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No.63 石鎚山(いしづちさん・1982m)
平成10年(1998年)5月3日〜4日 快晴


3泊4日 四国の山旅(後編)
「霊山」を甘く見てはいけない!

第1日=徳島空港-《バス》-JR徳島駅…貞光駅-《タクシー》-見ノ越-《リフト》-西島〜剣山頂上ヒュッテ・剣山 第2日=剣山頂上ヒュッテ〜剣山〜西島〜見ノ越-《タクシー》-貞光駅…伊予西条駅-《タクシー40分》-石鎚登山口-《ロープウェイ》-山頂駅〜成就 第3日=成就〜夜明峠〜弥山1921m〜天狗岳1982m〜弥山〜土小屋-《バス》-面河渓 第4日=面河渓-《バス》-松山城見学-《バス》-松山空港
 【石鎚山歩行時間: 第2日=30分 第3日=6時間30分】
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翌朝、成就社の屋根の上に顔を出した石鎚山
石鎚神社成就社

*** 前項・剣山 からの続きです ***

  第2日目(5月3日・雨のち曇): 雨と風と霧の剣山をあとにし、貞光から徳島線で阿波池田へ。 池田駅前から暫く歩いた処のうどん屋で昼食。 それから土讃線で多度津まで行き、3度目の乗換えで予讃線伊予西条駅で下車。 何と効率の悪い交通だろう…。
  多度津駅のホームで知り合った70歳のオジサンは、東京の馬込生まれで豊島区在住、奥さんの実家が四国とのことだった。 法事で阿波にきて、奥さんを残して一人旅、気楽なものだ…。 西条から同乗したおかげでタクシー代の3分の1の2,000円が浮いた。
  ロープウェイ山頂駅より30分ほど歩いて、成就社境内の常住屋白石旅館に着いたのは午後4時半頃だった。 そのオジサンと偶然同じ宿だった。
  夕方から夜にかけて辺りは深い霧に包まれた…。

白装束の行者さん
一ノ鎖
夜明峠から石鎚山へ向かう。いよいよクサリだ。
夜明峠
なんとか天狗岳山頂へ辿り着いた
天狗岳山頂
  第3日目(5月4日・快晴): 未明、境内を散歩した。 一面の雲海、空は快晴。 ヤッター!
石鎚神社成就社の屋根の上に顔を出した石鎚山。 一瞬、妙義山に似ている、と思った。
  午前6時半、宿を出発。 ゆっくり歩く。 時間はたんまりある。 東北東を振り返ると、雲海の上に存在感のある瓶ヶ森1896mが見えている。 その手前にチョコンと大森山の頂が、左方には先ほどまでいた成就社の杜が、矢張り雲海の中の小島のように見える。 何処からかホラ貝の音が聞こえる。 来て良かった、と思った。
  夜明峠までの雑木林の中に、ブナなどに混じって「ヒメシャラ」と表示されている木があったが、天城のそれと比べると木肌の色が赤よりも茶に近く、どっきりするなまめかしさはなかった。
  巻き道を行かず、一ノ鎖、二ノ鎖、三ノ鎖、に挑戦してみた。 順番待ちで混雑していたが、はっきり言って、とても怖かった。 特に「二ノ鎖」の65mをよじ登った時に怖い思いをした。 足よりも腕が疲れた。 ところが、佐知子は平気で登ってきた。 どうやら太い鎖のつなぎ目の輪の中に靴先を掛けると登りやすいようだ。
  やっとの思いで祠のある弥山山頂に着く。 人ゴミでごった返していた。
  雲海が晴れてきた。 西から南西にかけて間近に見えるのは、西ノ冠岳から二ノ森にかけての山並。 緑の山が大きくて素晴らしい。 二ノ森のあれはカール地形だろうか(ンな訳ないか…)。 瓶ヶ森の右手前に、直下の二ノ鎖下部より東へ延びている登山道が見える。 その先に小さく見える建物の辺りが下山予定の土小屋だ。
  ここで大問題が起こった…。 東南の眼前に聳える天狗岳への切り立った岩尾根を歩き出したとたん、妻の佐知子がビビリだしたのだ。 オーバーハングしている稜線の岩の上から落差1000mはあると思われる谷底を見たことで、急性高所恐怖症になってしまったのか。 あるいは、稜線に出てホッとした瞬間、忘れていた鎖場での恐怖を思い出し、一挙に疲れが出てしまったのか。 何れにしても、全く元気がなくなってしまった。
  充分な休憩をとった。 結局、何とか二人で西日本最高峰の天狗岳の頂上に立つことはできたが、色々な意味で考えさせられた稜線上だった。 「霊山」を甘く見てはいけない。 「冒険」は、矢張り、するものではない…。
  なだらかな道を、アケボノツツジの濃いピンク色の花などを観ながら、のんびりと下山。 土小屋着3時50分。 4時30分発の一日に2便しかないバスに乗り、面河渓(おもごけい)へ。
  面河渓のバス停から30分ほど遊歩道を歩き、関門や五色河原などの景勝を見物し、閑静な宿「渓泉亭」に着く。 部屋の窓から渓谷越しに巨大な岩盤(亀腹)が望める。

  第4日目(5月5日・薄晴): 面河渓は石鎚山南麓の聖なる渓谷(聖流郷)であるらしい。 早朝、宿の付近を散歩してみた。 河原の岩が白く見えていたので石灰岩だと思っていたが、近くでよく見ると花崗岩のようだ。(石鎚山周辺の岩石は殆どが堆積岩のように見えたが…。)
  バスを乗り継ぎ、3時間ほどで松山市内へ入った。 三越デパート前の停留場でバスを降り、暫く歩いてロープウェイに乗り、小高い丘の上にある松山城を見学した。 晴れてはいたが薄靄がかかっていて、石鎚山は見えなかった。
  ゴールデンウィークの最終日とあって、松山空港は帰路の観光客などで混雑していた。 空港ロビーでANAの搭乗手続きをしていたとき、地元テレビ局のインタビューアーにマイクを向けられた。 「愛媛に満足しましたか?」 との質問に 「大満足です!」 と答えた。



西ノ冠岳〜二ノ森)を望む
石鎚山の山頂から南西方面(西ノ冠岳〜二ノ森)を望む

雲海に浮ぶ瓶ヶ森。その手前にチョコンと大森山。
雲海に浮ぶ瓶ヶ森 ・ 手前にチョコンと大森山

天狗岳への切り立った岩尾根

*** コラム ***
石鎚山(天狗岳)は以南と以西の最高峰

  国内において南側にその山より高い山がない、という山を最近では「以南最高峰」などと呼んでいますが、実はこの石鎚山は「以南最高峰」であるとともに「以西最高峰」でもあるのです。 だからなんなの? と云ってしまえばそれまでですが…。
  これより先にはその山よりも高い山がないのですから、それはもうほとんどロマンの世界で、やはりスゴいことだと私は思います。 ちなみに、富士山を基点にした以遠最高峰のなかで以南と以西の両方の最高峰にノミネートされるのはこの石鎚山のほかには宮之浦岳(屋久島)と御岳(トカラ富士・中之島)だけです。 また、それ以外に2方向にダブる以遠最高峰は、富士山の白山岳と宝永山を除くと、以北と以東の最高峰では奥白根山と女峰山(何れも日光)、それに大雪山(旭岳と北鎮岳)。 以北と以西では北岳と奥穂高岳と槍ヶ岳、だけしかありません。 ね、スゴいでしょう。
* 「以遠最高峰」の山列一覧については 日光白根山の頁 のコラム欄を参照してみてください。[後日追記]

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