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新潟の弥彦山と角田山-その1
No.491 弥彦山(やひこやま・634m)
令和7年(2025年)4月13日(日) 曇りのち雨

ロープウェイ山頂駅付近から弥彦山の山頂部を望む
弥彦山の山頂部

弥彦山の略図
弥彦山の略図
桜が満開!
弥彦駅前からスタート!

バックに弥彦山が・・・
まず彌彦神社に参拝

美しい杉木立
スギ林を登り始める

明るい山道
四合目を通過

三条駅で買ってきた笹だんご
おやつの笹団子

猩々袴(Heloniopsis orientalis):メランチウム科の多年草
ショウジョウバカマ

田子蛙:アカガエル科。日本の固有種
タゴガエル(の心霊写真?)
↑かなりピンボケ m(__)m

大展望!
弥彦山の山頂

彌彦神社の奥宮
弥彦山山頂の御神廟

展望レストランの展望所から撮影
展望レストランの展望所にて
↑パノラマタワー・多宝山↑

ロープウェイ山麓駅から弥彦神社へ向かう
万葉の道を下る

彌彦神社の御神体を登る

4月13日=東京駅07:04-《新幹線とき303号》-08:43燕三条9:02-《JR弥彦線》-吉田-9:28弥彦駅~弥彦神社~弥彦山634m~(下山はロープウェイを利用)~15:00弥彦温泉 【歩行時間: 3時間10分】
4月14日=弥彦温泉…角田山登山~岩室温泉
4月15日=岩室温泉…岩室駅…東京…

 → 地理院地図の該当ページ(弥彦山)へ


 田中澄江さん(1908-2000)の晩年の著書「新・花の百名山」に角田山の項があるのを、ずぅ~っと忘れていた。私達夫婦が未だ登ったことのない山だったこともあるが、その項に関してはやけに文章の量が少なくて、あっさりとした紀行文だったことも影響していると思う。
 最近読み返してみて、田中さんのその文章の中にある一文が妙に気になった。
 「…兄が新潟医大の病理にいたので、娘時代からよく新潟市を訪れた私は、信濃川口に近い三つの山に親しみを持った。一番西(南)が良寛の庵を結んだ国上山、次が日本三彦山の一つ弥彦山。隣の角田山には、春はカタクリが、夏はスカシユリが咲くという。そしてこれらは皆古い火山だという…」
 西蒲三山(にしかんさんざん)とか弥彦三山という呼び名もあるらしいが、この三山(国上山、弥彦山、角田山)は古より修験者の山として知られているという。無性にこの低い山域を歩いてみたくなったのは…、じつは、2~3年前に放送されたNHKのテレビ番組・吉田類さんの「にっぽん百低山」で弥彦山と角田山が取り上げられたことも、動機の一つになっている。
 本来ならば(山ヤならば)一日で西蒲三山縦走といきたいところだが、日ごろの鍛錬不足で根性なしの…おまけに後期高齢者の…私にはそれは見果てぬ夢だ。…という訳で、今回は国上山はカットして、弥彦山と角田山に的を絞って、麓の温泉宿をベースに、それぞれを(まったりと)2泊3日で、登ってみようと計画した。その山旅の初日に登ったのが弥彦山だった。

● 越後平野の日本海沿いに連なるこの低い山域を弥彦山塊、または弥彦山脈と呼ぶこともあるようだ。北から角田山(かくだやま・482m)~多宝山(たほうざん・634m)~弥彦山634m~雨乞山(あまごえやま・318m)~国上山(くがみやま・313m)と連なるが、多宝山と弥彦山は(たまたま)同じ標高で、この2座を総称して(双耳峰として)弥彦山とすることもあるという。何れにしても、弥彦山が弥彦山塊の主峰であることに間違いはない。
● 日本三彦山とは、福岡県添田町の英彦山と兵庫県姫路市の雪彦山、そして今回の新潟県弥彦村の弥彦山のこと。
 [Wikipediaの該当項などを参考にして記述]

