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No.501 焼津アルプスの 満観峰(まんかんほう・470m) 令和8年(2026年)2月2日(月) |
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富士山展望と焼津温泉に大満足! → 地理院地図の該当ページへ 本サイト「私達の山旅日記」のBBS(掲示板)の常連さん(ルモンさん)の投稿に背中を押されたことが直接の動機で、前々から気になっていた静岡県の焼津アルプスを訪れてみた。 結論を先に云うのは興覚めかもしれないけれど、この山旅はとても素敵だった。…そう、私達好みのシブい景観の登山口(花沢の里:国の重要伝統的建造物群保存地区)と、山頂や山稜からの富士山や駿河湾などの大展望が、お天気に恵まれたこともあって、すごくよかった。それに加えて、麓に焼津温泉が待っているということが私達夫婦にとっては何よりのご褒美だ。そしてもう一つ、駿河湾を擁する焼津漁港が近くなので、鮪などの海鮮料理が美味かったことも私達の山旅に花を添えてくれた。 つまり焼津アルプスは…特に地元の中高年層に人気のある…展望に優れたハイキングによいミニ山域、という云い方ができるかもしれない。登山道はよく整備されていて安心安全だし、もしかして「ハイキング」としてのレベルならば東京都八王子市の高尾山にも似ているかもしれない。とはいえ、植生においては…この国の西側の常として…人の手が入りすぎている感じが少しした…。 ★ 焼津アルプスとは、静岡県焼津市と静岡市(駿河区)の境界に連なる山々の総称で、標高500m以下の低山が連なる、いわゆる「ご当地アルプス」です。代表的な山は高草山(たかくさやま・501m)、満観峰(まんかんほう・470m)、花沢山(はなざわやま・449m)の3山とのことですが、いつ頃から焼津アルプスと云われているのかは判然としません。何れにしても、十数年前までは…私的には…全く聞いたことのなかった山群名です。 この小さな山域を初めて歩く私達にとって、焼津市観光協会の該当ページ(ハイキングマップなど)が大変に役立ちました。 東海道新幹線の「ひかり501号」を静岡駅で在来線(東海道本線)に乗り換えて3駅目・焼津駅の南口に降り立ったのは午前8時20分頃だった。その駅前の…今NHKの朝ドラ(連続テレビ小説・ばけばけ)で話題になっている…小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の「八雲の碑」の前で、早くも緊急夫婦会議。…花沢の登山口に近いバス停(高草山石脇入口)へ行くバスは8時54分発で、30分以上をここで待たなくてはならない…のでどうする、という議題だ。二人で少考の結果…ここは割とあっさりと…タクシーを利用しましょう、ということになった。…後期高齢者登山の極意は、時間と体力をお金で買うということだ、やっぱし。(^^;) という訳で、タクシー料金の1,800円を無口な運転手さんに支払って、ロウバイの咲く花沢の里(入口)から歩き始めたのは8時40分頃だった。昔懐かしい感じのする閑静な花沢の里を、解説板などを読みながら、なだらかに上って進む。殆ど無風だったので寒くはない。 ★ 小泉八雲と焼津: 「耳なし芳一」や「のっぺらぼう」などの短編怪談集で知られる明治の文豪・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、晩年の避暑地として焼津をこよなく愛し、毎夏を過ごしたそうです。焼津小泉八雲記念館など、焼津には小泉八雲ゆかりの施設や記念碑などが多くあります。 →小泉八雲を知る(焼津市のホームページ) ★ 花沢の里: 古い家並みが残る山村集落。平成26年(2014年)9月18日、静岡県初の国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されたそうです。 → 静岡県の関係サイト 花沢集落の北の外れに位置する天台宗の古刹・法華寺(山号は高草山)を参拝する。なかなか立派なお寺だったので、何時もは5円玉か10円玉のお賽銭だが、このときは100円玉を入れた。(^^;) それから道標に従って…下山路に予定している日本坂峠方面への山道を右に分けて…満観峰の登山口(と思われる)箇所から本格的に登り始める。よく整備された登山道だ。梅がチラホラ咲いていたり河津桜が咲いていたりして、けっこう早春な気分で心地よい。 林道(舗装道)をいくつか横切ったり、里山的なロケーションを楽しみながら登ると、やがて広く開けた(林道との交点でもある)鞍掛峠に出る。ここのベンチに腰掛けて、サーモスの熱い湯でインスタントコーヒーを溶かしてコーヒーブレイク。ホッと一息。「やっぱり山の風はいいねぇ~」「それにしても、このハイキング道には中高年のグループ…地元のハイカーたちかしら…が多いわねぇ~」などと会話する。 