列の)日帰り温泉施設で、10年ほど前にオープンしたらしい。“太古の化石海水が含まれた源泉かけ流し”とのことで、泉質はナトリウム-塩化物強塩泉。茶褐色に濁った湯はかなりしょっぱい。肌にはいい感じで、自宅の近く(東京都大田区)にある平和島温泉を彷彿とさせる。ちょっと面倒くさいと思ったのは、ホテルからいったん外へ出て入館しなければならないということだ。赤い壁など、館内は(私にとっては)なんか落ち着かない空間だった。入浴料金の1,650円はいくらなんでも高過ぎると思ったけれど、私達はホテルの宿泊客なので、もちろん無料で入り放題だ。…ホテルの宿泊料も割高に感じたけれど、従業員たちの応対はとても感じのいいものだった。
 沖縄には湯船に浸かるという習慣がない(なかった?)そうだ。歴史とか風土の違いによるものだとは思うけれど、温泉入浴に対する感性にも若干の異同があるように感じられた。とはいえ、これから多分、温泉入浴の習慣が益々浸透してくるような予感はある。何れにしても貴重な沖縄の温泉施設を、未来永劫、大切に見守っていきたいと思った。…まぁ、よそ者の私の勝手な(もしかして的外れの)感慨だけれど…。
 外部サイトへリンク 「ユインチホテル南城」のホームページ

 翌日(1月26日)、ホテルの朝食後は真っ直ぐに那覇へ向かった。レンタカーを返して、那覇空港から10時15分発のソラシドエアー022便に乗り、東京の羽田空港に着いたのは昼の12時半頃だった。表へ出たとたん、冷房の効き過ぎと思われるような寒さにびっくりして、慌ててザックからセーターとジャケットを引っ張り出した。列島にはこの冬一番の寒気(最強寒波とか…)が流れ込み、ここ数日、各地では大変なことになっていたらしい。なんか申し訳ないような~、そんな気がした。

  佐知子の歌日記より
 玉泉洞なまあたたかい鍾乳洞ニキロを出れば土産物屋が



展望地から東シナ海を望む
熱田岳の展望地から東シナ海を望む(恩納岳~万座毛方面)

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