 数ヶ月前から予約していた新幹線eチケットサービスを利用して、東京駅を7時4分発の「上越新幹線・とき303号」に乗車する。朝食はその車内で、私も佐知子も、東京駅構内の駅弁屋で購入した「深川めし・@1,100円」を食す。
 「(20年~30年前と比べて)値段が倍になったけれど、最近の深川めしにはハゼの甘露煮が入っていないわねぇ~」「う~ん…海苔も殆ど入っていないし~、アサリは相変わらずたっぷりと入っているけれど…、ハゼの甘露煮が入っていないのは、やっぱり寂しいねぇ…」などと話し合っているうちに、「とき303号」は猛スピードで北へ走り、あっと言う間に燕三条駅に停車した。そしてそこからJR弥彦線に乗り換えて、吉田駅を経由して、終点の弥彦駅に着いたのは9時28分だった。相変わらず新幹線の運賃は高いけれど、スピードは超早い。
 天気予報があまり良くなかったせいか、弥彦駅前から参道へ続く道は思ったよりも人影が少ない。ラッキーだったのは、桜並木のソメイヨシノが満開だったことだ。東京より1週間は遅い春だ。
 一の鳥居を潜って石橋を渡り、それから左へ少し曲がって二の鳥居を潜り、立派な随神門を抜けて彌彦神社の拝殿で参拝する。「おやひこさま」とか「越後一宮」などと呼ばれ越後県民から慕われているという彌彦神社。御神体はその背後に聳える弥彦山そのもので、御祭神は天香山命(あめのかごやまのみこと:越後開拓の祖神:天照大御神のひ孫)であるという。由緒ある、境内の広い、とても立派な神社だ。→ 彌彦神社の公式サイトへ
 拝殿の左脇へ進み、美しい杉林に囲まれた“万葉の道”を通り、指導標に従って弥彦山ロープウェイ山麓駅への道を正面に見送って左折して、よく整備された登山道へ入る。…ジグザグと急登が続く。一合目~二合目と出てくる合目石に励まされ、道端のスミレ類やショウジョウバカマ、そしてまだ見頃のカタクリの花などにも元気づけられて、私達の歩みは割と順調だ。
 徐々に辺りは明るい自然林へと移行する。ヤマガラやシジュウカラが私達の近くで囀っている。タムシバが咲いている。トキワイカリソウやカンズゲも少し咲いている。
 石鳥居の立つ五合目は…山頂まで登れない人たちが参拝するための…遥拝所でもあるという。その五合目からは合目間の距離が縮まっているようで、あれよあれよという間に山頂に近ずく。
 日当たりも益々良くなってきて、六合目の辺りだったろうか、「里見の松」と彫られた石柱の立つ展望所の東屋(屋根付きのベンチ)で中休止・おやつタイム。サーモスの熱いコーヒーを飲みながら、燕三条駅構内の売店で買ってきた笹団子などを美味しく頂く。正面(東面)には田園風景の越後平野が広がり、今朝方歩いてきた弥彦駅からの参道などもよく見えている。弥彦線の走る右側には、車窓から見えていたあの朱色の大鳥居も…目を凝らせば…見えている。そのずっと奥に雪を纏って横一線に連なるのは越後山脈の山々で…少しモヤっているけれど…壮観な眺めだ。中央に聳えている粟ヶ岳1293mが、ここからは特にかっこよく目立っている。→ 「里見の松」からの展望
 七合目に水場があって、きれいな水が岩の割れ目から流れ落ちている。その濡れた岩壁の隙間から「グゥ~、グゥ~」と鳴くタゴガエルに気が付いて足を止めた。(私のホームベースの一つでもある)高尾山の水場などでよく聞いたことのある鳴き声なので、なんか懐かしい気がした。近づいていったら、その岩穴の入口でじぃ~っとこちらを睨みつけているタゴガエルの目が見えたので、写真を撮ってみた。でも、後で分かったのだが、この写真はボケボケの失敗だった。私の写真のウデが悪いのではなく、タゴガエルのいた岩穴が暗すぎたのだ、多分。
 何気に、空が少し暗くなってきた。そしてついに、雨がパラつき始めた。幸い、風は弱い。
 キクザキイチゲの咲く八合目付近を過ぎ、九合目で主稜線に出た。右(北)へ少し進めば弥彦山ロープウェイ山頂駅だが、ここは左折して電波塔の多い尾根道を進み、弥彦山の山頂を目指す。北を振り返るとピラミッド型の多宝山が近く、その左後方には明日登る予定の角田山がドテッと横たわっている。
 弥彦山の山頂部はイコール御神廟・弥彦神社の奥宮で、天香山命とその妻・熟穂屋姫命(うましほやひめのみこと)が祀られているという。丁重に参拝して、それから小雨に煙る越後平野の大絶景をたっぷりと堪能して…佐渡島方面も煙っていたけれど…徐に踵を返す。
 ロープウェイ山頂駅付近(弥彦山頂公園)は観光地化されていて、高さ100mの回転昇降展望塔「パノラマタワー」などがあり、弥彦山スカイライン(無料・冬季閉鎖)を利用して車で来ることもできるようだ。私達がその展望レストランで昼食(やひこラーメン・@1,000円)を摂っていたとき、とうとう雨が本降りになってきた。で、止む無くというか予定通りというか、ロープウェイで下山(片道・@800円)することにした。
 弥彦山ロープウェイの山麓駅から彌彦神社拝殿脇までは無料の送迎バスが出ているが、私達は利用せず、美しい杉木立の“万葉の道”を傘を差して歩いた。そして彌彦神社の境内をあちこち(鹿苑や満開の桜苑など)を観光してから、きょうの宿・弥彦温泉「お宿だいろく」にチェックインしたのは15時30分頃だった。
 “春の女神”と呼ばれるギフチョウに山中で出遭えるかも、と思っていたのだけれど、今回は(それに関しては)残念だった。

温泉マーク 弥彦温泉「お宿だいろく」: 彌彦神社から弥彦駅へ向かって徒歩3分の距離、つまり弥彦温泉のほぼ中心に位置する和風の温泉宿。男女別の大浴場と貸切の露天風呂がある。アルカリ性単純泉、殆ど無色透明無味無臭、ヌルヌル感あり。西を向いた部屋の窓からは弥彦山が至近距離で聳えている。その手前の道を隔てた空間には満開の桜が咲いていて、素晴らしいロケーション。京風会席料理も美味しかった。今どき、部屋食を選べるサービスが有難い。通常は7時30分からの朝食を7時からにしてもらったのは、山旅の私達には嬉しかった。これで1泊2食付き一人14,300円(税込み)は割安に感じた。
 外部サイトへリンク 「お宿だいろく」のホームページ

 佐知子の歌日記より
 弥彦駅降りれば桜満開の並木路つづき弥彦神社へ
 日曜の山道に人多くいてお先にどうぞを繰り返し言う
 佐渡島海の向こうに横たわりおおきく伸びをするごとひろがる
 雨の昼ラーメン食しいそいそとロープウェイで下る弥彦山

次項「角田山」へ続く(工事中)

弥彦山の写真集: 大きな写真でご覧ください。

弥彦山の山稜にて
弥彦山の山稜にて
↑キクザキイチゲ…?八重のニリンソウのようにも見えるけれど…

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No.490-2「六国峠ハイキングコース②」へ工事中です



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