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小楢山の山頂にて
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美しい森と小草原の さわやかコース
《マイカー利用》 中央自動車道・勝沼I.C-《車》-焼山峠〜子授地蔵〜一杯水〜小楢山〜小楢峠〜的岩〜焼山峠-《車》-鼓川温泉… 【歩行時間:
2時間15分】
→ 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ
3年前の秋に大弛峠から登った金峰山があまりにも良かったので、御近所の奥様方(妻の佐知子のお友達です)をお誘いしての、総勢5名の今回の山行。自宅を朝の5時半に出発して、首都高から中央自動車道に入り勝沼インターで降りて、塩山を抜け、塩平の焼山林道入口までは快調にとばしてきたけれど、ここで不穏なムード。「この先川上牧丘林道は災害復旧工事のため通行止め」 の標板にドッキリ。もしかしたら何とかなるだろう、と尚も先へ進み、最後の小集落柳平を通過し、緑深い六本楢峠で愕然とした。今度は通行止めの遮断機が降りていて、標板には「本当に通れませんよ」と書いてある。ここいら辺はとてもいいところだね、などと、のんびりとしている場合ではなくなった。
金峰山がだめなら瑞牆山へ、と、焼山(やきやま)峠まで戻り、金山平を目差し荒川林道(クリスタルライン)を西へ進んだのだが、暫らく走るとまたもや「通行止め」の標板。いよいよ絶望的になってきた。前回の山行[初夏の尾瀬ヶ原]に引続き、またしても、地元への事前の確認を怠ったための大失態(面目丸つぶれ)を仕出かしてしまった。
焼山峠の駐車場で茫然と立ち尽していたら、何と、ここから次々と歩き始めるパーティーがあるではないか。そう、ここは小楢山ハイキングコースの出発地点でもあったのだ。奥秩父前衛の小楢山は、近くの乾徳山と並んで人気があるらしい。ウドンなどを作るときに使う権鉢にその山容が似ていることから、地元の人は権鉢山(峰)とも呼んでいるらしい。
という訳で、前置きが長くなってしまったが、焼山峠から小楢山へ向かって歩き始めたのは午前9時30分。まずは登山口にある沢山の石仏(*子授地蔵)に両手を合わせる。ここは既に標高1500m以上あり、標高差で約200mのピクニック気分の往復軽ハイキングだ。ホトトギスやシジュウカラ系の小鳥の囀りが聞こえる。遠くでカッコーも鳴いている。気分転換の早い我がパーティの面々はもう既にルンルン気分だ。
ブナ、ミズナラ、ダケカンバ、ウラジロモミ、リョウブ、クリ、コナラ、ツツジ類などの雑木林と、植林と思われるカラマツ林が交互に現れる登山道をゆるやかに登っていく
。所々、林と林の合間に小さな草原があり、白い花のオダマキ(園芸品種?・里の庭から種が飛んできたのかなぁ…?)や背の高いアザミが今を盛りと咲いている。少し花期の遅れたアヤメも辛うじて咲いている。
小楢山の山頂一帯は錫杖(しゃくじょう)ヶ原と呼ばれ、休憩舎や「霊山 古那羅山」と彫られた標石などがある。二等三角点の標石の近くで少し早めのお弁当、1時間15分の大々休止。近くに鮮やかな紫色のアザミの花が沢山咲いていて、蜂や蝶々などが次々とやってくる。生憎の曇り空で、見える筈の奥秩父や南アルプスの山々や富士山などはとうとう見ることができず、南の眼下に薄ぼんやりと甲府盆地の一角(塩山のあたりかな?)が見渡せるのみだった。
小楢峠を経由して焼山峠へ戻ったのは午後1時頃だった。変化に富んだ清々しいコースだったが、ボリューム不足の感は否めない。小楢峠から幕岩・大沢ノ頭を往復(歩程40〜50分)するか、もっとがんばって窪平などの麓から歩くか、すべきだったかもしれない。早過ぎる下山だったので、焼山峠からほど近い鼓川(つつみがわ)温泉へ立ち寄って、ゆっくりと山の汗を流してから帰路につくことにしよう。
* 子授(こさずけ)地蔵 : 焼山峠にある小楢山登山口の傍に何十体もの石仏が置いてある。案内板の説明によると、「夫婦に子が授からないとき、お地蔵様を誰にも分からないように一体持ち帰り、子供が授かるように毎日お祈りをし、子が授かったら二体にして元に返し祀っておく」 とのことだった。私達にはもはや縁のない話だけれど、なんか…、読んでいてほんのりとした気持ちになった。
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牧丘「鼓川温泉」: 甲府盆地の東の外れ、塩山の北西の静かな山里に位置する、牧丘町の日帰り温泉施設。建物は情緒があって新しいようだが、この温泉、一体いつ頃から営業していたんだろう。そして、この温泉の「売り」は何だろう、と思索しても、いかにも公営らしいパンフレットからは何も引き出せない。とはいえ、この温泉は「穴場」だと思う。というのは、入浴料は安いし(町外在住者は3時間まで一人500円、系列の「花かげの湯」も利用できる一日フリーパス券は1,000円)、ロケーションは良いし、駐車場は広いし立派な食堂もあるし…。宿泊はできないみたいだけれど、下山後にちょっと立ち寄って汗を流すには最適だと思う。
アルカリ性単純泉。PH9.9。内湯は御影石造り。男女別の露天風呂あり。近くを流れる鼓川(つつみがわ)は笛吹川、富士川と名を変えて駿河湾へ流れている。
* 後日、ネットなどで調べたところ、この鼓川温泉は1995年(平成7年)11月にオープンしたとのことでした。
* 2005年(平成17年)3月、牧丘町は隣接する山梨市・三富村と新設合併し、新市制による山梨市となり、旧町域は山梨市牧丘町となっています。
小楢山の山頂には蝶々がたくさん飛んでいた
キアゲハ
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クジャクチョウ
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