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No.194-2 夏の 鍋割山(なべわりやま・1273m)
平成18年(2006年)7月15日 平成25年(2013年)5月14日

鍋割山 略図
バックに薄っすらと雨山1176m
鍋割山頂にて
この日は富士山は見えず

白い花がまだ満開でした
山頂部のヤマボウシ

小田急線渋沢駅-《バス15分》-大倉〜二俣〜林道終点〜後沢乗越〜鍋割山1273m(鍋割山荘)〜小丸1341m〜大丸1386m〜金冷ノ頭〜(大倉尾根)〜大倉-《バス15分》-渋沢駅… 【歩行時間: 6時間50分】
 → 地理院地図(電子国土Web)の該当ページへ


平成18年(2006年)7月15日 午前中は時々晴れたが・・・ほとんど曇り
飲んだ水2リットル、出た汗は3リットル以上

 梅雨の中休みのクソ暑い日に、山の友人たちと(計3人で)丹沢の鍋割山へ登りました。初夏の山の花…ウツギやヤマボウシやミズキなど…の花期は終わりかけていましたが、緑の山稜は、予想したとおり、とても美しかったです。ジメジメとした猛暑の一日でしたが、木陰に入ると風がさわやかで、まだエゾハルゼミも鳴いていました。

* 鍋焼きうどん: 山頂(鍋割山荘)では、根性で、熱い鍋焼きうどん(\980)を食べました。人間の汗ってこんなに出るんだ、と感心しながらでしたが、これがけっこう美味しかったです。熱さの我慢比べのあとは超冷たいカキ氷(\400)をいっきょに食べて、汗を引っ込めました。

* ヤマビル対策にハッカ油: 以前はそれほどでもなかったのですが、多分シカが増えたことと相関関係にあるのでしょう。最近のこの時季、この山域にはヤマビルがけっこう出るのです。で、一計を案じました。ヤマビル対策には塩水がいいというのは常識ですが、ハッカも効果があるらしいということです。たまたま昨年の北海道山行の折に買い求めた北見産のものがあったので、それを利用してみました。ほんのちょっとのハッカ油を水に溶かし、それを百均の噴霧器で靴やズボンの裾周りにたっぷりとかけました。そのおかげかどうかは分かりませんが、私たちはこの日はヒルにはやられませんでした。もし本当に「ハッカ」が防虫効果だけでなくヒル忌避剤としての効用もあるのだとしたら、靴や衣類を傷めないということやその香りの良さ(まぁ、好き嫌いはありますが、私は好きです)ということからも、塩水よりはずっと優れものだと思うのですが…。ハッカの残り香が、帰路の電車などで気になるということでしたらそれは杞憂です。ハッカ臭は30分〜1時間ほどで、つまり下山してから電車に乗るころまでには消えてしまいます。
  大峰山と吾妻耶山 ヤマビルにやられてしまったときの山行記録です。参照してみてください。

* ヒメボタル: ヒメボタルは梅雨明け頃の気温が上がる時に一気に発生(羽化)するといいます。この日は丁度、鍋割山荘恒例(年間行事)の「ヒメボタル観察会」の日だとのことでした。そのせいか、日中から宿泊客が多数訪れていました。ヒメボタルを観賞した翌日は“登山道補修ボランティア”とのことで、本当に頭の下がる思いです。
 後日談ですが、この日のヒメボタルはそれほどでもなく、今年に関しては、その盛期には少し早かったようです。
※ 陸生のヒメボタルは水生のゲンジボタルやヘイケボタルよりも一回り小さく、黄金色の強い光の点滅(フラッシュ)が特徴となっています。メスの後翅は退化していますので飛ぶことはできません。オスも飛翔力は弱く行動半径は狭いものとなっています。そのため生息地が限られているそうです。[ネット検索などで調べました。]

* 山での挨拶: 鍋割山登山で今回も感じたのは、この登山道ですれ違ったりするときなどのハイカー同士の「挨拶」がほとんどない、ということです。
 うつむいて急坂を必死に登っていますと、急にガサっと「もののけ」の気配。クマかと思ってドキッとして顔を上げると、目の前に対向者が立ち止まっています。下りの人はもっと手前から私たちの存在に気付いていたはずですから、ちょっと声をかけてくれよ、と云いたくなります。私たち3人は「こんにちは」「すいませんねぇ」と、すれ違うときに声をかけましたが、その返事も返ってきません。それがそのハイカーだけではなく、7月3連休の初日のこととて人出が多く、大勢のハイカーとすれ違ったのですが、ほとんどのハイカーが無挨拶・無返事・無表情、なのです。最初のうちは口と耳の不自由な人たちがバラバラに歩いている(または登山嫌いな人たちが仕方なく・歩かされている)集団登山の日かな、と思ったほどでした。山で挨拶をするのはやめよう、という約束事がこの鍋割山にはあるのか、たまたま(私がここに来た昨年の12月某日と今日だけ)のことだったのかは分かりません。そうと分かっていればそれはそれでいいのかもしれませんが、そのときは、なんか、とてもいやな感じがしました。