スギ・ヒノキの人工林にアラカシやコナラなどの天然林の交ざる、よくある植生の山道だが…何気に、背の高くなったチャノキの目立つ箇所がある。う~ん、これはかつての茶畑の名残りかも、と推測する。実際、この先のハイキング道周辺にもそれらしき箇所(かつての茶畑)が随所に出てくる。 足元の(私的には)見慣れぬ草本…葉はヤブミョウガに似るけれど少し幅広のような…は、これがハナミョウガだろうか。初夏に来て、咲いている花を見てみたい、と思った。 「見上げ桜ベンチ」や「丸子(まりこ)の出合」など、近隣の山々や駿河湾などを一望できるる展望所や謂れ因縁のありそうな箇所でも小終止しながら高度を上げて、これも好展望台の「みなとテラス」を過ぎると間もなく、老若男女のハイカーで賑わう満観峰の広い山頂部だった。 東屋や多くのベンチのある満願峰の山頂部は、特に安倍奥の山々~富士山~伊豆半島~駿河湾方面(東面~南面)が大きく開けていて、まるで特設の展望台といった風で、噂に違わず居心地はすこぶる良い。私達は1時間以上もの間、この山頂部をぐるぐると巡ったり、早めのお弁当を食べたりして過ごした。…山頂部の芝生広場の中央には数株の大きなスギとサカキ、ヒサカキ、ツバキ、アセビ、少し離れてサクラ、などが生えていて、こんもりとした小さな森のようになっている。薄暗いその中へ足を運んでみると石祠があって、ちょっとした異空間になっている。…それもとても面白いと思った。 丁度お昼の12時頃、満観峰の山頂から日本坂峠へ向かって下山を開始する。急勾配の箇所もあるけれど、「家康ベンチ」や「一ノ谷展望台」などの展望箇所の多い(つまり休憩箇所の多い)尾根道は快適だった。…ただ、この区間(満観峰~日本坂峠)にはいくつかの小さな「コブ」があって、けっこうなアップダウンだ。地形図をよく読むと、そのコブは7つで、その6番目が四等三角点433.52m(点名:一ノ谷)のある無名峰だ。だから何なの、というほどのことではあるけれど…。 ★ かつての茶畑が自然に還る…: かつてこの山域では茶の栽培が盛んだったそうです。山稜や山腹には放置された鉄製の運搬用モノレール(索道)や作業小屋跡などが随所に見ることができましたが、それは茶葉を運んでいた形跡であるらしいです。そのチャノキの生き残りが、今は衰えながら自生化していますが…、多分、数十年か数百年後には跡形もなく(栽培種のチャノキが)消えてなくなるかもしれません。この地の特性というか近代史というか浮き沈みというか、そんな情景を垣間見たような、今回の焼津アルプス山行でもありました。 * チャノキ: ツバキ科の常緑樹。栽培樹は低木に仕立てられますが、自生化すると高木になります。 ★ 東海道自然歩道の一部: 満観峰~日本坂峠~花沢山の尾根道は東海道自然歩道のバイパスコースの一部にもなっているようで、その標識が随所に目立っていたのが印象的でした。 日本坂峠で花沢山への縦走路を正面に見送って、右折して花沢の里へジグザグと下り、古民家カフェ(カントリーオーブン)に立ち寄って、手作りスイーツとコーヒーで癒やしのひとときを過ごす。 それから舗装路を南へどんどん下って、東名自動車道と東海道新幹線と東海道本線をトンネル(アンダーパス)で抜けて、線路に沿ってさらに南へ進む。小浜団地の閑静な建売住宅街を左に見送ってから左折して、矢張り静かな舗装路をなだらかにくねくねと登る。海際の丘の上に建つ私達の今日の宿「亀の井ホテル」に着いたのは15時40分頃だった。長いアスファルト歩きがったが、初めて歩く「道」に、これも飽きることはなかった。 ● コース上の樹種(観察順): スギ、ヒノキ、アラカシ、スダジイ、ナンテン、ネズミモチ?、クスノキ、イロハモミジ、タブノキ、コナラ、アオキ、イヌガヤ、ヤブツバキ、イヌツゲ、シロダモ、チャノキ、イヌマキ、ヒサカキ、サカキ、アセビ、(ヤマ?)ザクラ、アカメガシワ、マユミ、カラスザンショウ、オオバヤシャブシ、ハコネウツギ、ヤマグワ、エノキ、オオシマザクラ、ヤブニッケイ、バクチノキ、など。 翌朝(2月3日)、ホテルの無料送迎車で焼津駅まで送ってもらった。真っ直ぐに帰宅するのもなんなので、この日は静岡駅前からバスに乗って日本平~久能山東照宮を観光した。日本平の夢テラスからの富士山の景色や、久能山東照宮の荘厳な雰囲気など、とてもよかった。 静岡駅からは在来線(東海道本線)で、まったりと帰路に就いた。 ★2月3日の行程=亀の井ホテル-《宿の送迎車》-焼津駅-《バス》-日本平・日本平夢テラスなどで展望を満喫-《ロープウエェ》-久能山東照宮(参拝)~久能山下-《バス・東大谷で乗換》-静岡駅-《東海道本線》-横浜… 佐知子の歌日記より 昼時の満観峰の頂上は皆が富士に向き食していたり 「これだけ?」とサイコロほどの一切れのマグロを食らう焼津の朝餉 石組みの千五百段下りおり駿府久能山東照宮の 山稜(満観峰~日本坂)にて
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