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スイス・アルプス周遊ハイキング そのA
No.459-2 ツェルマット編
令和5年(2023年)7月16〜17日 概ね良い天気(乾季)


あのマッターホルンを見てきた!
I did not climb the Matterhorn…but touched it with my heart!

 ツアーの行程
7月11日〜12日:
東京(成田)〜ドバイ〜チューリッヒ〜サンモリッツ
7月13日: サンモリッツ〜コルバッチ展望台・ベルニナ山群ハイキング〜サンモリッツ
7月14日: サンモリッツ〜オスピッツォ〜アルプグリュム〜ディアヴォレッツァ
7月15日: ディアヴォレッツァ…ムント・ペルス登山〜サンモリッツ〜ツェルマット

7月16日: ツェルマット〜マッターホルン北壁展望ハイキング…ツェルマット
7月17日: ツェルマット〜 ゴルナーグラート・リッフェル湖ハイク〜メンリッヘン
7月18日: メンリッヘン〜クライネシャイデック〜ユングフラウヨッホ〜グリンデルワルト
7月19日: グリンデルワルト〜フィルスト展望台・バッハアルプゼーハイキング
7月20日〜21日: グリンデルワルト〜チューリッヒ〜ドバイ〜東京(成田)



モルゲンロートに染まるマッターホルン
ホテルの窓から・・・
7月16日
遊歩道をなだらかに下る
シュワルツゼーから歩き始める
少し雲が出てきた
牛さんとマッターホルン

ツェルマット市街を南北に流れる
マッターフィスパ川

7月17日
絶景だ!
ゴルナーグラート展望台にて
↑左側がモンテ・ローザ


リッフェル湖へ向かう
 *** 前項「@サンモリッツ編」からの続きです ***

 7月16日: ツェルマット=シュワルツゼー
 サンモリッツからクールを経由して、あの有名な…世界一遅い特急…レーティッシュ鉄道の氷河特急に乗車して、ツェルマットに着いたのは(列車の遅れもあり)昨夜の10時近くだった。なので寝不足で、今朝はちょっと身体がしんどい。それでも、部屋のカーテンを開いてびっくりして完全に目が覚めた。このツェルマット市街の小高い処に位置する4つ星ホテル「ポーシェット・ツェルマット」は、流石に設備もロケーションも素晴らしい。窓の正面にはマッターホルンが、街並みの奥に神々しく屹立している。その絵画のような景色が部屋のベランダから見放題なのだ。
 7時からの朝食を摂ってから、ロビーに集合したのは8時15分。11名のメンバーは全員元気なようだ。きょうもツアーリーダーのHさんと現地ガイドさんが丁寧に案内をしてくれるので、安心だ。
 まずツェルマットの街を観光したり、パン屋さんで弁当用の…美味しいハムとチーズの挟まった…カスクートを買ったりしてから、街の南端にあるロープウェイ駅(Zermatt ZBAG-lz)までゆっくりと約15分歩く。そしてゴンドラに乗り、フーリを経由してシュワルツゼー2583mで降りると、益々マッターホルンは目の前だ。きょうはそこから(ツェルマット1620mへ向かって)歩き始める。
 よく整備された遊歩道で、自転車組(バイク)の若者たちも多い。歩行時間にして正味約4時間の軽ハイキング(なだらかな山下り)で、マッターホルン北壁や周囲のアルプスらしい山岳風景を堪能しながらの、夢にまで見た夢のトレッキングだ。
 きょうもマーモットを見ることができたし、カウベルを付けた牛たちとも戯れたし、花咲くアルプ(高原の牧草地)でピクニックランチ(つまり弁当)も楽しんだ。…もう、ハイジになった一日だった。

 ツェルマットに戻ったのは15時頃で、再び街の観光などをして過ごす。市街を南北に流れるマッターフィスパ川(けっこうな急流だ!)が白濁しているのは、氷河によって削られた石灰岩の影響だということを、ガイドさんに教わってこのとき初めて知った。
 この日の夕食も“自由”だったけれど、不案内な私達夫婦は他の数名のメンバーと一緒に、Hさんが紹介してくれたレストランで、白ワインを飲みながらチーズフォンデューを食した。ちょっとしょっぱめの味だったが、なんか、懐かしい味がした。
 ホテルの部屋に戻ったのは21時頃だったが、まだ昼のように明るい。私達はベランダの椅子に座って…日が完全に落ちる22時過ぎまで…マッターホルンを見ていた。
 * この日の歩数計=22477歩