* 遠雷: この日、関東地方のほとんどの山域は概ね上天気だったのですが、なぜか丹沢の上空にだけ厚い雲が出ていました。午後はずっとカミナリの音が聞こえていたりして、尾根歩きが主体のこのコースのこととて、あまりいい気分ではなかったです。それでもなんとか雨にはならず、気の合った仲間たちと軽口を交わしながらの、楽しい一日を過ごすことができました。

* 帰路、小田急線渋沢駅から新宿方向3駅目の鶴巻温泉駅で途中下車して、「弘法の里湯」に立ち寄り山の汗を流しました。猛暑のこの日、山中で飲んだ水分は約2リットルでした。「弘法の里湯」の体重計で量ったら、私の体重はいつもより約1キログラム減っていたので、汗などで流れ出た水分は今日一日で3リットル以上はあったのかな、なんて、愚にもつかないことを考えました。風呂上りの冷えたビールが、もう最高! でした。…1リットルは飲みましたから、多分体重は元に戻っていると思いますが…。

鶴巻温泉「弘法の里湯」 鶴巻温泉「弘法の里湯」: 小田急線の鶴巻温泉駅から徒歩約2分。2001年10月にオープンした秦野市の日帰り入浴施設。近くの弘法山など、表丹沢ハイキング後の汗を流すにはうってつけの位置にあります。元来、鶴巻温泉はその湯量の豊富なことや含まれる成分のカルシウムイオン濃度がとても高いなど、泉質については定評があります。弱アルカリ性、カルシウム・ナトリウム-塩化物泉。さらっとした湯で無色透明、口に含むと甘しょっぱい味。循環で若干の塩素臭…が少々気になります。男女別大浴場にはそれぞれ露天風呂もあります。土・日・祝祭日は一人2時間まで1,000円ですが、この日はキャンペーン中で平日並みの800円でした。風呂上り、施設内の蕎麦処でのビールはまた格別。つまみ代わりの「蕎麦掻き」も郷愁を誘うナカナカの味でした。
* 後日(同年の12月)、弘法山ハイキング の際に同温泉施設を再び訪れました。この日も休日(日曜日)だったこともありますが、風呂場は大変混雑していて、益々大繁盛のようでした。[後日追記]
  「弘法の里湯」のHP

鍋割山稜にて
山稜のブナ林です
山稜のブナ林
鍋割山稜にて
シカの群れを発見!


今回も鍋焼きうどん(\1,000)を食べました
鍋割山の山頂にて

蔓白銀草:キンポウゲ科・多年草
ツルシロカネソウ

↑クリック!

初夏の鍋割山 平成25年(2013年)5月14日 薄晴れ
ツルシロカネソウがたくさん咲いていた!

 またまた、山の仲間たちと鍋割山稜を歩いてきました。今回はグループ登山の経済的なメリットを生かして、林道奥の車止めのある処(二俣の手前)までタクシーを利用しました。沿道にはたくさんのマイカーが駐車していて、タクシーの運転手さんはUターンするのにヒーヒー云っていました。
 前回(7年前)と決定的に違うのは、この山にも若いハイカー(山ガールとそれが目当ての青年たちなどのこと)がすごく増えて、山道のムードが一新していた、ということです。すれ違うときなどの挨拶も、とても清々しくて、オジサンの私としてはず〜っと目を細めにしていました。
 山の中腹のあちこちではミズキが花盛りで、その(遠目の)花見もたっぷりと堪能しました。いつもは目立たない木ですが、この花期には目いっぱい自己主張するので、あぁミズキって山中にこんなにもあったんだ、と感ずくことができます。ヤマツツジやトウゴクミツバツツジやシロヤシオ(少し)なども咲いていましたが、出会ったベテランハイカーと思われるかたの感想では、今年は花が少ないとのことでした。
 もうそろそろヤマビルのシーズンなので、それを心配して例のハッカ水を足まわりに吹きかけましたが、この日に関しては他のハイカーなどからの情報でも、ヤマビル被害に関しては全然問題なかったようです。
 新緑だったので特にそう思ったのですが、やっぱり鍋割山稜のブナ林はいいですねぇ〜。都会からこんなにも近いのに、という前提での“いいですねぇ〜”ですが…。今回はその山稜の足元にツルシロカネソウ(蔓白銀草:キンポウゲ科の多年草)が群生して咲いていました。セツブンソウやシロバナノヘビイチゴや高山植物のチングルマにも似た可憐な白花ですが、インターネット検索で調べてみましたら “神奈川県から奈良県までの太平洋側に分布、丹沢と箱根(一部)のブナ帯の林床に生える。” とのことで、案外と珍しい種のようです。こんなにたくさん観察できた私たちは幸運でした。
 幸運といえば、下山路の大倉尾根で2箇所ほど、詳細な場所はヒミツですが、エビネ(ラン科・準絶滅危惧)が咲いていました。たまたま私たちの前を歩いていたパーティーに草花に関して超詳しい高齢のご婦人がいて、そのかたが発見されました。悪い人(盗掘者)に見つからないといいね、と私も思いました。

保護柵を通り抜けてきたようです
鍋割山稜のシカ
海老根:準絶滅危惧(NT)
エビネ(ラン科)

鍋割山登山については 前項・冬の鍋割山 も参照してみてください。

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