 佐知子の歌日記より
ゴンドラを乗り継ぎ見上ぐおおこれがマッターホルンだ天突く頂き
バスローブ分厚く長く部屋広し四つ星ホテルはわが規格外


 7月17日: ツェルマット〜 ゴルナーグラート〜リッフェル湖…メンリッヘン
 ツェルマット駅から8時発の登山電車に乗ってゴルナーグラート展望台3090mへ。ゴルナー氷河、フィンデルン氷河、そしてスイス最高峰のモンテ・ローザ4634mからマッターホルン4478mまでの、4000m級の山々が連なる絶景を堪能する。それから“逆さマッターホルン”で有名なリッフェル湖までのなだらかな道をのんびり歩く(徒歩約2時間)。きょうも夢のような素晴らしい時間が流れる。
 景色の素晴らしさは私の稚拙な文章力では到底表現できない。世界的に超有名な処なので、テレビや写真や、あるいは実際に見たことがあるという方もたくさんおられると思う。撮ってきた写真の一部を添付したが、それを見ていただいて「あぁ、そんな感じか」と思ってもらうしかない。…つまり、山岳風景の素晴らしさは筆舌に尽くしがたい、ということだ。
  ゴルナーグラートからの展望(YouTube)

 リッフェルベルク駅2582mまで下ってから登山電車でツェルマットに戻ったのは12時の少し前頃で、車内で食べるお弁当を駅の近くのコープ(スーパーマーケット)で買い求めたりしてから、12時37分発のフィスプ(Visp)行きの列車に乗る。そしてそのフィスプとシュピーツ(Spiez)とインターラーケン・オストでそれぞれ乗り換えて、グリンデルワルト(のひとつ手前のグルント駅)に着いたのは15時30分頃だった。そこから2019年にリニューアルしたというVバーンのゴンドラに乗って、標高差1280mを約30分かけて上る。…この日の宿・メンリッヘン山岳ホテルに着いたのは16時30分頃だった。それにしても、ふぅ〜、緊張する電車とロープウェイの旅だ。まぁしかし、移り変わる異国の珍しい風景に、もともと眠ってなんかいられないけれど…。
 メンリッヘン展望台の標高は2229m。涼しい風が吹いている。この広い展望台からもその真ん中に位置するホテルの部屋からも、ベルナーオーバーラント三山(アイガー3970m、メンヒ4107m、ユングフラウ4158m)が見放題だ。今はこの地の乾季だそうで、(多分)明日もいい天気だ。
 * この日の歩数計=12067歩

 佐知子の歌日記より
ホテルよりマッターホルンの頂上がすっきり見える朝日を浴びて
リッフェル湖はマッターホルンを逆さにし名カメラマンぞくぞく現る


次項「Bグリンデルワルト編」へ続く

*** コラム ***
半世紀前のスイスの思い出

ゴルナーグラートにてスキーを楽しむ
Tamu・青春の一コマ
ゴルナーグラートにて
 じつは52年前の春〜初夏(1971年3月〜5月・未だ固定相場制で 1米ドル=360円の時代)、学生だった私は、ドイツと日本のユースホステル協会が主催(協賛?)するヨーロッパのツァーに単独で参加して、約2週間をスイスで過ごした経験がある。サンモリッツもツェルマットもグリンデルワルトの街なども、確か歩いているはずなのだが、残念なことに殆ど覚えていない。それが、今のツェルマットの一角に残されている古い家並み…ネズミ避けのため土台の柱に円形のスレートを挟んである昔の穀物小屋(?)など…を見学したことで、昔の黒っぽくてシブい街並みや2頭立ての馬車の様子などを、おぼろげに思い出した。新しく建て直した建物なども、よく見ると昔の風情を損なわないように配慮してあるのが理解できた。…そして段々と…、マッターホルンが白くてかっこ良かったことや、その山腹で貸してもらったスキー板を着けて滑ったことや(写真)、イタリアのトリノ〜ローマまでは(アルプス越えで)ヒッチハイクをしたことなど…、まざまざと脳裏に蘇ってきた。
 親のスネを齧って買ってもらった一眼レフ(ニコマート)を持参していたのだが、撮った写真は少ない。撮っている心の余裕がなかったことや、フィルムや現像代が高かったのが影響していると思う。ツェルマットで撮ったのが2枚、マッターホルンを撮ったのは3枚だけだった。
 季節の違いもあるだろうし温暖化のことも起因しているとは思うけど、今回のこの時季のマッターホルンは黒々と見えていた…。
 悔いだらけの我が青春だけれど、このスイスアルプスの思い出には一点の陰りも悔いもない。…ただ、もう少し上(つまりもっと高い処)まで登りたかった…。

1971年の春・ニコマートで撮りました!
フィルムはコダックのISO100でした…確か…
ツェルマットの駅前…? 白かったマッターホルン
↓現在のツェルマットの街
夜の7時過ぎでこの明るさ
観光客で賑わう
ガソリン車の乗り入れ禁止は今も変わらず
↓今回撮ったマッターホルン
殆ど同じ場所から撮りました
ゴルナーグラート展望台から撮影
まったく同じ地点から撮っていました

スイスの略図
スイスの山旅:行程の略図



マッターホルンを見てきた!
3100クルムホテル ゴルナーグラード
ゴルナーグラート展望台で一休み
夢のようなハイキング
リッフェル湖へなだらかに下る
この少し先にもう一つの湖がある
逆さマッターホルンの山上湖リッフェルゼー

INDEX
@サンモリッツ編
Aツェルマット編(本項)
Bグリンデルワルト編
スイス・アルプスで見かけた花・写真集

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